— 目次 11 項目
- 01 GMX 紹介コード「chainhelm」は今も使えるか?
- 02 GMX 紹介コード「chainhelm」の特典
- 03 GMX 紹介コードでの登録手順(ウォレット接続)
- 04 GMX 接続後にすべきこと
- 05 GMX 紹介コードは登録後に追加できない
- 06 GMXはオラクル価格で取引するプール型の perp DEX
- 07 出来高21位・手数料収益7位のGMXと、板型DEXとの構造差
- 08 どの当局にも登録していないGMX:米国居住者の除外と、フロントエンドと契約の2層構造
- 09 日本から使えるGMX:金融庁への登録はなく、国内の投資家保護も及ばない
- 10 保険基金を持たないGMXの清算・ADLと、2022年・2025年の攻撃事例
- 11 紹介コードは検証時点で有効、適用できるのは最初の接続の一度きり
chainhelm 専用の GMX 紹介コードは です。
2026-08-13 時点で、新規ウォレットで実際に接続し、紹介コードが適用されることを確認済みです。
本コードを使ってウォレットを接続すると、取引手数料5%オフが適用されます。コードを適用できるのは、そのウォレットで最初の取引を出す前の一度きりです。
本記事では、GMX 紹介コードを使った登録手順(ウォレット接続)を chainhelm 編集チームが実際に検証したうえで、GMX の特徴、日本での利用可否、リスクもあわせて解説します。
GMX 紹介コード「chainhelm」は今も使えるか?
chainhelm 編集チームが 2026-08-13 に新規ウォレットで GMX に接続し、紹介コード「chainhelm」が今も使えることを確認しました。
こちらの画像は、検証時に撮影した実際の画面です。
画面に「You’re now receiving a 5% discount on your trades!」と表示されており、紹介コード chainhelm が正しく適用されたことが確認できます。
chainhelm では、コードが引き続き利用できるかを継続的に検証しております。
GMX 紹介コード「chainhelm」の特典
GMX で受けられる特典は以下のとおりです。いずれも本コードを使って接続した場合に適用されます。
特典が付くのは、そのウォレットが最初の取引を出す前にコードが適用されている場合だけです。コードなしで取引を始めてしまうと、そのウォレットであとから特典だけを受け取ることはできません。
GMX 紹介コードでの登録手順(ウォレット接続)
PC・ブラウザで接続する場合と、スマホ(モバイル)で接続する場合に分けて解説します。
PC・ブラウザでの接続手順
- まずは、GMX 公式ページ を開いてください(紹介コードが適用されたリンクです)。開くと、以下のような画面になります。
2. 「Trade」画面で「Connect wallet」をクリック
紹介リンクを開くと GMX の「Trade」画面が表示されるので、右上の「Connect wallet」をクリックして、接続するウォレットを選ぶ画面を呼び出します。まだウォレットは接続されていないため、右側の注文パネルにも同じ「Connect wallet」が置かれたままです。
3. 接続するウォレットを選ぶ
「Log in or sign up」のポップアップで、「MetaMask」「Rabby Wallet」「WalletConnect」から普段使っているウォレットをクリックすると、ウォレット側の接続確認が開きます。一覧に出ていないウォレットは「Other wallets」からたどれます。
ウォレットをまだ持っていない場合は、「Log in with email or socials」からメールアドレスやソーシャルアカウントで始めることもできます。
4. ウォレット側で接続を承認する
ウォレット(画面例は Rabby Wallet)の通知ウィンドウに「Connect to Dapp」が開いたら、接続先が https://app.gmx.io であること、右上のネットワークが「Arbitrum」であることを確かめて「Connect」をクリックし、GMX 側を接続済みの状態にします。見覚えのない接続先が表示されている場合は、承認せず「Cancel」で閉じてください。
5. 「Referrals」で適用中のコードを確認
左のメニューから「Referrals」を開き、「Traders」タブで画面右側の「Active referral code」に chainhelm が入っているかを確認します。適用済みであれば、その下に「You’re now receiving a 5% discount on your trades!」「The reduced rate applies to every open and close fee.」と表示されます。
欄が空だったり別のコードが入っていたりする場合は、「Edit」から入力し直せます。
スマートフォン(iOS / Android)での接続手順
- まずは、GMX 公式ページ をモバイルのブラウザまたはウォレットアプリ内ブラウザで開いてください(紹介コードが適用されたリンクです)。開くと、以下のような画面になります。
2. 「Trade」画面で「Connect wallet」をタップ
紹介リンクをスマートフォンのブラウザで開くと GMX の「Trade」画面が表示されるので、上部の「Connect wallet」をタップして、接続するウォレットを選ぶ画面を呼び出します。接続前の状態なので、画面下の「Long」「Short」「Swap」から注文に進むにも、まずはこの接続が必要です。
