— 目次 12 項目
- 01 Extended 紹介コード「CHAINHELM」は今も使えるか?
- 02 Extended 紹介コード「CHAINHELM」の特典
- 03 Extended 紹介コードでの登録手順(ウォレット接続)
- 04 Extended 接続後にすべきこと
- 05 Extended 紹介コードは登録後に追加できない
- 06 ポイント制度は動いているが、トークン配布は何も確定していない
- 07 Extended は Starknet で決済するハイブリッド板の perp DEX
- 08 Extended は perp DEX の中で 10 位前後、建玉ではそれより上に見える
- 09 Extended が公式に締め出している国と、免許を持たないという自己申告
- 10 日本は Extended の制限地域に入っておらず、使えるが国内の保護制度は届かない
- 11 Extended 固有のリスクは、運営者ロール・監査の範囲・決済層の停止に集まる
- 12 コードの適用はウォレット接続の一度きり、使うかどうかは記録で判断する
chainhelm 専用の Extended 紹介コードは です。
2026-08-06 時点で、新規ウォレットで実際に接続し、紹介コードが適用されることを確認済みです。
ウォレット接続時に本コードを適用すれば、取引手数料10%割引が適用されます。コードを適用できるのは最初の接続時だけなので、その場で済ませておくことをお勧めします。
本記事では、Extended 紹介コードを使った登録手順(ウォレット接続)を chainhelm 編集チームが実際に検証したうえで、Extended の特徴、日本での利用可否、リスクもあわせて解説します。
Extended 紹介コード「CHAINHELM」は今も使えるか?
chainhelm 編集チームが 2026-08-06 に新規ウォレットで Extended に接続し、紹介コード「CHAINHELM」が今も使えることを確認しました。
こちらの画像は、検証時に撮影した実際の画面です。
画面に「Code Activated」と表示されており、紹介コード CHAINHELM が正しく適用されたことが確認できます。
chainhelm では、コードが引き続き利用できるかを継続的に検証しております。
適用の証拠は、この一度きりの画面で消えてしまうわけではありません。ウォレットを接続したあとは、紹介ページに「✓ Referral Code Applied」の表示が残り、アカウントメニューにも「REFERRAL CODE: CHAINHELM ✓ Applied」が出たままになっています(2026-08-06 に画面で確認)。後から思い出せなくなっても、自分の目で確かめられる状態が用意されています。
Extended 紹介コード「CHAINHELM」の特典
ウォレット接続時に本コードを適用すると、Extended で以下の特典が受けられます。
特典を受け取るには、ウォレット接続時にコードを適用する必要があります。適用忘れにはご注意ください。
Extended 紹介コードでの登録手順(ウォレット接続)
PC・ブラウザで接続する場合と、スマホ(モバイル)で接続する場合に分けて解説します。
PC・ブラウザでの接続手順
- まずは、Extended 公式ページ を開いてください(紹介コードが適用されたリンクです)。開くと、以下のような画面になります。
2. 招待モーダルからウォレット接続を始める
取引画面に重なった招待モーダルで、緑色の「Connect Wallet」をクリックして接続を始めます。モーダルには「You are invited to Extended with the referral code CHAINHELM.」とあり、紹介コード CHAINHELM が適用された状態で、上部に「Receive 0% points boost and 10% fees discount.」と掲示されています。
3. 接続方法を選ぶ
「Connect」のモーダルで、使うウォレット(ここでは「Rabby」)をクリックして選びます。一覧には「Phantom」や「WalletConnect」も並び、上段の「Email」からメールアドレスで始めることもできるほか、下部には接続をもって Extended の利用規約とプライバシーポリシーに同意する旨が添えられています。
4. ウォレット側で接続を承認する
ウォレットの通知ウィンドウが開くので、接続先が https://app.extended.exchange であることを確かめて「Connect」をクリックします。下部の「Connect Address」欄で接続に使うアカウントを確かめられ、承認すると Extended の画面に戻ります。
5. 2 件の署名リクエストを送る
「Create an account」のモーダルで「Remember me」の状態を確かめ、「Send Requests」をクリックして署名のリクエストを送ります。送られるのは「Account creation」と「Register」の 2 件で、口座生成で作られる署名鍵はブラウザ内に保存されると書かれています。
6. 1 件目の署名を行う
ウォレットの通知ウィンドウに「Sign Typed Data」として署名の中身が並ぶので、依頼元が https://app.extended.exchange であることを確かめて「Sign」をクリックします。中身に心当たりがなければ「Cancel」で取り消せます。
7. 1 件目の署名を確定する
同じウィンドウのボタンが「Confirm」に変わるので、続けてクリックして署名を確定します。署名の中身は先ほどのままで、確定すると 2 件目の署名リクエストに進みます。
8. 2 件目の署名を行う
2 件目の通知では、署名内容の action が「REGISTER」であることを確かめて「Sign」をクリックします。これが口座の登録にあたる署名で、依頼元も https://app.extended.exchange のままです。
