— 目次 11 項目
  1. 01 Antarctic 紹介コード「6LAP168t」は今も使えるか?
  2. 02 Antarctic 紹介コードでの登録手順(ウォレット接続)
  3. 03 Antarctic 接続後にすべきこと
  4. 04 Antarctic 紹介コードは登録後に追加できない
  5. 05 AX Points は貯まるが、トークンに換わる保証は公式ドキュメントにない
  6. 06 Antarctic を動かしているのは、名前を出さない運営者と zk ロールアップ決済
  7. 07 出来高・建玉・手数料収入:Antarctic の規模は出典ごとに桁が違う
  8. 08 13 の国・地域を規約で締め出す一方、ライセンスも当局からの指定もない
  9. 09 日本から Antarctic は使えるが、金融庁の登録も警告リストへの掲載もない
  10. 10 監査もオラクル開示もない場所に USDT を預けるということ
  11. 11 登録前に残る確認は、最初の接続でコード欄が埋まっているかどうか

chainhelm 専用の Antarctic 紹介コードは です。

2026-08-16 時点で、新規ウォレットで実際に接続し、紹介コードが適用されることを確認済みです。

紹介コードが有効になるのは、最初のウォレット接続の一度きりです。

本記事では、Antarctic 紹介コードを使った登録手順(ウォレット接続)を chainhelm 編集チームが実際に検証したうえで、Antarctic の特徴、日本での利用可否、リスクもあわせて解説します。

Antarctic 紹介コード「6LAP168t」は今も使えるか?

chainhelm 編集チームが 2026-08-16 に新規ウォレットで Antarctic に接続し、紹介コード「6LAP168t」が今も使えることを確認しました。

chainhelm が実際に画面を触って確かめたのは、コードが適用されることと、このあとに並べる登録の手順です。取引所の中身や日本での扱い、リスクについては、Antarctic が公開している資料と第三者のデータを読んで整理しています。どちらの話なのかは、章ごとに分けて書きます。

コードは 6LAP168t、紹介リンクは https://partner.antarctic.live/code/6LAP168t です。効かせる方法は 2 つしかありません。リンクを開くと、ログイン画面の「Referral Code (Optional)」という欄に 6LAP168t が入った状態で表示されます。リンクを使わず、同じ欄に自分で打ち込んでも結果は同じです。どちらもウォレットをつなぐ前の画面での話で、つないだあとに入れる場所はありません。

確かめたのは、PC とスマホの両方でこの欄にコードが入っていたところまでです。欄には「Optional」と添えられていて、文字を消すことも書き換えることもできます。ウォレットやログイン方法を選ぶ前に、コードが残っているかどうかを一度目で見てください。

反対に、確かめられていないこともあります。接続したあとに「どの紹介で登録したか」を表示する画面は見つけられませんでした。ログイン後の紹介ページに出てくるのは自分が配る側のコードで、紹介元を示す表示は確認できていません。あとから画面で確かめ直せる前提は置かず、最初の接続の一度で決めてしまうのが確実です。

こちらの画像は、検証時に撮影した実際の画面です。

— 図 1
ウォレット選択のログイン画面
2026-08-16
ウォレット選択のログイン画面
6 種類のウォレットが並ぶ「Connect Wallet」と、「6LAP168t」が入った紹介コード欄が見えるログイン画面です。 出典: chainhelm 編集チーム

掲載したのは PC 版の画面です。スマホ側の同じ画面は、このあとの登録手順(スマホ)の手順 3 に、コード欄が埋まった状態で載せています。

chainhelm では、コードが引き続き利用できるかを継続的に検証しております。

Antarctic 紹介コードでの登録手順(ウォレット接続)

PC・ブラウザで接続する場合と、スマホ(モバイル)で接続する場合に分けて解説します。

2026-08-16 の画面に並んでいた接続先は、MetaMask、OKX Wallet、Bitget Wallet、Gate Wallet、Wallet Connect、Binance Wallet の 6 つでした。公式 FAQ 側の記載はこれと少し違い、MetaMask、OKX、Binance、Ledger を直接サポートし、それ以外は WalletConnect 経由と書かれています。Bitget と Gate は画面にあって FAQ に無く、Ledger は FAQ にあって画面には出てきませんでした。

ウォレットを持っていなくても始められます。メールアドレス、電話番号、Twitter、Discord、Apple のアカウントでログインすると、その利用者向けのアドレスが自動で作られる仕組みです(埋め込みウォレットと呼ばれる方式です)。手軽ですが、生成された鍵を誰がどう保管しているのかは運営が開示していません。紹介コードの欄は、どの入り口から始めても同じログイン画面の中にあります。

PC・ブラウザでの接続手順

  1. まずは、Antarctic 公式ページ を開いてください(紹介コードが適用されたリンクです)。開くと、以下のような画面になります。

2. 紹介リンクを開いて「Trade Now」をクリック

— 図 2
紹介リンクのトップページ
2026-08-16
紹介リンクのトップページ
ロゴとひとことの下に「Trade Now」ボタンが 1 つだけ置かれた、紹介リンク経由のトップページです。 出典: chainhelm 編集チーム

紹介リンクを開くと、ロゴと短いひとことだけの簡素なトップページが表示されるので、中央の「Trade Now」をクリックします。クリックすると、ウォレットの接続先が並ぶログイン画面が開きます。

3. ログイン画面でウォレットを選択

— 図 3
ウォレット選択のログイン画面
2026-08-16
ウォレット選択のログイン画面
6 種類のウォレットが並ぶ「Connect Wallet」と、「6LAP168t」が入った紹介コード欄が見えるログイン画面です。 出典: chainhelm 編集チーム

「Connect Wallet」の下に並ぶ「MetaMask」「OKX Wallet」「Bitget Wallet」「Gate Wallet」「Wallet Connect」「Binance Wallet」から、普段使っているウォレットをクリックします。

クリックする前に、「Referral Code (Optional)」にリンク由来の「6LAP168t」が入っていることを確かめ、書き換えずにそのまま進みます。「Privacy Policy」と「User Agreement」への同意チェックも最初からオンになっているので、外さずにおきます。

ウォレットを使わない場合は、上部のメールアドレスや電話番号、ウォレットの下に並ぶ Twitter・Discord・Apple のアカウントからでも始められます。紹介コードはどの方法を選んでも同じように適用されます。

4. ウォレットで接続を承認

— 図 4
ウォレットの接続確認
2026-08-16
ウォレットの接続確認
接続元 https://www.antarctic.exchange と「Ethereum」が示された、接続確認のポップアップです。 出典: chainhelm 編集チーム