3. 接続するウォレットを選ぶ
画面下から「Log in or sign up」の選択画面がせり上がるので、「MetaMask」「Rabby Wallet」「WalletConnect」から使っているウォレットをタップすると、ウォレットアプリ側の接続確認に進みます。一覧に出ていないウォレットは「Other wallets」からたどれます。
ウォレットをまだ持っていない場合は、「Log in with email or socials」からメールアドレスやソーシャルアカウントで始めることもできます。
4. メニューから「Referrals」を開いて確認
右上のメニューから「Referrals」を開き、画面を下にスクロールして「Active referral code」に chainhelm が入っているかを確認します。適用済みであれば、その下に「You’re now receiving a 5% discount on your trades!」「The reduced rate applies to every open and close fee.」と表示されます。
欄が空だったり別のコードが入っていたりする場合は、右側の「Edit」から入力し直せます。
GMX 接続後にすべきこと
PC・ブラウザで入金する場合と、スマホ(モバイル)で入金する場合に分けて解説します。
入金は「ウォレットに資金を用意する」と「GMX アカウントへ移す」の 2 段に分かれます。撮影に使ったウォレットは空だったため、以下の図は入金画面を開くところまでです。
PC・ブラウザでの入金手順
画面右上のアドレス表示をクリックして「Wallet & GMX Account」パネルを開き、「Deposit to GMX Account」をクリックします。パネル上段がウォレットの残高、下段の「GMX Account Balance」が取引に使う GMX アカウントの残高で、入金前はどちらも $0.00 のままです。
「Deposit to GMX Account」のポップアップで、「From network」が入金元にしたいチェーンになっているかを確かめます。初期値は「Arbitrum」で、右端の矢印をクリックすると選択肢が開きます。
撮影に使ったウォレットは空のため、入金に回せる資金が無いことと、Arbitrum・Ethereum・BNB・Base のいずれかでウォレットに資金を受け取ってから GMX アカウントへ移す順路が案内されています。受け取りから始める場合は「Receive to Wallet」をクリックします。
「From network」の矢印をクリックすると、Arbitrum・Ethereum・BNB・Base の 4 つが選択肢として並ぶので、資金を持っているチェーンを選びます。入金画面の確認はここまでで、実際の入金はウォレットに資金が届いてから進めます。
スマートフォン(iOS / Android)での入金手順
画面上部のアカウントアイコンをタップして「Wallet & GMX Account」を開き、「Deposit to GMX Account」をタップします。上段がウォレットの残高、下段の「GMX Account Balance」が取引に使う GMX アカウントの残高で、入金前はどちらも $0.00 のままです。
「Deposit to GMX Account」の画面で、「From network」が入金元にしたいチェーンになっているかを確かめます。初期値は「Arbitrum」で、右端の矢印をタップすると選択肢が開きます。
撮影に使ったウォレットは空のため、入金に回せる資金が無いことと、Arbitrum・Ethereum・BNB・Base のいずれかでウォレットに資金を受け取ってから GMX アカウントへ移す順路が案内されています。受け取りから始める場合は「Receive to Wallet」をタップします。
「From network」の矢印をタップすると、Arbitrum・Ethereum・BNB・Base の 4 つが選択肢として並ぶので、資金を持っているチェーンを選びます。入金画面の確認はここまでで、実際の入金はウォレットに資金が届いてから進めます。
入金そのものに GMX の手数料はかかりません。GMX アカウントは取引所の口座ではなく、Arbitrum 上に置かれた自分の取引用残高で、ポジションは接続したウォレットに属したままです。証拠金をウォレットから出すか GMX アカウントから出すかという資金の出どころの違いなので、運営に預ける形にはならず、非カストディであることは変わりません。かかるのはチェーンのガス代と、GMX アカウントへクロスチェーンで移すときに使う Stargate と LayerZero のコストです。Stargate 側の流動性上限にあたって送れる額が制限されることもあります。
GMX が自前で運営するブリッジはなく、チェーンをまたぐ移動は外部プロトコルに任せています。GM や GLV といった流動性トークンを売買する場合は、原資産側にスプレッドがあればその分が乗ります。
入金に使えるのは Arbitrum・Ethereum・BNB・Base の 4 チェーンなので、いずれかでウォレットに資金を用意してから「Deposit to GMX Account」で GMX アカウントへ移します。
GMX 紹介コードは登録後に追加できない
紹介コードが適用できるのは、そのウォレットが最初の取引を出す前の一度きりです。
コードを付けないまま取引を始めてしまうと、同じウォレットに後から紹介コードを紐づける方法はありません。適用したい場合は、新しいウォレットで接続し直すことになります。