9. 2 件目の署名を確定する
ボタンが「Confirm」に変わったら、そのままクリックして 2 件目の署名を確定します。確定すると Extended の画面に戻り、署名の進み具合が反映されます。
10. 署名の進み具合を確認する
ウォレットでの署名を終えると、「Create an account」のモーダルに進み具合が反映されます。「Account creation」にチェックが付き、「Register」は処理中の表示のままなので、そのまま完了を待ちます。
11. 紹介コードの適用を確認する
「Code Activated」と「CHAINHELM」が出たら、「Got it」をクリックして閉じます。モーダルには「Enjoy your 10% fees discount for the first $50M of trading volume.」と掲示され、画面右下には「Wallet connected!」の通知が出ています。
スマートフォン(iOS / Android)での接続手順
- まずは、Extended 公式ページ をモバイルのブラウザまたはウォレットアプリ内ブラウザで開いてください(紹介コードが適用されたリンクです)。開くと、以下のような画面になります。
2. 招待シートからウォレット接続を始める
取引画面の下から出てきた招待シートで、画面幅いっぱいの「Connect Wallet」をタップして接続を始めます。シートには紹介コード CHAINHELM で招待された旨と「Receive 0% points boost and 10% fees discount.」が示され、背後の残高欄はまだ「Wallet is not connected」のままです。
3. 接続方法を選ぶ
「Connect」の画面で「Connect Wallet」をタップして、手持ちのウォレットで接続する方法を選びます。ほかにメールアドレスで始める「Email」や「Link Desktop Wallet」も並び、画面下には接続をもって Extended の利用規約とプライバシーポリシーに同意する旨が添えられています。
4. 使うウォレットを選ぶ
「Select your wallet」のシートで、一覧から「Rabby」をタップします。目当てのウォレットが見当たらないときは「Search through 587 wallets…」の検索欄で絞り込め、今回の「Rabby」には「Last used」の印が付いています。
5. ウォレットアプリに切り替えて承認する
「Tap ‘Open’ to continue」の案内が出たら「Open Rabby」をタップし、ウォレットアプリに切り替えて接続を承認します。アプリが開かないときは、下部の「Get Rabby」から入手できる旨も添えられています。
6. 2 件の署名リクエストを送る
「Create an account」の画面で「Remember me」の状態を確かめ、画面下の「Send Requests」をタップして署名のリクエストを送ります。送られるのは「Account creation」と「Register」の 2 件で、口座生成で作られる署名鍵はブラウザ内に保存されると書かれています。
7. 署名の進み具合を確認する
ウォレットアプリで署名を終えて戻ると、「Create an account」の画面に進み具合が反映されます。「Account creation」にチェックが付いた状態で、「Register」の完了をそのまま待ちます。
8. 紹介コードの適用を確認する
「Code Activated」と「CHAINHELM」が出たシートで、下部の「Got it」をタップして閉じます。シートには「Enjoy your 10% fees discount for the first $50M of trading volume.」と掲示され、画面上部は「Main account」の表示に変わっています。
Extended 接続後にすべきこと
PC・ブラウザで入金する場合と、スマホ(モバイル)で入金する場合に分けて解説します。
PC・ブラウザでの入金手順
1. 取引画面から入金を開く
入金するには、右側パネルの「Deposit」をクリックします。この時点では「Balances」に「You have no balances.」とあり、「Available To Trade」も 0.00 USD のままです。
2. 入金元のチェーンと資産を確かめる
「Deposit」のモーダルで、まず入金元のチェーンを選びます。ここでは「Arbitrum」が選ばれた状態で、「Ethereum」「Base」「BSC」「Other」に切り替えることもできます。
「Asset」は「USDC」、「Amount」は空欄のままで、「Available」にウォレット側で使える残高が出ています。下段の「You Receive」「Bridge Cost」は 0.00 USDC のまま、「Est. Time of Arrival」には着金までの目安として 2 分ほどと出ています。
3. 入金する額を入れる
「Amount」に入金する額(ここでは 50 USDC)を入れて、「Enable USD Deposits」をクリックします。金額に応じて「You Receive」は約 49.98 USDC、「Bridge Cost」は 0.01 USDC、「Equity」は 0.00 から 49.97 USDC へと更新されます。
4. ウォレットの互換性チェックを待つ
「Wallet Compatibility Check」の案内が出たら、そのまま待って署名のリクエストを受け取ります。ウォレットの署名が毎回同じ結果になるかを確かめる手順で、署名は 2 件、いずれも無料で取引は発生しないと書かれています。
5. 互換性チェックの署名を行う
ウォレットの通知に「Sign Typed Data」が出るので、action が「COMPATIBILITY_CHECK」であることを確かめて「Sign」をクリックします。互換性の確認用なので、中身に金額や送り先は含まれていません。