選んだウォレットの拡張機能がポップアップで開き、「Connect to Dapp」として接続の可否を尋ねてくるので、接続元が https://www.antarctic.exchange であること、右上のネットワークが「Ethereum」であることを確かめて「Connect」をクリックします。見覚えのないドメインが出ている場合は、承認せずに「Cancel」で閉じます。

5. サイト側の署名待ちを確認

— 図 5
サイト側の署名待ち画面
2026-08-16
サイト側の署名待ち画面
短縮アドレスの下に、署名が無料であることとウォレットの確認を促す案内が並ぶ署名待ちの画面です。 出典: chainhelm 編集チーム

接続を承認するとサイト側の表示が「Sign message」に変わるので、短縮表示されたアドレスが自分の接続したウォレットのものであることを確かめ、ウォレットの拡張機能でリクエストを開きます。署名は無料で送金は発生せず、初めて利用するユーザーには署名の要求が 2 回届くと画面に案内されています。

6. ウォレットで署名を実行

— 図 6
ウォレットの署名リクエスト
2026-08-16
ウォレットの署名リクエスト
「Sign Text」に「Antarctic Login」と 1 回限りの文字列が示され、「Sign」で署名を求めるポップアップです。 出典: chainhelm 編集チーム

ウォレットの拡張機能に署名リクエストが届くので、「Sign Text」に「Antarctic Login」と 1 回限りの文字列が示されていること、要求元が https://www.antarctic.exchange であることを確かめて「Sign」をクリックします。押すと、同じ署名内容のまま確認の段階に進みます。

7. 「Confirm」で署名を確定

— 図 7
署名確定のポップアップ
2026-08-16
署名確定のポップアップ
先ほどと同じ署名内容が並び、ボタンが「Confirm」に変わった署名確定前のポップアップです。 出典: chainhelm 編集チーム

署名内容はそのままにボタンだけが「Confirm」に変わるので、示された文字列をもう一度見比べてから「Confirm」をクリックします。これで署名が確定し、ウォレットの接続が完了します。

スマートフォン(iOS / Android)での接続手順

  1. まずは、Antarctic 公式ページ をモバイルのブラウザまたはウォレットアプリ内ブラウザで開いてください(紹介コードが適用されたリンクです)。開くと、以下のような画面になります。

2. 紹介リンクを開いて「Trade Now」をタップ

— 図 2
スマートフォンのトップページ
2026-08-16
スマートフォンのトップページ
縦長の画面の中央に「Trade Now」ボタンが 1 つ置かれた、紹介リンク経由のトップページです。 出典: chainhelm 編集チーム

紹介リンクを開くと、ロゴと短いひとことだけの縦長のトップページが表示されるので、中央の「Trade Now」をタップします。タップすると、ウォレットの接続先が並ぶログイン画面に切り替わります。

3. ログイン画面でウォレットを選択

— 図 3
ログイン画面のウォレット一覧
2026-08-16
ログイン画面のウォレット一覧
ウォレットの選択肢が 2 列に並び、その下に紹介コード「6LAP168t」と同意チェックが続くログイン画面です。 出典: chainhelm 編集チーム

「Connect Wallet」の下に並ぶ「MetaMask」「OKX Wallet」「Bitget Wallet」「Gate Wallet」「Binance Wallet」、または一番下の「Wallet Connect」から、端末に入れているウォレットをタップします。

タップする前に画面を下までスクロールし、「Referral Code (Optional)」にリンク由来の「6LAP168t」が入っていること、「Privacy Policy」と「User Agreement」への同意チェックがオンになっていることを確かめます。コードは書き換えずにそのままにします。

ウォレットを使わずに、上部のメールアドレスや電話番号、ウォレット一覧の下にある Twitter・Discord・Apple のアカウントから始めることもできます。紹介コードはどの方法を選んでも同じように適用されます。

スマホでは、コード欄も同意チェックも画面の下のほうにあります。見えている範囲だけでウォレットを選んでしまうと、コードが入らないまま接続が終わります。そうなると後から足す方法はありません。

4. ウォレットアプリで接続を承認

— 図 4
ウォレットアプリの接続確認
2026-08-16
ウォレットアプリの接続確認
接続元 https://www.antarctic.exchange を示し、「Connect」で承認を求めるウォレットアプリの画面です。 出典: chainhelm 編集チーム

ウォレットアプリに切り替わり、「Connect to Dapp」として接続の可否を尋ねられるので、接続元が https://www.antarctic.exchange であること、選ばれているネットワークが「Ethereum」であることを確かめて「Connect」をタップします。見覚えのないドメインが出ている場合は、承認せずに「Cancel」で閉じます。

5. サイト側の署名待ちを確認

— 図 5
ブラウザ側の署名待ち画面
2026-08-16
ブラウザ側の署名待ち画面
短縮アドレスとともに、署名が無料であることとウォレットでの確認を促す案内が出た署名待ちの画面です。 出典: chainhelm 編集チーム

接続を承認してブラウザに戻ると表示が「Sign message」に変わるので、短縮表示されたアドレスが自分の接続したウォレットのものであることを確かめ、ウォレットアプリに切り替えてリクエストを開きます。署名は無料で送金は発生せず、初めて利用するユーザーには署名の要求が 2 回届くと画面に案内されています。

6. ウォレットアプリで署名を実行

— 図 6
ウォレットアプリの署名要求
2026-08-16
ウォレットアプリの署名要求
要求元と「Antarctic Login」の署名文が示され、「Sign」で署名を求めるウォレットアプリの画面です。 出典: chainhelm 編集チーム

ウォレットアプリに署名リクエストが届くので、「Sign Text」に「Antarctic Login」と 1 回限りの文字列が示されていること、要求元が https://www.antarctic.exchange であることを確かめて「Sign」をタップします。タップすると、同じ署名内容のまま確認の段階に進みます。

7. 「Confirm」で署名を確定

— 図 7
署名確定の確認画面
2026-08-16
署名確定の確認画面
同じ署名内容の下でボタンが「Confirm」に変わり、確定を待つウォレットアプリの画面です。 出典: chainhelm 編集チーム

署名内容はそのままにボタンだけが「Confirm」に変わるので、示された文字列をもう一度確かめてから「Confirm」をタップします。これで署名が確定し、ウォレットの接続が完了します。