- 「Referrals」の「Traders」タブで、「Active referral code」に紹介コード chainhelm が入っているか(適用済みなら、その下に割引の案内が並びます。この画面はいつでも確認できます)
- 接続後は紹介(referral)ページを開き、紹介の紐づきが反映されているか確認する
いま何のコードが付いているかは、いつでも画面で確かめられます。左のメニュー(モバイルは右上のメニュー)から「Referrals」を開き、「Traders」タブの「Active referral code」を見ると、適用中のコードと、その下に割引の案内が並びます。ここが空欄のままなら、そのウォレットにはコードが付いていません。適用の道はリンクを開く方法とコード欄に入力する方法の 2 つですが、どちらもそのウォレットが最初の取引を出す前の話です。
コードを付けた状態で始めるなら、以下のリンクから開くと入力の手間が要りません。
GMXはオラクル価格で取引するプール型の perp DEX
コードの話はここまでです。ここからは、そのコードを使う先がどういう場所なのかを見ていきます。GMX は中央集権の取引所ではなく、ウォレットをつないで使う非カストディの perp DEX です。資金は自分の管理下に残り、口座も本人確認もありません。その代わり、CEX なら運営が引き受けている部分を、利用者が自分で理解して負うことになります。
出自と現在地:2021年のArbitrum開始から、V2と多チェーン展開まで
GMX の前身は、BNB Chain で動いていた Gambit Financial です。XVIX と Gambit のコミュニティトークンを GMX に移す形で立ち上がりました。この移行枠は上限 6,000,000 GMX のうち 5,745,462 GMX が使われたところで、2023-11-24 の DAO 投票によって締め切られています。
読むときは、V1 と V2 が別物であることに注意してください。V1 は全市場が 1 つの GLP プールを共有する旧設計で、いまは廃止が進んでいます。現行の V2 は市場ごとに分かれた GM プールと GLV を使う設計で、両者は同じ名前で呼ばれていても中身が違います。2025 年に起きた攻撃も V1 側の話で、この記事の後半で改めて扱います。
運営主体とガバナンス:GMX Labs、DAO投票、非開示の法人格
運営は 2 層になっています。開発と運営を担う GMX Labs は DAO 提案によって作られた組織で、資金は開発助成と業務委託契約から出ており、GMX DAO に対して説明責任を負う立て付けです。方針の決定は、フォーラムでの提案から始まり、Snapshot でのオフチェーン投票(提案に 10,000 GMX、定足数 50,000 GMX、単純多数、5 日間)を経ます。DAO の資金や権限を動かす必要があれば、さらに Tally のオンチェーン投票(提案に 30,000 GMX、65% 超の特別多数)へ進みます。
一方で、法人格と設立国は公式資料に開示されていません。GMX Labs の CEO は 2026-05-08 に就任した「Q」で、これは実名ではなく通称です。フロントエンドの app.gmx.io を運営している主体も、利用規約のなかで名前が出てきません。
板を持たない執行:オラクル価格とGMプールの仕組み
GMX には板(オーダーブック)がありません。買い手と売り手を突き合わせるのではなく、トレーダーの取引相手は GM プールという流動性の器そのものです。GM プールは 1 つの市場につき 1 つあり、参照する価格フィードと、ロング側のトークン、ショート側のトークンの組み合わせで定義されます。約定する価格は板から決まるのではなく、Chainlink Data Streams を中心としたオラクルが運んできます。したがって「板が薄いから不利な値段で約定した」という現象は起きません。
板の代わりに置かれているのが価格インパクト(price impact)です。プールのロングとショートの偏りを広げる向きの取引には不利な調整が入り、偏りを縮める向きの取引には有利な調整が入ることがあります。調整幅には上限があり、BTC や ETH といった主要市場では 50 bps(0.5%)、流動性の薄い市場では 75 bps から 1,000 bps まで市場ごとに設定されています。有利側の調整は最大でも 40 bps(0.4%)です。
執行の段取りも CEX とは違います。注文はまず「リクエスト」としてチェーンに載り、その後で keeper と呼ばれる実行役がオラクル価格を付けて執行します。注文の意思が先にオンチェーンで確定してから価格が決まるので、先回り(front-running)を仕掛けにくい設計です。
市場が動いているチェーンは Arbitrum One、Avalanche C-Chain、MegaETH の 3 つで、Botanix は出金だけができる状態です。Ethereum・Base・BNB Chain からは GMX アカウント経由で資金を入れられますが、その資金で建てる取引は Arbitrum の市場で約定します。GMX 自身のチェーンは持たず、既存チェーン上のコントラクトとして動いています。
規模と品揃え:累計746,000トレーダー、2つのTVL、129市場と最大100倍
上の数字のうち、トレーダー数は稼働以降の累計であって、いま動いている人数ではありません。市場数の 129 も、チェーンごとにユニークな組み合わせを数えて足した値で、BTC/USD のように複数チェーンに載っている銘柄は重複して数えられています。数え方が違えば、他所で見る市場数とも一致しません。