6. 互換性チェックの署名を確定する
ボタンが「Confirm」に変わるので、続けてクリックして署名を確定します。署名の中身は先ほどのままで、確定すると次の承認に進みます。
7. USDC の利用を承認する
続いて「Token Approval」の通知が出るので、「Approve to」の相手と「Protocol」欄の「rhino.fi」を確かめて「Sign」をクリックします。入金に使う USDC の利用を許可する手続きで、「My balance」に手元の残高、下部にガス代の見込みが並びます。
8. 承認を確定する
ボタンが「Confirm」に変わったら、そのままクリックして承認を確定します。承認先とガス代の見込みは先ほどのままで、確定すると入金そのものの署名に進みます。
9. 入金の取引に署名する
入金の取引そのものの通知では、「Simulation Results」に 50.0000 USDC の減少が見込まれることを確かめて「Sign」をクリックします。操作の中身は「depositWithId」で、相手は先ほどと同じ「rhino.fi」です。
10. 入金の取引を確定する
ボタンが「Confirm」に変わるので、クリックして入金の取引を確定します。見込みの中身とガス代は先ほどのままで、確定すると Extended の入金画面に戻ります。
11. 入金を実行する
承認が済むと入金モーダルのボタンが「Deposit Funds」に変わるので、クリックして入金を実行します。金額は 50 USDC、「You Receive」は約 49.98 USDC のままです。
12. 入金の受付を確認して待つ
「Deposit Status」に切り替わったら、そのまま完了を待ちます。「Accepted」にはチェックが付き、「Completed」はまだ待機中で、「Arbiscan」から取引の状況を追うこともできます。
13. 入金の完了を確認する
「Completed」にもチェックが付いたら入金は完了で、「Got it」をクリックして閉じます。右下には「Deposit Completed」の通知が「+49.98 USDC」とともに出て、その額が口座の残高に反映されます。
14. 取引画面で残高を確かめる
入金画面を閉じて、取引画面で残高を確かめます。「Balances」に USDC 49.98 が並び、「Available To Trade」も 49.98 USD となって、そのまま取引に使える状態です。
スマートフォン(iOS / Android)での入金手順
1. 入金元のチェーンと資産を確かめる
画面下から出た「Deposit」のシートで、まず入金元のチェーンを選びます。ここでは「Arbitrum」が選ばれた状態で、横に並ぶ「Ethereum」「Base」「BSC」「Other」に切り替えることもできます。
「Asset」は「USDC」、「Amount」は空欄のままで、「Available」にウォレット側で使える残高が出ています。金額は直接入力するほか、「25%」「50%」「75%」「Max」のボタンでも決められます。
2. 入金する額を入れる
「Amount」に入金する額(ここでは 50 USDC)を入れて、画面下いっぱいの「Enable USD Deposits」をタップします。「You Receive」は約 49.98 USDC、「Bridge Cost」は 0.01 USDC、「Equity」は 0.00 から 49.97 USDC へと更新され、スライダーも 80% を指します。
3. 互換性チェックを待つ
「Wallet Compatibility Check」のシートが出たら、そのまま待って署名のリクエストを受け取ります。資金が動かせなくなるのを防ぐために署名の再現性を確かめる手順で、署名は 2 件、いずれも無料で取引は発生しないと書かれています。
4. 入金の受付を確認して待つ
「Deposit Status」のシートに切り替わったら、そのまま完了を待ちます。「Accepted」にはチェックが付き、「Completed」は待機中で、「Arbiscan」から取引の状況を追うこともできます。
5. 取引画面で残高を確かめる
シートを閉じて、取引画面で残高を確かめます。「Balances」に 49.98 USDC のカードが並び、上部の「Available To Trade」も $49.98 となって、そのまま取引に使える状態です。
入金が反映され、口座の残高がそのまま取引に使える状態になりました。
Extended 紹介コードは登録後に追加できない
紹介コードが適用できるのは、最初のウォレット接続の一度きりです。
適用せずに接続を終えてしまうと、同じウォレットに後から紹介コードを紐づける方法はありません。適用したい場合は、新しいウォレットで接続し直すことになります。
- 接続時に紹介コード CHAINHELM の適用表示が出ているか(リンク経由の自動適用を確認)
- 接続後は紹介(referral)ページを開き、紹介の紐づきが反映されているか確認する
コードが付くのは、招待リンクを開いてそのままウォレットを接続する経路だけです。前掲の手順を最後までたどっても、接続の流れのなかに紹介コードを打ち込む欄はどこにも出てきませんでした。つまり「あとから入力欄を探す」という選択肢が、そもそも用意されていません。適用できたかどうかは、接続後に紹介ページを開いて「✓ Referral Code Applied」の表示があるかを見れば確かめられます。
◆ ◇ ◆
ポイント制度は動いているが、トークン配布は何も確定していない
付与対象になる活動と、週 60 万ポイントの上限
Extended には Extended Points Program という名前のポイント制度があり、公式のポイントページによれば 2026-07-29 時点で稼働しています。配布の実績も公式が数字で出しています。