Antarctic 接続後にすべきこと

PC・ブラウザで入金する場合と、スマホ(モバイル)で入金する場合に分けて解説します。

入金の前に、口座の作りを一度だけ整理しておきます。ウォレットから送った USDT は、まず「Funding Account」に入ります。取引の証拠金として使うのは別枠の「Trading Account」で、この 2 つの間で資金を動かして使います。Funding Account はチェーンごとに分かれ、Trading Account はチェーンに依存しません。入金画面に出てくる「User Wallet」から「Funding Account」へ、という表示はこの構造を指しています。

対応チェーンは、公式 FAQ でも画面側の設定でも Arbitrum、Ethereum、BNB Chain の 3 つです。ところが、公開されている通貨設定が USDT の入出金プロファイルを返すのは Arbitrum だけで、AX Points の入金タスクも Arbitrum One と Ethereum の 2 つしか用意されていません。DefiLlama もこの取引所の TVL を 100% Arbitrum に置いています。実際の決済は Arbitrum が中心だと考えたうえで、送金する前に画面側でそのチェーンが選べるかを確かめてください。

入金できる資産は USDT の 1 種類だけです。USDC も法定通貨も選べず、担保も建値も決済もすべて USDT で動きます。最低入金額は 10 USDT、小数は 4 桁まで扱えます。

取引そのものにガス代はかかりません。かかるのはウォレットからの入金と出金、それに LP の操作で、これは各チェーンの通常のガス代です。入金画面には、選んだチェーンのガス代の目安が表示されます。

PC・ブラウザでの入金手順

— 図 1
USDT を入金する画面
2026-08-16
USDT を入金する画面
「Select Network」で「Ethereum」を選び、「Size」欄と最低額「10.00 USDT」が示された入金画面です。 出典: chainhelm 編集チーム

画面右上の「Assets」から「Add Collateral」を開き、入金する資産として「USDT」を選びます。

「Select Network」で「Arbitrum」「BNB Smart Chain」「Ethereum」から送金に使うチェーンを選ぶと、その下に選んだチェーンとガス代の目安が表示されます。ウォレット側で USDT を持っているチェーンと合わせて選びます。

「Quick Add Collateral」ではなく「Wallet Deposit」タブを選んだまま「Size」に数量を入力し(「Maximum Amount」で上限を一括入力できます)、資金の向きが「User Wallet」から「Funding Account」であること、最低額の「10.00 USDT」を下回っていないことを確かめて「Confirm」をクリックします。

スマートフォン(iOS / Android)での入金手順

— 図 1
入金画面のチェーン選択
2026-08-16
入金画面のチェーン選択
「USDT」と「Ethereum」を選び、資金の向きが「User Wallet」から「Funding Account」と示された入金画面です。 出典: chainhelm 編集チーム

メニューの「Assets」から「Add Collateral」を開き、入金する資産として「USDT」を選びます。

「Select Network」で「Arbitrum」「BNB Smart Chain」「Ethereum」のいずれかをタップすると、その下に選んだチェーンとガス代の目安が表示されます。ウォレットアプリで USDT を持っているチェーンと合わせて選びます。

「Quick Add Collateral」ではなく「Wallet Deposit」を選んだまま「Size」に数量を入力し(「Maximum Amount」で上限を一括入力できます)、画面を下にスクロールして資金の向きが「User Wallet」から「Funding Account」であること、最低額の「10.00 USDT」を下回っていないことを確かめてから「Confirm」をタップします。

「Confirm」を押すと、接続したウォレットから「Funding Account」に資金が移り、担保が入った時点で取引を始められます。

Antarctic 紹介コードは登録後に追加できない

紹介コードが適用できるのは、最初のウォレット接続の一度きりです。

適用せずに接続を終えてしまうと、同じウォレットに後から紹介コードを紐づける方法はありません。適用したい場合は、新しいウォレットで接続し直すことになります。

コードを入れる欄は、ログイン画面の「Referral Code (Optional)」です。紹介リンクから開いた場合は 6LAP168t が最初から入った状態で表示されますが、「Optional」と書かれているとおり、この欄は空にも書き換えにもできます。ウォレットを選ぶ前に、6LAP168t がそのまま残っているかを確かめてください。

公式ドキュメントでも、招待の関係が成立するのは登録の時点で、紹介リンクから登録するか招待コードを入力するかのどちらかだと説明されています。ウォレットのアドレスから紹介元をあとから結びつける仕組みは、公開されていません。

入れ忘れに気づいたときにできることは 1 つだけです。まだ使っていない別のウォレットで、最初から接続し直してください。

ここまでの手順どおりに進めるなら、次のリンクから「Connect Wallet」の画面を開いてください。

◆ ◇ ◆

AX Points は貯まるが、トークンに換わる保証は公式ドキュメントにない

ここからは、コードから離れて Antarctic という取引所そのものを見ていきます。最初は、口座を開いた人がまず気にするポイント制度です。数字の出どころはすべて運営の公開資料で、chainhelm が触って確かめた範囲の外側にあります。

AX Points の貯まり方(取引・LP・初回タスク・紹介)

制度の名前は AX Points です。メインネット向けの 1 本のプログラムとして動いていて、シーズン番号はありません。終了日も「TBA」のまま公表されていません。テストネット時代に貯めたポイントは別枠で表示され、あとで触れる焼却の対象からも外れています。

取引で貯まる分は、その日の出来高で 3 段に分かれます。下の段の分はその段の率のまま加算され、全体の上限はありません。

1 日 500,000 USDT まで
100 USDT ごとに 1 pt
1 日 500,000 から 3,000,000 USDT の帯
100 USDT ごとに 1.5 pt
1 日 3,000,000 USDT を超えた分
100 USDT ごとに 2 pt

以前あった 1 日 1,000 pt の頭打ちは撤廃されています。加算が確定するのはポジションを全部閉じた時点で、建てたままでは反映されません。

LP は預けている日数で率が上がります。100 USDT あたり、1 日目から 7 日目までは 1 日 2 pt、8 日目から 30 日目までは 3 pt、31 日目以降は 4 pt です。引き出すと保有期間はいちばん下の段に戻ります。

一度きりのタスクもあります。X アカウントの連携で 50 pt、Discord の連携で 50 pt、Arbitrum One での USDT 入金で 100 pt、Ethereum での USDT 入金で 100 pt、LP の追加で 200 pt、最初の取引で 200 pt です。

紹介で貯まる分は、招待した相手が 1,000 pt を超えた時点で 1 人あたり 100 pt、1 日 5 人・500 pt までです。取引、LP、紹介の分は毎日 08:00 UTC に確定します。