資産の規模については、集計の範囲が違う 2 つの数字が並びます。DeFi Llama が GMX 全体として集計した TVL は USD 183,653,002、GMX 公式サイトのカウンタは USD 157,000,000 です。どちらかが誤りというわけではなく、公式カウンタは earn や pools の画面に出るプールだけを見ており、DeFi Llama は残存する V1 や Botanix の旧プールまで含みます。第三者のダッシュボードと公式サイトで数字が食い違って見えたら、この範囲の差を疑ってください。
品揃えのなかには、暗号資産ではない市場が 6 つ混じっています。GOLD/USD、SILVER/USD、WTIOIL/USD、BRENTOIL/USD、NATGAS/USD、そして pre-IPO SpaceX を参照する SPCX/USD です。最大レバレッジの100倍は暗号資産市場での上限で、これらの市場は銘柄ごと、時間帯ごとに上限が違います(SPCX/USD は常時 10 倍です)。始めるのに要るのはウォレットの接続だけで、本人確認(KYC)も最低入金額も要求されません。
取引コストの全体像:ポジション手数料・funding・借入手数料・価格インパクト・ガス代
紹介コードが効いてくる場所を自分で判断できるように、コストを層に分けて見ておきます。GMX で払うものは 1 種類ではなく、取引の瞬間にかかるもの、持ち続けている間に積み上がるもの、チェーン側に払うものが重なっています。
- ポジション手数料
- 建玉の大きさに対して 0.04% または 0.06%。ロングとショートの偏りを縮める向きの取引が 0.04%、広げる向きが 0.06% です。建てるとき、閉じるとき、増減させるときにかかります。紹介コードの取引手数料5%オフが効くのはこのポジション手数料で、下の funding と借入手数料は割引の対象外です。
- funding(資金調達料)
- 秒単位で発生し、偏りに応じて払う側と受け取る側、そして大きさが変わります。市場ごとに上下限が設定されており、2026-05-15 に引き下げが実施されました。
- 借入手数料(borrow fee)
- 建玉を持ち続ける間かかります。暗号資産市場ではおおむね年率 45% から 55%(利用率が適正な水準のとき)、プールが埋まりきると 100% から 130% の水準になります。
- 価格インパクト(price impact)
- 手数料とは別枠の値動き調整。プールの偏りを広げる取引に不利な価格、縮める取引に有利な価格が付きます。
- ガス代
- ユーザー負担で、無料で使える設計ではありません。keeper の実行分を含むネットワーク手数料は上限額をいったん徴収し、使わなかった分を返す方式です。
ここで注意したいのは、0.04% と 0.06% が maker / taker の手数料ではないという点です。板が無い以上、指値を置いて流動性を出す人と、それを取る人という区別自体が存在しません。分かれ目は注文の向きが偏りを縮めるか広げるかで、外部の記事で maker / taker として紹介されていても、GMX の実際の判定はこちらです。
トークンを交換するスワップは 0.05% と 0.07% の 2 段階で、ステーブルコイン同士はさらに低い水準です。ガスの支払い通貨は執行モードで変わり、Classic Trading では Arbitrum なら ETH、Avalanche なら AVAX を自分のウォレットから払います。Express Trading とその上の One-Click では USDC や WETH での支払いに切り替えられます。3 つのモードで取引手数料そのものは同じです。
GMXトークンの役割:ガバナンスと買い戻し、割引はトークンでは付かない
GMX トークンの役割は 2 つに絞られています。1 つはガバナンス投票の権利で、もう 1 つは収益の還元です。レバレッジ取引・清算・借入手数料・スワップから集まった手数料のうち 27% が GMX の買い戻しに充てられます。最大供給は 13.25m で、増やすにはガバナンス投票が必要です。
ただし、ステーキング報酬の配布は現在停止しています。買い戻された GMX は Treasury に積まれていく状態で、配布が再開される条件は「GMX が USD 90 に達したとき」というルールとして公表されています。ここで書けるのはルールの内容までで、その価格に届くかどうか、いつ届くかについては何も言えません。
利用者にとって実務上大きいのは、GMX トークンを持っても、ステークしても、取引手数料は下がらないという点です。公式ドキュメントに手数料割引の規定はありません。GMX で手数料が下がる経路は紹介コード側から来ます。
出来高21位・手数料収益7位のGMXと、板型DEXとの構造差
同じ日の3指標:24時間出来高21位、建玉、デリバティブ手数料収益7位
規模の話は、同じ日に取った数字を並べないと比較になりません。以下は 2026-08-13 のスナップショットです。
USD 75,950,000
USD 55,070,000
USD 55,607
この日はたまたま薄い日でした。市場全体の perp 出来高も前週比で 2 割ほど落ちており、24 時間の数字だけで性格づけすると実態を外します。読むなら 30 日側を軸にしてください。建玉については、公式サイトのカウンタが USD 56,000,000 と表示しており、約 2% の差が出ています。丸めと取得時刻の違いで説明が付く範囲です。