この累計値から読み取れるのは制度の規模だけで、1 ポイントの価値ではありません。上限のほうも「超えない」という宣言であって、毎週その量が配られるという約束ではないことに注意してください。公式ドキュメントにはシーズンやエポックといった区切りの定義もなく、第三者のエアドロップ攻略サイトが書く「シーズン 1」の枠組みは公式には存在しません。
付与の対象になるのは、取引、流動性に関わる活動、紹介・アフィリエイト活動、プロダクトのテスト、バグ報告、ユーザーフィードバック、そのほか特筆すべき貢献です。一方で、配分の計算式も、重み付けも、カテゴリ別の割当も公表されていません。そして公式は一文をはっきり置いています。対象となる活動を行っても、特定の配分を受ける権利が生じるわけではない、と。制度として確認できるのはここまでで、この先は公開情報から検証できません。
トークン配布について公式が書いていること
公式の言い回しをそのまま追います。将来のトークン配布や、ポイント制度に基づくその他の特典を決める際に、ポイントが「考慮される場合がある」とされています。ただし、その配布や特典は別途の条件、受給資格、コンプライアンスと不正防止の確認、最終的な制度設計に従う、とも書かれています。
トークンの現状も事実として置いておきます。2026-07-29 時点で、発行はなく、ティッカーもなく、配布の履歴もありません。第三者のデータベース側でも、このプロトコルにはトークンのシンボルも時価総額も記録されていません。
読み方は一文で足ります。Extended はトークンを約束してもいないし、否定してもいません。期待できる、可能性が高い、確定した、のいずれの言い方も、公開されている資料からは出てきません。
ポイントの対象外になる地域と行為
ポイントの受給には利用規約の遵守が前提で、制限地域は対象から外れます。後ろの章で扱う地域のリストは、アクセスの話であると同時に、ポイントの受給資格の話でもあるということです。
禁止行為として明示されているのは、ウォッシュトレード、自分自身への紹介、紹介制度の組織的な悪用、複数アカウントを使った操作、bot の使用、不正行為、ルールを潜脱しようとする行為です。
Extended は Starknet で決済するハイブリッド板の perp DEX
X10 からの改名と、運営会社 X10 Ltd の所在
perp DEX の仕組みから先に押さえておきます。中央集権の取引所では、事業者に資金を預けて口座を作り、その事業者の帳簿の上で売買します。Extended のような perp DEX では、口座にあたるものはウォレットの署名で作られ、資金はチェーン上のコントラクトに置かれたまま、自己管理(self-custody)の状態で取引します。預ける相手がいない代わりに、動かす手続きも自分の署名で進めることになります。
2024 年と 2025 年にローンチが二度あったように見えますが、これは別々の出来事で、どちらかが誤りというわけではありません。
運営主体は明示されています。利用規約の相手方であり、プライバシーポリシー上のデータ管理者でもあるのが X10 Ltd で、登記上の住所は Oliaji Trade Center, 1st Floor, Victoria, Mahe, Seychelles です。紛争解決の管轄はイングランド・ウェールズの裁判所と規約で定められていますが、これは契約上の裁判管轄であって設立地のことではありません。会社の登記番号は、規約にもプライバシーポリシーにも書かれていません。
規制上の位置づけは、運営自身の開示で確認できます。リスク開示文書には、セーシェル金融庁を含むいかなる金融規制当局からも認可・規制を受けていない、と書かれています。この点は後ろの章で詳しく扱います。
チームは Revolut のクリプト部門出身者が中心です。CEO は Revolut で Head of Crypto Operations を務めた人物、CTO は複数の取引所を設計してきた人物として紹介されています。ただし公式のチームページに載っているのは X のハンドルだけで、実名は報道側の記述によるものです。CBO に至っては、実名がどこにも公開されていません。どこまでが公開情報なのかは、自分で線を引いておく価値があります。
オフチェーンで板を合わせ、Starknet で決済する仕組み
「ハイブリッド板」という言い方は、注文の付け合わせと決済が別の場所で行われることを指しています。
注文の付け合わせ
検証と決済
この分担を明示しているのは Extended 自身のアーキテクチャページではなく、監査の対象になったコントラクト仕様書のほうです。決済層は Starknet メインネットで、Ethereum 上の zk ロールアップにあたります。Extended のドキュメントはこれを「Stage 1 rollup」と分類し、取引の確定までおよそ 2 秒、1 操作あたりのコストは最小で 0.000057 ドルとしています。付け合わせを自前の高スループットなチェーン(Extended Chain)に移す計画も、作業中として書かれています。
利用者から見た帰結は二つあります。資金は自分の鍵で管理されるコントラクトに置かれるので、運営者が勝手に持ち出すことはできません。その一方で、出金の確定には運営者の処理が必要なので、自己管理であることは「いつでも自力で出せる」を意味しません。この非対称性はリスクの中心なので、後ろの章であらためて掘り下げます。
設計上の歯止めも同じコントラクトに入っています。清算は外部のオラクル価格でしか起動できず、価格の上下限と funding の上限はチェーン上で強制され、担保に関わる取引ごとに健全性のチェックが走ります。処理されていない入金要求は、猶予期間の経過後に利用者の側で取り消せます。
取引できる市場と、ウォレットだけで作る口座
稼働中の無期限先物は 98 銘柄(公式 API の ACTIVE、2026-07-29 時点)、ドキュメントの取引ルール表では 99 銘柄です。本記事では 98〜99 として扱い、公式サイトが掲げる「100+ markets」という表現は稼働数として使いません。内訳で目を引くのは、暗号資産に加えて株式(AAPL、NVDA、TSLA など)、株価指数、FX、コモディティ、上場前銘柄を参照する契約が 106 本設定されている点です。これらは現金決済の合成商品で、外部の資産の価格をオラクルで追う設計になっています。