公表されている率が、そのまま自分の受け取りになるとは限りません。運営は貢献度に応じた倍率をかけられるとしています。tokenomics の資料には、contribution score という指標の説明があります。30 日間の取引量、損益、累計の清算額、紹介した取引量、加重平均レバレッジ、LP への参加、プロフィールの充足度から算出し、順位に応じた倍率を当てるというものです。

7 日と 28 日で効いてくる減衰と焼却

このプログラムには、貯めたポイントが減る仕組みが組み込まれています。

動かないと減る取引も紹介も 7 日間ないと、残高は週 5% ずつ減ります。28 日間動きがない場合は、3 週続けて週 5% 減ったうえで、4 週目に 50% が焼却されます。この 28 日の周期は、動かないかぎり繰り返されます。

読み替えると、口座だけ開いてポイントを貯めたまま放置する、という使い方は想定されていません。使う予定がないのに登録だけしておく理由は、この設計だと弱くなります。テストネット時代の分は焼却の対象外です。

ATTX の現状と、ポイント換算をめぐる公式の食い違い

トークンはまだ発行されていません。名称は ATTX、総供給は 100,000,000 で、そのうち 8%、つまり 8,000,000 ATTX が airdrop 用に先に確保され、利用者が集めているポイントとして表現されています。配布は TGE のあとに段階的に行うとされていますが、TGE の時期は公表されていません。

そのポイントがトークンに換わるのかどうかについては、同じ運営の資料どうしで説明が食い違っています。

公式ドキュメント

AX Points はトークンではない

エコシステムへの参加を記録するための仕組みであって、将来の便益は保証されず、条件は対象や時期によって変わりうる、と書かれています。ポイントの規則も倍率も対象になる行動も、随時更新されるとしています。
メインネット points ページの FAQ

所定の比率でトークンに換算される

商品ページ側では、集めた AX Points は将来ネイティブトークンに換算されると書かれています。比率はポイントの総量が増えるにつれて下がり、動的に調整されるとも添えられています。

どちらが実際に運用されるのかを外から決める材料はありません。基準に置くべきなのは、保証しないと明記しているドキュメント側です。食い違いが残っていること自体を、そのまま前提にしてください。

ポイントが調整・凍結される行為の一覧

ポイントや紹介報酬が調整・無効になる行為は、リスク管理規程に名指しで並んでいます。関連する複数アカウントや支配下のアカウントの使用、自分で自分を紹介すること、実体のない紹介、wash trading と自己約定、キャンペーンの条件を突くための悪意あるヘッジ、極端に短い建玉の反復、悪用を目的とした自動売買です。

該当したときに運営がとる措置も書かれています。報酬の調整や控除、ティアの引き下げ、資金の一時的な制限や凍結、アカウントの制限・停止・終了までが含まれます。

地域については、利用規約が挙げる禁止国の居住者がサービス自体の対象から外れる、という条件だけでした。ポイント制度に固有の地域除外は見当たりません。禁止国の一覧は、このあとの章で扱います。

Antarctic を動かしているのは、名前を出さない運営者と zk ロールアップ決済

2024 年のシード調達から現在までと、名前が出てこない運営者

設立した年と、実際に取引が動き出した年は別です。公式のロードマップは、2025 年 Q1 をテストネット、2025 年 Q3 を V2 メインネットへの移行と置いています。CoinGecko が持っている 2024 年という数字は設立年で、外から見える取引の記録が始まるのはその翌年です。そこから今日までの足取りは次のとおりです。

2024
シードラウンドで 7,000,000 USD を調達。ZK 板の開発と perp のアルファテスト。
2025-05-10
第三者(DefiLlama)が日次の perp 出来高を記録し始めた最初の日。
2025-09-28
HYPE、ENA、TRX、XLM、1000SHIB、UNI、ADA、DOT を上場。
2025-11-20
iOS アプリ「AntarcticEX」を公開。同じ日に DefiLlama へ掲載。
2026-02-02
TradingView とのチャート連携を発表。

運営が誰なのかは、資料をたどってもはっきりしません。利用規約とプライバシーポリシーの相手方として書かれているのは「Antarctic Trading Platform」という表記だけで、登記名も会社番号も所在地も出てきません。App Store の販売元は ANTARCTIC EXCHANGE CORPORATION ですが、こちらも所在国の記載がなく、この名称は運営自身のサイトにも規約にも登場しません。CoinGecko の国の欄にはパナマと入っているものの、運営側の資料に裏付けはありません。

経営陣も同じです。ドキュメントの Team ページは CEX と DeFi の双方から来たチームだという集合的な説明にとどまり、トップページには出典のない「Built by Veterans from」という表現が置かれています。サイト、ドキュメント、App Store、CoinGecko、CoinMarketCap のいずれにも、創業者や責任者の氏名はありません。ただしこれは「見つからなかった」であって、「存在しない」ではありません。

規模の数字は自己申告です。トップページのカウンタは Active Traders 280,000+ と表示し、アフィリエイトのページは 30 か国以上、累計 200,000 USDT を超える報酬の支払いを掲げています。いずれも「アクティブ」の定義も基準日も書かれておらず、第三者の裏付けもありません。

zk ロールアップ決済とオフチェーン板、その確かめられない部分

仕組みから見ます。注文の付け合わせは運営側のサーバーでオフチェーンに行い、その結果をまとめて、状態を表す Merkle ルートと zk-SNARK の証明としてチェーンに提出する、という設計です。利用者にとっての意味は 2 つに絞れます。取引の速さは中央集権型の取引所に近く、資金の出し入れは自分の署名で動きます。

確かめられない部分も、この決済の仕組みの中にあります。データ可用性層がどこか、チェーン ID が何番か、証明を検証するコントラクトのアドレスは何か、ブロックエクスプローラはどこか。いずれも公開されていないため、決済の層を第三者が検証できません。公開チェーン上で特定できた Antarctic のコントラクトは、Arbitrum にある AMLP と AHLP、そのステーキング用のものだけでした。DefiLlama も TVL の 100% を Arbitrum に置き、出来高と手数料のアダプタを「Off Chain」に分類しています。

板そのものは、maker と taker のある中央集権型の指値板です。付け合わせはオフチェーンで、板の裏側には運営側の LP vault が相手方として入ります。マーケットメイクの AMLP とヘッジの AHLP の 2 つで、公式 FAQ は AMLP に資金を出した LP が利用者の取引の相手方になる、つまり利用者が勝てば LP が負ける関係だと明記しています。