面白いのは、出来高の順位が21位なのに、手数料収益の順位が7位まで上がることです。ここでは、そのずれが存在するという事実だけを置いておきます。理由を断定できるだけの材料はありません。参考までに、同じ日の出来高上位は Hyperliquid が USD 6.28b、Aster が USD 1.44b、Lighter が USD 1.175b でした。
その数字がどこまでを数えているか:Solana版GMTradeは別集計
ここまでの数字が指しているのは、Arbitrum・Avalanche・MegaETH・Botanix に展開された GMX 本体です。この範囲を押さえておかないと、別の場所で見る数字と噛み合いません。
というのも、コミュニティが Solana 上に展開した GMTrade という別デプロイがあり、DeFi Llama はこれを GMX 本体の外側にある別プロトコルとして扱っているからです。同じ 2026-08-13 のスナップショットで、GMTrade の 24 時間出来高は USD 918.05m(全体 5 位)、手数料は USD 143,385 と、本体を上回っています。この記事の GMX の数字には、GMTrade は一切含めていません。
CoinGecko のデリバティブ取引所一覧を見ると、さらにずれます。GMX 本体のエントリは存在せず、掲載されているのは GMTrade のほうです。第三者サイトで「GMX」を探して数字が合わなかったときは、どちらを見ているかを確かめてください。
板型DEXとの構造差:オラクル価格とGMプール/GLVで約定する
出来高で上位に来る perp DEX の多くは、中央指値板(CLOB)を持ち、maker と taker で手数料を分けています。GMX はプールとオラクル価格で約定するので、そもそも板がありません。手数料体系に maker / taker の区別が無いのは、この設計の帰結です。
流動性の持ち方も違います。GMX の流動性は市場ごとの GM プールに分かれており、全市場で 1 つのプールを共有していた V1 の GLP とは設計思想が別です。GLV は複数の GM 市場に資金を自動で配分する器で、利用率と外部のリスク分析を踏まえて配分が動きます。流動性を出した側は、Arbitrum と Avalanche で集まった手数料の 63% を受け取り、これは請求の手続きなしにプールの価値へ積み上がります。
公式ドキュメントは、USD 50m を超える規模のポジションでも価格インパクトを抑えて建てられると説明しています。chainhelm はその規模での執行を検証していないので、ここでは公式がそう説明しているという事実の紹介にとどめます。
24時間動く商品・pre-IPO市場と、セッションで切り替わる条件
GMX には、金・銀・WTI 原油・Brent 原油・天然ガス、そして pre-IPO の SpaceX を参照する SPCX/USD の 6 市場があり、いずれも 24 時間動きます。土日も止まりません。SPCX/USD は 2026-06-10 に稼働した合成の perp で、市場が織り込む未上場株の価格を参照する仕組みです。現物の株や商品を持つわけではありません。
ただし、条件は時間帯で切り替わります。CME Globex の取引時間に合わせて on-hours と off-hours の 2 セットのリスクパラメータが用意されており、最大レバレッジ、建玉の上限、価格インパクト、ポジション手数料、借入手数料、そして清算の係数までが入れ替わります。金と銀の on-hours のポジション手数料は 0.01% と 0.02% で、暗号資産市場より低い水準です。この切り替えが清算価格に何をするかは、リスクの章で改めて扱います。
GMX AccountとExpress/One-Click:資金移動と署名の手間を減らす仕組み
入金の手順で 4 つのチェーンから選べたのは、GMX アカウントという仕組みがあるからです。これは Arbitrum 上に置かれた取引用の残高で、Ethereum・Base・BNB Chain から資金を入れられます。裏側では Stargate がトークンを運び、LayerZero がチェーン間のメッセージを担います。出金は入金元と違うチェーンにも出せます。
執行モードは 3 つあり、取引手数料はどれを選んでも同じです。Express Trading を有効にすると、ガスをネイティブトークンではなく USDC などで払えるようになります。Express に One-Click を足すと、取引ごとの署名ポップアップが消えます。
制約も同じだけ書いておきます。GMX アカウントは Avalanche と MegaETH では使えません。Safe のようなスマートコントラクトウォレットは、Express 系のモードも GMX アカウントも利用できず、Classic Trading だけになります。One-Click が署名鍵をどこに置くかについては、リスクの章で扱います。
どの当局にも登録していないGMX:米国居住者の除外と、フロントエンドと契約の2層構造
Termsが除外しているのは米国居住者と制裁対象地域
GMX の利用規約が名指しで除外しているのは、米国人(U.S. Person)です。1.1.3 条が「あなたは U.S. Person ではない」という表明を求め、8 条では商品取引所法(Commodity Exchange Act)と CFTC 規則による制限を理由に、U.S. Person は Interface を使って perp の契約を結べないと書かれています。