レバレッジは市場ごとに違います。暗号資産の主要銘柄は最大 50 倍で、建玉が大きくなるほど段階的に下がります。100 倍に届くのは EUR-USD という FX の 1 市場だけなので、100 倍を一般的な条件として受け取らないでください。
口座はウォレットを接続して 2 回署名するだけで作られ、本人確認(KYC)の手続きはありません。1 つのウォレットにつき取引口座が 1 つ自動で作られ、最大 10 口座まで持てます。署名鍵はブラウザ内に保存されるので、ブラウザのデータを消したり別のブラウザに移ったりすると、署名からやり直しになります。
担保は USDC が基準で、ほかの資産も使えますが、評価額の全額が算入されるわけではありません。
- USDC
- 基準の担保。評価額がそのまま取引に使える残高に算入されます。
- wBTC・ETH・XVS
- 評価額の 90% が算入されます。XVS は Extended Vault に USDC を預けると返ってくる持分です。
- USDT
- 評価額の 95% が算入されます。
入金は、Starknet、Ethereum、Arbitrum、Base、Polygon、Avalanche、BNB Chain に対応しています。Starknet 以外からの入金は Extended 自前のブリッジではなく、外部の Rhino.fi を経由します。前掲の入金手順で承認先として画面に出てきたのがこれです。取引口座の最低入金額は公式に定められておらず、実際に始められる金額は市場ごとの最小注文サイズで決まります。2026-07-29 時点の価格では、おおむね 6〜20 ドル相当が下限です。
担保が利回りを生む仕組みとして Extended Vault(持分が XVS)があり、USDC を借りられるネイティブのマネーマーケットも動いています。この vault が同時にプロトコルの保険基金でもあるという二面性は、後ろの二つの章で扱います。
現物(spot)については一点だけ。現物の新規注文は 2026-07-24 12:00 UTC から停止しています。これは全世界共通の措置で、日本固有の制限ではありません。
手数料・funding・ガス代の負担
板に注文を置く側と、板から注文を取る側で、負担が違います。maker、つまり板に置く側の手数料は 0.000%。板から取る taker は 0.025% を払います(いずれも名目に対する率)。無期限先物でも現物でも同じで、取引量に応じて手数料そのものが下がる仕組みはありません。この数字は公式ドキュメントと、オンチェーンの取引イベントから独立に再構成した第三者の集計とで一致しています。
「手数料ゼロ」と読まないでください。ゼロなのは maker 側だけで、板から取れば 0.025% がかかります。
maker には段階的な還元もあり、最大 0.013% を受け取れます。ただし基準が特殊です。自分の取引量ではなく、直近 30 日の取引所全体の maker 出来高に占める自分の割合で決まります。そのため、自分の取引量だけを見ても到達できるかどうかは計算できません。申請は不要で、毎日 00:00 UTC に付与され、24 時間あたり 10 ドル以上が支払いの下限になっています。
funding は 1 時間ごとに建玉に課され、表示は 8 時間換算です。市場グループごとに 1 時間あたりの上限(0.25% から 2%)があり、決済コントラクト側にも上限が入っています。計算式そのものより、建玉を持ち続けるかぎり手数料とは別にこの負担が乗るという構造のほうを覚えておいてください。
取引ごとのガス代は利用者が払いません。付け合わせがオフチェーンで、決済のトランザクションはプロトコル側が出すためです。ただしブリッジで出し入れするときは、送金元チェーンのネットワーク手数料を自分で負担します。
ネイティブトークンがないので、トークンの保有や預け入れによる手数料割引の制度は存在しません。XVS は担保としての価値と利回りを持ちますが、手数料の割引ではありません。
Extended は perp DEX の中で 10 位前後、建玉ではそれより上に見える
出来高・建玉・手数料収入の 3 つの数字
規模の話に入る前に、24 時間出来高が出所によって割れていることから見ておきます。いずれも 2026-07-29 の値です。
本記事では、1 日あたり 5〜6 億ドル台という幅で捉えます。そのうえで、なぜ割れるのかを押さえておく価値があります。CoinGecko は取引所が報告した値を取り込む仕組みなので、公式 API との一致は独立した裏取りにはなりません。DeFi Llama のほうは Starknet 上の取引イベントから積み上げており、方法としては独立しています。ただ、同じ日の手数料収入である 71,191 ドルを公表手数料率で逆算すると、5.7 億ドル前後の出来高と整合します。低いほうの値は、取得の時点で 1 日分に満たなかったと読むのが自然です。
建玉(open interest)は逆に、3 つの独立した出所が 0.3% 以内で一致しています。185,153,177 ドル、185,630,000 ドル、185,237,000 ドル。規模を語るなら、これがいちばん信頼できる数字です。
手数料収入は 24 時間で 71,191 ドル、30 日で 1,657,254 ドルでした。ここには注意書きが要ります。集計元は maker への還元を分離できないため、収益(Revenue)を意図的に未報告にしています。この数字を運営の利益として扱わないでください。