32 銘柄の内訳と、枚数で下がっていくレバレッジ

扱っているのは USDT 建ての perp が 32 銘柄で、現物はありません。うち 9 銘柄は暗号資産以外です。GOLD と SILVER、それに NVDA、AAPL、TSLA、AMZN、GOOGL、SPY、QQQ が並びます。

銘柄ごとの上限は、BTCUSDT と ETHUSDT が 100x、GOLDUSDT が 500x、主要なアルトが 50x、米国株が 5x から 10x です。ただし表示されている最大倍率と、実際に使える倍率は違います。BTCUSDT のレバレッジは想定元本の帯で 5 段に切られています。

想定元本がいちばん小さい帯
最大 100x(維持証拠金 0.5%)
2 段目
最大 50x
3 段目
最大 25x
4 段目
最大 10x
いちばん大きい帯
最大 5x(維持証拠金 9.5%)

建玉を大きくするほど、使える倍率が下がる作りです。「最大 100 倍」という一言だけでは、自分が実際に使える余力を測れません。

証拠金モードは全銘柄で CROSSED と ISOLATED の両方に対応し、口座を開いた直後は CROSSED です。

VIP 0 の手数料と、公表されていない funding

取引のコストは、VIP の段で決まります。

0.02%maker(VIP 0)主要 26 銘柄の基本料率
0.05%taker(VIP 0)清算時もこの率が当たる
0%maker(VIP 5)14 日で 500,000,000 USDT の取引が条件

段は 14 日間の想定元本で VIP 0 から VIP 5 までの 6 つに分かれ、毎日 07:00 UTC に計算し直されます。適用されるのは、注文を出した時点の段です。

料率は全銘柄で同じではありません。銘柄別の API を見ると、上の料率が当たるのは 32 銘柄のうち 26 銘柄で、残りの少数は maker も taker も 0.04% で固定されています。手数料を一律に語ることはできず、主要銘柄に限った話として読む必要があります。

funding(建玉を持っているあいだ定期的にやり取りされる資金)は、方式そのものが公表されていません。何時間ごとに回収するのかも、どういう式で決まるのかも、ドキュメントにも FAQ にも書かれていません。API から取れるのは現在の値と次回の回収時刻だけです。2026-08-17 に BTC、ETH、GOLD、NVDA を見たときは、いずれも次回が 08:00 UTC で揃っていて、8 時間ごとという一般的な運用と矛盾しませんでした。ただし 1 回の観測なので、そう決まっているとは書けません。tokenomics の資料は funding の調整を将来のガバナンス項目として挙げています。今は運営が決めている値だ、ということです。

ネイティブトークンによる割引も、現時点では存在しません。ATTX はまだ発行されておらず、ドキュメントにあるのは、ローンチ時にガバナンス、手数料割引、VIP 機能を持つ予定という記述までです。割引率も、必要な保有量も公表されていません。

開始時に KYC はなく、後から求められる余地が残る口座

ウォレットの接続、入金、取引、出金のどこにも、本人確認を求める記載はありません。出金の上限も、本人確認を済ませていない口座と一般の口座で同じ 24 時間 200,000 USDT に設定されています。

無条件ではありません。利用規約は、本人確認を完了しない利用者の口座を予告なく終了できると定めています。プライバシーポリシーには、個人と法人それぞれについて、生体情報を含む本人確認データの項目が並んでいます。AML の審査で資金の出所の説明を求められることもあります。

実務としては、始めるときに本人確認はなく、あとから個別に求められる余地が残っている、と受け取るのが正確です。日本から使う場合にこれが実際に運用されているかどうかは、今回確かめられていません。

出来高・建玉・手数料収入:Antarctic の規模は出典ごとに桁が違う

24 時間出来高:4 つの出典で 0 から 131M まで

規模を測る数字は、出典によって桁が違います。基準に置けるのは、運営自身が公開している market API の読み取りです。32 銘柄の 24 時間出来高を合計したもので、取引画面に出ているのと同じデータになります(2026-08-17T06:25Z のスナップショット)。

運営の market API(32 銘柄合計)70,054,955 USDT
CoinMarketCap43,418,728 USD
DefiLlama(30 日を日割り)約 131,200,000 USD
CoinGecko0

同じ 1 日を測っているはずの数字が、これだけ割れます。CoinMarketCap は切り取った時刻が違うだけで桁は同じです。DefiLlama の値は 30 日の合計から割り戻したもので、観測した日の 2 倍近くあります。CoinGecko にいたっては、この取引所のデータそのものが入っていません。

差の理由まではたどれませんでした。DefiLlama が集計に使っているのは運営提供のエンドポイント(prod-openapi.antarctic.exchange)で、調査した時点でそのホストが HTTP 404 を返していたためです。

なお、トップページに出ている Total Trading Volume 21.9B+ は累計値で、24 時間の数字ではありません。

建玉:3.3M・265.9M・1.8B の 3 つの数字

建玉になると、差はさらに開きます。3 つの数字が並んでいて、どれかひとつを「これが建玉です」と書ける状態ではありません。

3,348,351 USD運営の market API(32 銘柄合計)最大銘柄 BTCUSDT は 2,555,488 USD
265,881,598 USDDefiLlama運営 API の約 79 倍
1.8B+トップページのカウンタ運営 API の約 540 倍

運営 API の合計は、最大銘柄の値が取引画面の表示と一致しているので、少なくとも画面と同じものを見ています。残りの 2 つとの差は説明できませんでした。DefiLlama 側の供給元が運営のエンドポイントで、それが調査時点で 404 を返したため、方式を突き合わせられなかったからです。トップページのカウンタには、方式の記載自体がありません。

順位と手数料収入、そして LP に置かれた 9.6M

順位も見ておきます。DefiLlama で建玉を報告している Derivatives カテゴリの 66 プロトコル中 6 位、予測市場まで含めると 79 中 9 位です。上には Hyperliquid、Aster、Variational、Lighter、Grvt が並び、下に Extended Perps と GMTrade が続きます。ただしこの順位は、さきほどの DefiLlama の建玉を前提に計算した値です。運営 API の合計を使えば、同じ表のずっと下に来ます。

手数料収入では、24 時間で 65 中 9 位、30 日で 82 中 9 位です。30 日の手数料は 1,141,539 USD で、そのうち運営の取り分は 40%、30 日で 456,615 USD です。残りの 60% は LP に回ります。これは取引者が払う料率とは別の概念で、プロトコルに入ってくる収入の話です。