これに加えて、1.1.4 条が米国・英国・EU による禁輸または同等の制裁の対象国について、その居住者・国籍者・代理人を除外し、1.1.5 条が OFAC の SDN リストをはじめとする制裁リスト該当者を除外しています。これらは外部の制裁レジームを参照する書き方で、国名のリストは公表されていません。
そのため、GMX に「公表されたブロック国リストがある」とは書けません。規約から ISO の国コードで特定できるのは US だけです。
除外を担保しているのは表明保証で、執行方法は公表されていない
除外の仕掛けは、利用者側の表明・保証(representation and warranty)という契約条件の形を取っています。つまり、規約の条件を満たしていると利用者が自分で表明することが、アクセスの前提になっています。GMX 側は、その表明が正しくないと考える相当の理由があれば、サイトへのアクセスを制限したり変更したりできると 1.2.2 条で留保しています。
IP 単位の遮断やウォレットの選別といった技術的な執行が実際に行われているかどうかは、公式資料からは確認できません。app.gmx.io で何が動いているのかを説明した一次資料は存在せず、ここは確認できないままです。
フロントエンドと契約は別の層に置かれている
GMX 自身の規約が、2 つの層に分かれた構造をはっきり書いています。gmx.io は情報提供のサイトであって「プロトコルへのアクセス手段ではない」とされ、実際の Interface は app.gmx.io です。運営側は資金の保管も管理も行わず、利用者は常に自分の資産の支配を保つ、とも書かれています。
コントラクトはパブリックチェーン上で誰でも使える形で動いており、Interface のコードは IPFS にも置かれています。5.1 条は、GMX のサブドメイン経由のアクセスが終了しても、コードを自社で保有もホストもしていない以上、Interface は第三者経由で存在しうると述べています。
帰結として、前の節で見た地域の除外は、運営が出しているフロントエンドを使うための契約条件であって、契約層の動作を止めるものではありません。構造の説明としてはここまでです。準拠法はバハマ法、紛争の解決はマドリードの CIMA における仲裁、そして責任の上限は 1,000 SGD と定められています。この条項が読者にとって何を意味するかは、リスクの章で読み直します。
どの当局のライセンスも持たず、名指しの措置も確認できない
GMX が保有するライセンスはゼロです。規約自身が、いかなる規制当局の登録も免許も受けておらず、当局による審査も承認も受けていないと明記しています。許可を取らずに動くことが前提の DEX としては、想定どおりの状態です。
そのうえで、GMX、GMX Labs、あるいは関係者を名指しした当局の措置(執行、警告リストへの掲載、提訴、制裁指定)は、2026-08-13 時点の調査では確認できませんでした。ただし、検索して見つからなかったことは、存在しないことの弱い証拠にしかなりません。この記事が言えるのは、探した範囲では出てこなかった、というところまでです。
規制の向き:米国のセクター議論と、増える伝統資産市場
向きは 2 つあります。1 つは perp という商品そのものの扱いで、米国では 2025 年から 2026 年にかけて、CFTC が perp を先物として扱う動きを重ね、指定取引所でのビットコイン perp 上場も承認されました。2026-06 には SEC と CFTC がデリバティブの管轄と定義について共同で意見募集を行い、2026-07 には CME が CFTC を提訴しています。境界線が動いている最中です。
もう 1 つは GMX 側の品揃えです。2026-04 の商品市場、2026-06 の SPCX/USD と、伝統的な資産の規制に触れる面が広がっています。これらは合成の perp であって、トークン化された現物株ではありません。証券法上どう扱われるかについて、GMX は公式見解を出していません。2026-08-13 時点で、GMX を名指しした動きは出ていません。
2022年から更新されていないTermsと、現在の展開範囲のずれ
ここまで引用してきた利用規約と紹介プログラム規約は、どちらも最終更新が 2022-08-01 です。
この日付以降に増えたもの、たとえば MegaETH と Botanix への展開、Solana 上の別デプロイ、GMX アカウントの多チェーン化、GMX Labs の CEO 体制、そして 6 つの伝統資産市場は、この文書に反映されていません。
したがって、地域除外についての記述は「公表されているとおり現行のもの」ではありますが、現在の運用実態と一致している保証はありません。ここが、規約を根拠にした説明の限界です。
日本から使えるGMX:金融庁への登録はなく、国内の投資家保護も及ばない
日本からの利用状況と、利用者側に残る前提
画面は日本から普通に開きます。2026-08-13 に、東京の IP アドレスから、表示言語を ja-JP、タイムゾーンを Asia/Tokyo に設定したブラウザで app.gmx.io を読み込んだところ、BTC/USD の市場、気配値、注文フォーム、「Connect wallet」まで取引画面が全部表示されました。地域制限のモーダルも、中間ページも、HTTP 403 や 451 の応答もありません。ただし確認したのはページの読み込みと描画までです。ウォレットの接続も発注も行っていないため、その段階で制限が掛かるかどうかは検証できていませんし、データセンターの IP と家庭回線とで扱いが違う可能性も残ります。