順位は、報告出来高ベースで perp DEX の 10 位、この分野全体に占める割合は 1.29%(正規化ベースなら 2.18%)です。この位置は入れ替わりが激しく、正規化ベースで並べ替えると 8 位前後になります。建玉で見れば、出来高で上位にいる複数の取引所より大きい水準です。なお、手数料収入での横断順位は取得できませんでした。集計サイトの該当ページがボット判定で開けず、無料の API も有料化されていたためです。
一つの証拠金口座で暗号資産と株式・指数をまとめて扱える点
この取引所の輪郭は、資産クラスの幅が 1 つの証拠金口座に収まっていることで決まります。設定されている市場のうち 106 本が株式・指数・FX・コモディティ・上場前銘柄を参照する契約で、市場リスト全体のおよそ 3 分の 1 を占めます。同じ規模の perp DEX は暗号資産だけを扱うか、RWA を付け足しとして持っていることが多く、ここまでの比率になっている例は多くありません。
もう一つは、担保が利回りを生むことです。USDC を Extended Vault に預けると XVS が返り、これが利回りを生みながら評価額の 90% を証拠金として使えます。ただし同じ vault がプロトコルの保険基金でもあり、清算で生じた損失を吸収する側でもあります。預ける人は、利回りと引き換えに清算リスクを引き受けている、というのが正確な言い方です。便益として読むと、片面しか見ないことになります。
流通面では、2026-07-02 に eToro が主導する 12.5M ドルの調達があり、Extended の取引エンジンを eToro が買収した自己管理ウォレットに組み込む計画が発表されました。2026-07-29 時点で統合はまだ提供されていないので、発表された意向として受け取るのが妥当です。第三者が別のフロントエンドを作れる仕組み(builder codes)も用意されており、これも同じ流通面の話です。
向いている読者と、そうでない読者
この設計を積極的に使える人
前提が合わない人
向いていないほうの三つは、いずれもこの先の章で示す事実が根拠です。読んだうえで前提が合わないと判断したなら、見送るという結論で構いません。
Extended が公式に締め出している国と、免許を持たないという自己申告
公式に名指しされている制限地域と、その運用方法
公式の Restricted Countries ページが挙げている地域を、原文の並びのまま示します(2026-07-29 時点)。
このリストがすべてではありません。二つ目の条項で「適用される法令や規制上の要請に反することになる個人・法人」も対象に含まれるので、国名が挙がっていないことと、その国から使ってよいことは同じではありません。
目を引くのは、運営会社自身の登記地であるセーシェルがこのリストに載っていることです。オフショア籍の取引所ではよくある構図ですが、指摘しておく価値はあります。
運用の方法は、比較的軽いものにとどまります。制限地域からドメインにアクセスすると、利用規約へ誘導する表示が出てアクセスが遮断される、と公式ページに書かれています。ウォレットのスクリーニング、オンチェーンのアドレス審査、本人確認による関門はいずれも文書化されておらず、IP による判定と、規約上の表明に依っている状態です。
ページ自体に「随時更新する」と書かれているので、以上は 2026-07-29 時点のスナップショットです。
フロントエンドと決済コントラクトの二層構造
利用規約は、運営者自身の立ち位置について二層の構造を主張しています。12.1 では「ソフトウェアを開発しているのであって、デジタル資産やデリバティブの取引所を運営しているのではない」とされ、7.4 では「サービスは非カストディアルで、資産を動かせるのは対応する秘密鍵だけ」とされています。地域の遮断が働くのはインターフェース層で、Starknet 上の決済コントラクトはパーミッションレスに存在している、という整理です。
ただし、この区別を実務上の抜け道として読むことはできません。注文の付け合わせはオフチェーンにあり、出金の確定を含めて処理を前に進めるのは特権を持つ運営者ロールだからです。コントラクト層だけを単独で使える状態には、そもそもなっていません。加えて同じコントラクトには、全面的に信頼される前提のアップグレード権限と一時停止機能が備わっています。
この二層構造は、あくまで法的かつ構造的な成り立ちの話です。制限地域に含まれる読者にとって、状況が変わるものではありません。
免許の不在と、当局の動きの方向
免許はどの法域でも保有していません。これは運営自身の開示で確認できます。セーシェル金融庁を含むいかなる金融規制当局からも認可・規制を受けておらず、扱う商品は MiFID や MiCA といった欧州の枠組みの対象外で、投資家補償制度も利用できない、と書かれています。perp DEX にとってこれは欠陥というより通常の状態ですが、通常であることと、保護が及ぶことは別です。
当局の措置は見つかっていません。Extended、X10 Ltd、創業者のいずれに対しても、訴訟・和解・制裁・規制上の措置は 2026-07-29 時点で確認できませんでした。裏取りの限界も隠さずに書きます。英国 FCA の警告リスト検索ページが自動アクセスに 403 を返したため、FCA リストに掲載がないことは報道からの推定であって、出所での確認は取れていません。英国が Extended 自身の制限地域に入っていることを踏まえると、この空白は明示しておくべきものです。
方向としては、厳しくなる側に見えます。この取引所自身が、合成株式やレバレッジ商品の免許リスクが最も直接的に及ぶ米国・英国・カナダを、措置を受ける前から除外しています。周辺では、同種の perp 取引所に対する当局の警告が 2026 年 5 月にあり、警告リストへの 143 件の追加もありました。監督の視線が向いていることはうかがえます。一方で、Extended 自身が規制に触れる面も広がっています。株式・指数・FX・コモディティ・上場前銘柄を参照する 106 の市場は暗号資産の枠の外にあり、上場ブローカーとの関係も流通経路に入ってきています。
これは方向の読み取りであって、Extended に何かが起きるという予測ではありません。