LP に置かれている資金は、DefiLlama が 9,640,000 USD、公式の AXLP ページが 9,720,000 USD(うち AMLP が 6.42M)で、1% 以内で一致しています。TVL でみると Derivatives カテゴリの 24 位、カテゴリ合計の 0.5% にあたります。

他の perp DEX ではあまり見かけない要素(株式・商品 perp、二層 LP、CEX/DEX 両モード)

32 銘柄のうち 9 銘柄が、株式や商品を参照する perp です。すべて USDT 建ての差金決済で、現物の受け渡しはありません。GOLDUSDT には最大 500x、株式系には 5x から 10x が設定されています。perp DEX でこの品揃えは珍しく、他の取引所との違いがはっきり出る部分です。同時に、規制の面でいちばん問題になりやすいのもこの 9 銘柄です。この点は次の章で扱います。

残りの特徴も、判断に効く順に並べます。

二層の LP

マーケットメイクの AMLP とヘッジの AHLP

どちらも USDT 建てです。解約には 7 日の待機があり、そのあとオンチェーンの署名を 24 時間以内に確定させる必要があります。LP は取引者の相手方に立ち、取引手数料の 60% を受け取ります。
入口の作り

CEX モードと DEX モードの切り替え

同じ約定エンジンの上で、画面だけを切り替えられます。メールや SNS でログインした場合はアドレスが自動で作られ、チャートには TradingView が標準で組み込まれています。
損失に応じた口座

Trader Revival Account

14 日の集計期間で対象になる実現損失が出た利用者に、その 50% を原資とする別口座を渡す制度です。元本は出金できず、規程に沿った利益分だけが本口座に移ります。受け取りにはメールの連携が必要です。

zk で決済するという位置取りそのものは、同じ種類の取引所と共通です。検証コントラクトもチェーンも公開されていない点は、さきほど書いたとおりです。

第三者データ側の空欄

外から検算しようとすると、突き合わせる先が思ったより少ないことに気づきます。

CoinGecko
derivatives として掲載はあるものの、24 時間出来高は 0.0、建玉は空欄です。trust score も順位も付いていません。
CoinMarketCap
出来高は表示されますが、建玉は「—」のままです。取引所ランク、開始日、所在地の欄も空になっています。
DefiLlama
建玉と手数料は掲載されています。perps の順位は Cloudflare の判定と有料 API の壁(HTTP 402)で取得できず、今回は建玉ベースの順位を計算しました。

第三者データが薄いこと自体が、判断材料になります。運営が出している数字を突き合わせて確かめる相手が、実質ひとつしかない状態です。

13 の国・地域を規約で締め出す一方、ライセンスも当局からの指定もない

禁止国リスト 13 の国・地域と、2024-09-17 で止まっている規約

利用規約の Prohibited Countries に挙がっているのは、次の 13 の国・地域です。

北朝鮮キューバスーダンシリアイランクリミア中国本土香港インドネシアシンガポールベネズエラ米国カナダ

条項自身が、この一覧は網羅的ではなく、Antarctic の裁量でいつでも変更されうると書いています。日本はここに含まれていません。

もう 1 つ目につくのは、リストの古さです。利用規約の最終更新は 2024-09-17 で、いまの商品構成がそろう 1 年以上前のまま止まっています。実務の運用とずれている可能性は、そのまま残ります。

その効き方も、技術的な遮断によるものではありません。利用者が「禁止国の居住者ではない」と表明・保証する、という契約上の構造です。法務文書には、IP による遮断も、ウォレットの審査も、居住地を確認する画面も書かれていません。今回の調査でも、実際に遮断されるかどうかは試していません。実際、米国は禁止国に入っているにもかかわらず、iOS アプリは米国の App Store に並んでいます(2026-08-17 に Apple の lookup API で確認)。

運営側が握っている層と、自己管理では届かない範囲

完全にオンチェーンで動く perp DEX では、フロントの画面が止まっても別の入口から同じ板に届く、という説明がよく使われます。ここでは、その説明が半分しか当てはまりません。注文の付け合わせも、清算の基準になるマーク価格も、funding も、残高の台帳も、運営側でオフチェーンに置かれています。公開されたコントラクトを経由して同じ板に触れる経路は存在しません。チェーン上にあるのは、入出金と Arbitrum の AMLP・AHLP までです。

自己管理(self-custody)という言葉の範囲も限定しておきます。資金の移動が自分の署名で動くのは事実です。その一方で、運営がアクセスを制限し、資金を凍結し、出金を遅らせる権限は、利用規約とリスク管理規程にはっきり書かれています。鍵を自分で持っていることと、運営の裁量が届かないことは別の話です。

株式・商品を参照する perp という最大の規制面

NVDA、AAPL、TSLA、AMZN、GOOGL、SPY、QQQ を参照する株式・ETF の perp と、GOLD、SILVER を参照する商品の perp を、すべて USDT 建ての差金決済で提供しています。

証券を参照する契約は、複数の法域で証券スワップとして扱われ、適格投資家に限定されるのが通例です。運営は、この点についてのライセンスも適用除外も、関連する開示も出していません。これに対応する制限として置かれているのは、さきほどの禁止国リストだけです。

銘柄には XMR や ZEC のような、プライバシー系を参照するものも並んでいます。規制を受けている取引所では、上場廃止や取り扱い制限の対象になっていることが多い部類です。

法域ごとの評価は、ここでは行いません。日本の当局がこの点に触れた公表物を確認できていない、という限界は次の章に書きます。

ライセンスの不在、当局からの指定の不在、そして方向性の不在

ライセンスや認可の主張は、運営自身のサイトにも利用規約にもドキュメントにも出てきません。perp DEX では通常の状態です。

裏付けのない表記iOS アプリの説明文は、Antarctic を「コンプライアンスに適合した暗号資産デリバティブ取引所」と書いています。その根拠になる免許も、当局名も、監督を受けている法域も、運営自身のどの文書にも見当たりません。

ストアの掲載文には、もう 1 つ具体的な主張があります。Google Play のアプリ掲載は、Antarctic を運営するのは Antarctic Exchange Corporation だとしています。そのうえで、米国の FinCEN に Money Services Business(MSB)として登録しているとし、登録番号 31000294120669 を挙げています。chainhelm はこの登録を FinCEN 側のデータベースで確かめていません。仮に実在しても、MSB 登録はマネーロンダリング対策のための届出であって、デリバティブを提供する認可でも、どこかの国で営業する許可でもありません。米国は、Antarctic 自身が禁止国に挙げている国でもあります。