規約の側から見ても、除外されているのは米国居住者と制裁対象地域で、日本はどちらにも入っていません。公開されている公式フロントエンドのコードにも、国別にアクセスを止める実装は見つかりませんでした。
登録の状況はこうです。GMX は金融庁の暗号資産交換業者登録一覧にありません(2026-06-30 現在の登録簿に記載なし)。DEX としては想定どおりの状態です。そのうえで、金融庁が公表している無登録業者の警告リスト 2 種、すなわち海外の無登録暗号資産交換業者の一覧と、無登録で金融商品取引業を行う者の一覧(後者は 2026-07-22 更新)にも、GMX の名前はありません。日本の当局が GMX を名指しした記録は、登録簿にも警告リストにも 1 件も存在しません。日本から見ると、この「名指しゼロ」が固有の状態です。
利用者側の位置づけを見る前に、この 6 年で日本の制度がどう動いてきたかを並べておきます。
日本の登録義務は、業として行う者に向いています。直近で罰則が重くなったのも同じ方向で、向く先は事業者です。居住者が海外の DEX を使うこと自体を禁じる規定は、確認した一次資料の範囲では見当たりませんでした。これは合法だと保証する意味ではありませんし、法的な助言でもありません。日本法の保護を受けられず、トラブルが起きたときの救済が難しいことは、金融庁の資料自身が脚注で認めています。
金融庁が DEX をどう見ているかは、2025-12-10 の金融審議会ワーキング・グループ報告書に出ています。報告書は、DEX に明確な定義が無いことを認めたうえで、現時点で明確な規制手法は確立していないとしています。当面の措置は、DEX や国内で無登録の業者での取引には想定外の損失リスクがあると利用者に周知することです。UI を提供する事業者に接続先プロトコルの説明義務や本人確認を課す案も検討されていますが、まずは実態把握を深める段階だとされています。海外の業者が勧誘なしに日本居住者の注文を受けること自体は金商法上すでに認められており、暗号資産にも同様のルールを整備する方向が示されました。念のため書いておくと、GMX はこの報告書のどこにも登場しません。ここに書いたのはすべて一般論です。
利用者側の行為に届きうるものも 1 つあります。新設される暗号資産のインサイダー取引規制は、取引の場を問わず、DEX での取引や利用者間の直接取引も対象に含める設計で提言され、2026 年の改正法に入りました。暗号資産部分の施行日は未定です。事業者ではなく利用者の行為に向いた数少ない規定なので、頭に入れておく価値があります。
レバレッジの前提も外れます。国内の登録業者に課される 2 倍の上限は、内閣府令第 52 号 117 条が証拠金を取引金額の 50% と定めていることに基づきます。ただしこれは登録業者に対する行為規制であって、無登録の GMX には適用されません。GMX 側の公式表記は “up to 100x” で、市場ごとの上限は最大100倍です(伝統資産の市場は銘柄と時間帯で別)。問題は倍率の高さそのものではなく、国内規制が前提にしている保護の枠組みが外れることです。
税は現行制度では雑所得の総合課税です。国税庁の FAQ は、暗号資産の証拠金取引による所得が申告分離課税の対象外であることを明示しています(項目 2-12)。雑所得として計算した損失を、給与などほかの所得と損益通算することもできません(項目 2-11)。総合課税なので、利益はほかの所得に積み上がる形で累進税率がかかります。
GMX 固有の事情も重なります。登録業者が交付する年間取引報告書は、GMX からは出てきません。KYC も口座も存在せず、規約 1.2.8 条も納税は利用者の責任だと書いています。記録は自分で残すしかありません。
2026 年度改正で導入される 20% の申告分離課税が GMX のポジションに及ぶかどうかは、一次資料からは確定できませんでした。及ぶとも及ばないとも書けません。書けるのは、現行の扱いと、改正が施行日未定のまま進行中であるところまでです。
まとめると、日本から使えます。使えますが、登録も国内の保護も無いところに、自分で入っていく状態です。
保険基金を持たないGMXの清算・ADLと、2022年・2025年の攻撃事例
相手はGMプール:保険基金がなく、ADLで利益の出た建玉が閉じられる
GMX で取引するとき、向こう側にいるのは別のトレーダーではなく GM プールそのものです。プールは市場ごとの流動性の器で、トレーダーが利益を出せばその分プールの価値が減ります。GMX 自身、流動性を出す側に向けた説明のなかで、この相手方リスク(counterparty risk)をはっきり書いています。
そして GMX には保険基金がありません。清算と ADL の資料にも、流動性提供の資料にも、損失を吸収する別枠の資金についての記述は存在しません。CEX の perp なら運営側が積んでいる緩衝材が、ここには無いということです。
代わりに置かれているのが Auto-Deleveraging(ADL)という仕組みです。トレーダー側の含み益がプールの価値に対して市場ごとの閾値を超えると、利益が出ているポジションが部分的に、あるいは全部、強制的に閉じられます。プールの支払能力を戻すための処理で、参照する指数と担保のトークンが違う合成市場ほど起きやすくなります。
清算の閾値:小さい建玉ほど、レバレッジ倍率から想像するより早く清算される