日本は Extended の制限地域に入っておらず、使えるが国内の保護制度は届かない
接続の可否、FSA 登録、レバレッジ上限、税務の扱い
まずアクセスの状態から。公式の制限地域リストに日本の名前はありません(2026-07-29 時点)。調査では日本の IP(東京)からブラウザで実際に描画し、取引画面が HTTP 200 で表示され、地域制限の表示も文言も出ないことを確認しています。過去のスナップショットでも、リストが 30 地域あった 2025-02-07 の時点から一度も日本は載っていません。紹介コードでの登録も、そのまま通ります。
この確認には限界もあります。観測したのはデータセンターの IP からで、家庭用回線の IP とは判定が変わりうる余地が残ります。またウォレット接続の完了や注文の発注までは試していないので、接続したあとの口座レベルで制限がかかるかどうかまでは確かめていません。
登録の話に移ります。Extended は金融庁に登録していません。これは二つの経路で確認できます。規約側の自己申告(いかなる規制当局にも登録・免許を受けていない)と、暗号資産交換業者・金融商品取引業者の登録簿を全文検索して該当がなかったこと(登録簿の日付は 2026-07-07 と 2026-07-21)です。押さえておきたいのは義務の向きです。暗号資産デリバティブを業として行う登録義務は事業者側にかかるもので、利用者の側に登録義務や禁止が生じる仕組みではありません。
そのうえで、利用者の立場を整理しておきます。日本の居住者が未登録のオフショアのプロトコルで取引することを禁じたり罰したりする規定は、調べた範囲で見つかりませんでした。同時に、それを適法だと積極的に宣言している一次情報もありません。はっきりしているのは、国内の投資家保護のルール、紛争・補償の枠組み、資産の分別管理が、この取引所には及ばないということです。規約は、自分のアクセスが適用法令に反しないことを利用者自身が表明する形になっているので、判断は利用者の側に置かれています。
レバレッジも同じ構図です。国内の暗号資産デリバティブにある個人向けの上限は、内閣府令と自主規制によって登録業者に課されている義務で、オフショアのプロトコルで取引する居住者を縛るという公的な説明はありません。実際の差は、暗号資産の主要銘柄で最大 50 倍(建玉が大きくなるほど段階的に低下)に対して、国内では 2 倍。ただ、実際に効いてくるのは倍率の差そのものより、その裏側です。ロスカットの義務もマージンコールの義務も、この取引所は利用者に対して負っていません。
税務については、一次情報で言えるところまでにとどめます。暗号資産取引の損益は原則として雑所得で、確定申告による自己申告です。2025-12-26 の税制改正大綱にある 20%(所得税 15% + 住民税 5%)の申告分離課税は、公表された大綱の書き方では、Extended のような未登録の相手方との取引を対象に含んでいません。未登録のオフショアのプロトコルでの無期限先物取引が暗号資産デリバティブ向けの特例に乗るかどうかについては、大綱にも国税庁・金融庁の資料にも記述が見つかりませんでした。施行に向けた法令と国税庁の取扱いが出るまでは、原則どおり雑所得・自己申告と読むほかありません。
記録の話も実務として足しておきます。Extended は税務書類を出しません。規約は税の申告と納付は利用者の責任だとしか書いておらず、口座の作成はウォレットの署名だけで本人確認もないため、取引報告書も取得価額の集計も送られてきません。記録は自分で再構成する必要があります。
上の流れのなかで、当面の措置として挙げられているのは、DEX や国内未登録の事業者での取引にはリスクがあると利用者に周知することです。2026-06-24 の金融庁側の講演資料でも、この立場は変わっていません。
Extended 固有のリスクは、運営者ロール・監査の範囲・決済層の停止に集まる
前に進める権限が運営者ロールに集まっている
監査対象のコントラクト仕様は、運営者(operator)ロールを「完全に信頼される(fully trusted)」と分類し、システムが前に進むことはこのロールに委ねられていると書いています。担っているのは、成立した取引のチェーンへの反映、入金の処理、出金と送金の確定、価格と funding の更新です。このうち利用者にいちばん効くのは、出金の確定が含まれていることです。
差し替えの権限も同じコントラクトにあります。アップグレード権限者が新しい実装を提案し、待機期間を経てから 2 週間以内に差し替えられる仕組みです。監査報告はこの危険を平易に書いています。待機期間中に取り下げられなければ、悪意ある実装に差し替えて資金を奪える、と。
その待機期間が何日なのかは公開されていません。監査は「設定とパラメータ設定」を対象外としており、Extended のドキュメントにも記載がないためです。悪意あるアップグレードに気づいてから動ける時間がどれだけあるのかは、公開情報からは検証できません。
権限の持ち主も分かりません。監査が列挙するロール(ガバナンス管理者、アップグレード権限者、アプリ権限者、運営者)は、いずれも完全に信頼される前提です。デプロイ時にはガバナンス管理者とセキュリティ管理者が同じアドレスに割り当てられるのが既定だ、とも記録されています。Extended の本番デプロイでこれらが個人鍵なのかマルチシグなのか、どのアドレスが持っているのかは、どこにも公開されていません。
監査が見ているのは上流のコードベースで、オラクルは 1 社に依存する
Extended が挙げる 2 つの監査は、いずれも StarkWare が依頼した上流のコードベースに対して行われたものですChainSecurity 2025-09-15 / Code4rena 2025-03-19 開始
Extended はそのコードベースをフォークして動かしていますが、固有のデプロイ、自身の改変、オフチェーンのマッチングエンジンと運営インフラを対象にした監査は公開されていません。さらに ChainSecurity は「設定とパラメータ設定」を対象外にしており、前の節で触れたロール割り当てと待機期間は、まさにそこにあります。