当局からの措置についても、Antarctic を名指しした規制措置、警告リストへの掲載、執行手続は確認できませんでした。各国の警告リストを網羅的に確認したわけではないので、これも「見つからなかった」であって「無い」ではありません。日本での照会結果は、次の章に分けて書きます。

方向性も読めません。免許も執行事例も、規制方針の表明もなく、規約の禁止国条項は 2024-09-17 で止まったままです。観測できる唯一の動きは株式・商品を参照する perp の追加で、これは規制面のリスクを減らす方向ではありません。

日本から Antarctic は使えるが、金融庁の登録も警告リストへの掲載もない

日本から使う場合に確かめられた事実と、確かめられなかった事実

まずアクセスの状態です。利用規約の禁止国リストに日本は入っておらず、規約の全文を見ても Japan という語が出てきません。2026-08-17 には、東京の IP(AWS の ap-northeast-1、言語 ja-JP、タイムゾーン Asia/Tokyo)から BTCUSDT の取引画面を開きました。板、注文入力、建玉の表、レバレッジの選択まで完全に表示され、地域による遮断の表示も、地域向けの通知も出ませんでした。App Store と Google Play の日本ストアでも、アプリが配信されています。

次に、国内での位置づけです。金融庁の暗号資産交換業者登録一覧(2026-06-30 現在)に該当する登録はなく、第一種金融商品取引業の登録もありません。無登録業者の警告リスト(海外・国内)にも、金商法の無登録業者警告リスト(2026-07-22 更新)にも載っていません。

ここには金融庁自身の但し書きが付いています。これらのリストは警告書を出した業者を載せたものであって、載っていないことは登録が不要であることを意味しない、というものです。掲載がないことを安全の証拠として読まないでください。

使う側が違法になるのか、という問いへの答えははっきりしています。居住者が無登録・海外の取引所で取引すること自体を禁じる日本の法律はありません。登録の義務と刑事罰は事業者側にかかります。金融庁が利用者に向けて出しているのは、取引の前に相手が登録を受けているか、無登録業者として警告を受けていないかを確認し、無登録業者と取引しないよう注意してください、という呼びかけです。結果として利用者に及ぶのは制裁ではなく、法的な保護と救済手段が無いことです。2025-12-10 の金融審議会ワーキング・グループ報告も、脚注 88 でこの点を明記しています。

当局が DEX をどう見ているかも押さえておきます。同じ 2025-12-10 の報告は 4(5)(b) で、DEX に対する明確な規制手法はまだ確立していないとしています。ただし現行法上も、場合によっては暗号資産交換業に当たりうるという整理です。当面は事実の把握を先に置き、DEX や国内で登録を受けていない業者での取引には想定外の損失リスクがあることを周知する、という方針も示しています。将来の検討課題としては、DEX につなぐ画面を国内の利用者に提供する者への説明義務や、犯罪収益移転防止法にもとづく本人確認も挙がっています。2026-06-24 の市場課長講演も、同じ整理を繰り返しています。

制度そのものも動いている最中です。直近の流れと、これからの期限が下の並びです。

2025-12-10
金融審議会ワーキング・グループ報告。DEX への対応を含む整理を公表。
2026-07-15
改正法が成立。暗号資産取引を資金決済法から金融商品取引法へ移す。
2026-07-23
公布(令和 8 年法律第 64 号)。登録業者の呼称は暗号資産取引業者へ。
2026-08-12
先行施行分。無登録営業の罰則が 10 年以下の拘禁刑・1,000 万円以下の罰金に。証券監視委の犯則調査の対象にも追加。
2027-07-22
全面施行の期限(公布から 1 年以内)。この記事の時点では未施行。

押さえるべき点は 2 つです。改正法にも、DEX のプロトコル自体を直接規制する条項は含まれていません。そして罰則の強化はいずれも事業者に向けたもので、特定の取引所を名指しするものではありません。

レバレッジも整理しておきます。国内の 2 倍規制は、金融商品取引業等に関する内閣府令 117 条 1 項 47 号・48 号(同条 41 項・42 項で取引額の 50%)にもとづく、登録業者への行為規制です。名宛人は業者で、利用者ではありません。規制の外側にある Antarctic には及ばないので、日本から見ても BTCUSDT と ETHUSDT は 100x、多くの銘柄は 50x のままです。ここから読み取るべきなのは、高い倍率が使えるということではなく、利用者を守る側の規制が働かない状態にある、という一点です。

税は、判断に直接効いてきます。暗号資産の証拠金取引による所得は、租税特別措置法の申告分離課税の対象外で、総合課税の雑所得として申告します(国税庁 FAQ 2025 年 12 月版 Q2-12)。

税務令和 8 年度税制改正大綱(2025-12-26 閣議決定)が示した 20% の申告分離課税は、金融商品取引業者の登録簿に記載された「特定暗号資産」を、暗号資産取引業(仮称)を行う者へ譲渡する場合などに限られます。登録業者の外側にある取引は現行どおり総合課税で、3 年の損失繰越も使えません。

記録の面でも差が出ます。国内の登録業者が出す年間取引報告書に相当するものは提供されず、リスク開示でも、税務上の助言は行わないと明記されています。取引の記録は自分で再構成する前提で始めることになります。

トラブルになったときの経路も見ておきます。準拠法はシンガポール法、紛争解決は SIAC(シンガポール国際仲裁センター)規則による個別の仲裁で、仲裁人 1 名、言語は英語、集団訴訟は放棄、請求は 1 年以内という条件が付いています。国内の指定紛争解決機関(金融 ADR)につながる経路は、契約上ありません。

確かめられていないことアクセスの確認は、データセンターの IP 1 本からの 1 回です。住宅回線からの接続や、アプリの中での遮断は否定できません。本人確認が実際に運用されているかも確かめていません(利用規約 51 条から 57 条に氏名・住所・生年月日・国籍・身分証・顔写真の要求があり、11 条に未完了時の終了権があります)。海外のプロトコルが株式や商品を参照する perp を提供する場合について、日本の当局が評価を示した公表物も確認できていません。日本語のサイトは無く、/ja は 404 を返します。金融庁の執行が日本語サイト等による勧誘を軸に運用されてきたことは事実ですが、そこから安全だという結論は出せません。

監査もオラクル開示もない場所に USDT を預けるということ

ここまでは、公開されている事実を順に並べてきました。最後に、この取引所を選ぶことで自分が負うものを整理します。perp 取引そのもののリスクではなく、ここに固有のものだけを扱います。

監査の開示が無く、差し替えの権限は 1 つの鍵にある

39 ページあるドキュメントの索引に、監査のページも、監査法人の名前も、レポートへのリンクもありません。DefiLlama の記録も audits = 0 です。利用者の担保を預かる場所ですから、これは「監査の状況が不明」ではなく「監査の開示が無い」と書くのが正確です。

アップグレードの権限も見ておきます。Arbitrum にある AMLP と AHLP のステーキング用コントラクトは ERC-1967 型で、実装スロットが埋まっています。ロジックをあとから差し替えられる状態です。両者の owner() は同じアドレス 0x63730113bd32b7f9a34157bf8b70f066b3d4d2c6 で、このアドレスにはコードが入っていません。つまりマルチシグではなく、個人の鍵です。鍵の管理方法も、署名者の構成も公開されていません。

タイムロックは、主張はあるものの確認できません。ドキュメントは重要なパラメータの変更に時間差の統制があると書いていますが、コントラクトのアドレスも、遅延の長さも、待機中の変更を見る手段も公開されていません。観測したステーキング用コントラクトの手前にタイムロックはありませんでした。具体的に確認できる時間差は、LP を解約するときの 7 日だけです。

出金に効いてくる運営の権限運営は第三者の AML システムで資金の動きを 24 時間監視しています。急な大口の入出金、取引を伴わない入出金、少額の取引の直後に短期でチェーンをまたぐ移動などが審査の対象になります。該当すると出金が一時的に遅れ、資金の出所の説明を求められることがあります。運営は、審査への干渉(未確認の情報を広めることや世論による圧力を含む)そのものを高リスク行動として扱い、審査を延長しうると明記しています。利用規約は、本人確認が済んでいない口座の終了と、所定の場合の予告なしの凍結も留保しています。

清算の基準になる価格を、外から検算できない

perp では、建玉が強制的に決済される清算(forced liquidation)の起点になるのはマーク価格です。自分の建玉が清算されるかどうかは、この価格で決まります。

そのマーク価格を誰が作っているのかが、開示されていません。オラクルの提供者を示すページはなく、指数価格やマーク価格の算式もドキュメントにありません。価格は運営自身のエンドポイントから配信されていて、2026-08-17 の btc_usdt では指数 63,555、マーク 63,555.18 が返ってきました。値は取れますが、どの取引所を参照し、どう加重し、どれくらいの頻度で更新し、操作にどう備えているかは非公開です。清算の起点を、外から検算できないということです。

清算そのものの作りは公開されています。維持証拠金は想定元本の帯ごとに 0.5% から 9.5% まで。清算時の手数料は VIP の段に関係なく、いちばん高い taker 0.05% が当たります。

保険基金は存在します。ただし残高も、原資も、積み増しの方針も公表されていません。基金が尽きて、破産価格(証拠金が尽きる価格)より上で決済できない場合は、自動デレバレッジ(ADL)が反対側の建玉を減らします。口座ごとに 20% 刻みの順位が表示され、クロス証拠金では純ポジション、分離では方向ごとに扱われます。

資金を引き上げる速度と、USDT 1 種類への集中

資金をどれだけ速く引き上げられるかは、いくつかの上限で決まります。

5,000 USDT1 回あたりの出金上限プラットフォーム側の出金手数料は 0
200,000 USDT24 時間の出金上限本人確認の有無で差はない
20,000 USDTTrading Account から Funding Account への振替(24 時間)出金の前段でここが効く
200 ブロック出金に必要な承認数着金までの待ち時間に直結

最低出金額は、FAQ が「無し」、API が 1 USDT と食い違っています。ここは実際の画面で確かめることになります。まとまった資金を置くつもりなら、引き上げに何日かかるかを先に計算しておいてください。

担保も建値も入出金も、すべて USDT の 1 種類です。USDC も法定通貨も選べません。ステーブルコインの規制について、運営が出している開示もありません。1 つの発行体に全部を預ける形になる、という点は把握しておいてください。

LP を選ぶ場合は、解約に 7 日の待機があり、そのあとオンチェーンの署名を 24 時間以内に確定させる必要があります。その間は出られません。LP は取引者の相手方なので、取引者が勝つほど LP の取り分は減ります(取引手数料の 60% が LP 側に回ります)。

公表値どうしが合わないという事実

この記事で何度か触れてきた数字のばらつきは、それ自体がリスクです。建玉は運営 API と DefiLlama で約 79 倍、トップページのカウンタとは約 540 倍の開きがあります。出来高も 4 つの出典で食い違います。第三者のトラッカーが読んでいる先が運営の提供するエンドポイントで、それが調査した時点で 404 を返していたため、方式の突き合わせもできませんでした。どの数字を信じるかを利用者側が決められない状態が、そのまま続いています。

事故が見つからないことと、事故が無かったことも別です。攻撃、オラクルの操作、ガバナンス攻撃、停止、デペッグ、フロントの改ざん。いずれも確認されませんでしたが、運営のブログは調査期間中ずっと Cloudflare の 522 を返し、Medium もボット判定で読めない状態でした。

サイトの維持状態も材料になります。トップのバナーで案内され続けているキャンペーン 2 件は、表示上の終了日が 2026-03-12 と 2026-03-20 で、記事の作成時点から 4 か月以上前に終わっています。法務文書も 2024 年付のままで、プライバシーポリシーには未記入のプレースホルダが残っています。

◆ ◇ ◆

登録前に残る確認は、最初の接続でコード欄が埋まっているかどうか

最後に、紹介コードの要点だけをもう一度置きます。コードは 6LAP168t、リンクは https://partner.antarctic.live/code/6LAP168t、chainhelm が新規ウォレットで確認したのは 2026-08-16 です。

効くのは、最初のウォレット接続の 1 回だけです。ログイン画面の「Referral Code (Optional)」に 6LAP168t が入った状態のまま接続を終えれば適用され、入っていなければ適用されません。接続したあとに同じウォレットへ後から紐づける方法はなく、適用したい場合は新しいウォレットで接続し直すことになります。

前提の話も 1 つだけ。利用規約は 13 の国・地域を禁止国として挙げていて、日本はそこに含まれていません。含まれる国の居住者にとっては、紹介コード以前の問題になります。

ここまでに並べた事実は、コードとは別の判断材料です。運営の名前が出てこないこと、監査の開示が無いこと、マーク価格の作り方が非公開であること、公表値が互いに合わないこと。これらを踏まえたうえで、口座を開くかどうかを決めてください。