監査そのものを否定する話ではありません。実施されていますし、内容も具体的です(重大 0 件、高 1 件、中 2 件、低 8 件など)。言うべきは、「Extended が監査済み」と但し書きなしに書ける状態ではない、ということだけです。
オラクルには別の集中があります。マークプライスとインデックスプライスは Stork という 1 社が 5 ノードから供給しており、代替や予備の提供者は挙げられていません。清算は外部のオラクル価格でしか起動できない設計なので、この 1 点への依存がそのまま清算の前提になります。この点には監査の指摘も付いています。署名済み価格を複数回提出できるという運営者側の余地と、Code4rena で高リスクとされたオラクル署名検証の不備(後者は対応済み)です。
上場前の銘柄はさらに特殊です。外部の参照価格が存在しないため、過去のマーク価格の 45 分指数移動平均という自己参照的な方式で値が付きます。信頼できる外部価格が得られた時点で通常の方式に移る、と書かれています。
損失を吸収するのは預けた人自身、レバレッジは表示ほど使えない
損失を吸収する仕組みが、預ける側と一体になっています。保険基金は独立した基金ではなく Extended Vault そのもので、全市場に共通の基金として機能します。原資は、健全な清算に課される 1% の清算手数料、maker への還元分、マネーマーケットの金利です。つまり vault に USDC を預けた人が、そのまま損失を引き受ける側の資本になっています。公式もここは明記しています。vault に入れた資金は預金ではなく、いかなる預金保険の保護も受けず、損失は補償されません。
基金で吸収しきれない場合の受け皿も決まっています。破産価格から 5% 以内で清算できない、あるいは基金が損失を賄えないときは ADL(自動デレバレッジ)が起動し、利益の出ているトレーダーの建玉が相手方に充てられます。現物では最終的な受け皿として、USDC の預入者に破産価格で損失が広く割り振られる仕組みがあります。監査でも「保険基金が常にデレバレッジの相手方になれるわけではない」が中程度の指摘として挙がっています。
レバレッジのほうは、表に出ている最大値が一般に使える条件ではありません。
上の図に出ている数字は、それぞれの市場での上限です。加えて、暗号資産では建玉が大きくなるほど段階的に下がり、グループによっては 1 倍まで落ちます。清算は証拠金維持率が 100% を超えた時点で起動し、元本の 20% ずつ最大 5 段階で部分的に執行されます。
担保についても前提が一つ置かれています。監査対象のコントラクトは、担保トークンが常に 1 ドルにペッグされていることを前提にし、その検証を対象外としています。ペッグが外れたときのリスクは利用者側にあり、プロトコル側で軽減されるものではありません。USDC 以外の担保に掛け目が付くことは前の章で触れましたが、掛け目はペッグそのものを守る仕組みではありません。
決済層が止まった 2 回と、追いかけられない情報
決済層が止まった実績が 2 回あります。2025-09-02、Starknet がブロック生成を約 9 時間停止し、2 度のチェーン再編で 1 時間ほどの取引が巻き戻され、利用者は取引を送り直すことになりました。2026-01-05 には約 4.5 時間(09:42 から 14:17 UTC)停止し、直前の 18 分の取引が取り消されています。
どちらも Starknet 側の障害であって、Extended 自身の障害ではありません。それでも記事に載せる理由は、Extended の決済と出金の経路がその間ふさがっていたからです。この 2 回について、Extended 側からは影響の説明も損失額の公表も出ていません。
情報が追えないこと自体も、リスクとして扱っておきます。Extended はステータスページも障害履歴も公開しておらず、告知は検索に載らないチャネルで流れます。ブログや報道発表の窓口もありません。その結果として、「Extended 固有の障害は見つからなかった」という調査結果は、クリーンな運用実績が確認できたという意味にはなりません。確認できる範囲に限界がある、というところまでが今回言えることです。
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コードの適用はウォレット接続の一度きり、使うかどうかは記録で判断する
紹介コードは、招待リンクからウォレットを接続する途中で自動的に適用され、適用されたことはその場の画面で確認できます。適用できるのはその一度だけで、後から同じウォレットに付け直すことはできません。使う側にとっての変化は、取引手数料が 10% 割引になることです。
取引所としての位置づけも整理しておきます。建玉でおよそ 1.85 億ドル、24 時間出来高は出所によって 5〜6 億ドル台、perp DEX のなかで 10 位前後(いずれも 2026-07-29 時点)。暗号資産と株式・指数・FX を 1 つの証拠金口座で扱えることと、担保が利回りを生む設計が、ここを選ぶ理由になりえます。
ポイント制度は動いていて週次で配られていますが、トークンは発行されておらず、配布の方法も時期も比率も確定していません。期待値を計算する材料は公開されていません。
日本から見た状態はこうです。制限地域リストに日本は入っておらず、接続も登録もそのまま通ります。一方で金融庁への登録はなく、国内の投資家保護のルールも 2 倍のレバレッジ上限も登録業者に向けたもので、この取引所には及びません。税は自己申告のままで、申告分離課税の適用範囲は、公表資料でははっきりしていません。
運営者ロールへの依存、上流のコードベースに向いた監査の範囲、決済層が止まった 2 回の実績。この三つをそのまま引き受けられる人には向いています。引き受けられないなら、見送るという判断で構いません。