清算は、含み損と発生済みの手数料、それに上限まで含めた不利な価格インパクトを差し引いた残りの担保が、市場ごとの最低担保水準を割ったときに実行されます。この水準は建玉の 0.25% から 1% の範囲で市場ごとに設定されており、倍率に直すと 400 倍から 100 倍に相当します。
ここに、もう 1 つの条件が重なります。絶対額の下限も別に定められていて、実際に効く閾値は両者のうち大きいほうです。結果として、建玉が小さいほど、レバレッジ倍率から想像するよりも入口に近いところで清算されます。少額で試そうとする人ほど、この影響を受けます。
清算されるときには手数料もかかります。標準的な市場で建玉の 0.20%、単一トークンの市場と合成市場で 0.30%、ボラティリティの高い新規上場市場では 0.45% です。この手数料は清算されるかどうかの判定には含まれず、決済のときに差し引かれます。
評価に使う価格にも癖があります。ロングは参照指数の最小価格で、ショートは最大価格で評価され、担保のほうは常に最小価格で見られます。なお、清算に踏み切る前に keeper は、設定されているストップロス注文を大きい順に、続いて指値の増し玉注文を執行しようと試みます。損失と手数料を引いて残った担保はウォレットに戻ります。
セッションの切り替わり:価格が動かなくても清算価格が近づく
商品系の伝統資産市場では、清算の係数が on-hours の 0.5% から off-hours の 0.8% に切り替わります。倍率に直すと 200 倍相当から 125 倍相当への変更です。
帰結は直感に反します。価格が 1 ミリも動いていなくても、セッションが切り替わった瞬間に清算価格が自分のポジションへ近づくことがある、ということです。NATGAS/USD だけは両方のセッションで 1% に据え置かれています。
レバレッジの上限も off-hours には下がります。商品市場では、off-hours の上限を超える建玉を積み増すことができなくなり、減らす方向の操作だけが残ります。
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2025年のV1攻撃と2022年の価格操作:監査を通していても起きた
2025-07-09、GMX V1 の GLP プールが攻撃を受け、被害規模は USD 42,000,000 と記録されています。返還交渉のあとも、およそ USD 5m が攻撃者の手元に残りました。
手口は、Arbitrum 上の V1 で GLP の価格計算の経路にあった再入可能性(re-entrancy)を突くもので、担保の裏付けがないまま GLP を発行させることに成功しています。GMX は V1 の取引と GLP の発行・償還を止め、10% のホワイトハット報酬を提示しました。攻撃者はこれに応じ、2025-07-11 から返還が始まって、報道によれば USD 37.5m から 40.5m が戻っています。被害額も返還額も報道によって幅があるのは、送金時点の資産価格と、報酬分を差し引くかどうかで数字が変わるためです。
現行の V2、つまり GM と GLV の設計は、この攻撃の影響を受けていません。とはいえ「V1 は別物だから関係ない」で終わらせるのは早計です。V1 も監査を通したコードベースでした。監査を受けているという事実は、この規模の事故が起きないことを意味しません。
もう 1 件は 2022-09-18、Avalanche の AVAX/USD 市場で起きた価格操作です。被害は USD 565,000 でした。これはバグではなく、オラクル価格をそのまま使い、価格インパクトを取らないという当時の設計を経済的に突いたものでした。大きな AVAX のポジションを回しながら外部の取引所で現物価格を動かす手順が、5 回ほど繰り返されています。損失は GLP に流動性を出していた側が負担し、補償は行われませんでした。現行 V2 の価格インパクトの上限と建玉の上限は、この種の攻撃への構造的な回答という位置づけです。
監査の射程についても書いておきます。現行の V2(GMX Synthetics)は Guardian を中心に複数社が継続的に監査しており、2022-10 以降の 8 件の関与で 365 件の指摘が処理されました。一方、2025 年に破られた V1 は別に監査された旧コードベースで、その監査は攻撃を防げませんでした。
差し替え可能なコントラクト:権限の仕組みはあるが、遅延時間も署名者も公表されていない
GMX のコントラクトは差し替えができます。ロジックを担う部分は状態を持たない設計になっていて、新しい版をデプロイし、権限管理の仕組みでロールを与えれば入れ替わります。資金を保持する部分とデータの保管場所はそのまま残るので、資金の移転は要りません。この 2 つはデプロイ後に変更できない設計です。
権限はロールベースで管理され、パラメータの変更はタイムロックを通ります。ただし、その遅延時間が何時間なのかは公表されていません。マルチシグについても、署名者の集合、必要な署名数、アドレスのいずれも公式資料に出てきません。仕組みは説明されているのに、実効性を測るための数値が見えない、という状態です。
依存点も 2 つあります。執行は許可制の keeper(価格用、注文用、凍結注文用)に依存し、価格は Chainlink Data Streams を主として使うオラクルに依存します。どちらかが止まれば注文は執行されません。非難として書いているのではなく、どこに寄りかかっている設計なのかという話です。
運営の裁量と責任上限1,000 SGD:名前のない運営と、端末に置かれる署名鍵
フロントエンドの運営者は、規約のなかでアクセスを停止したり変更したりする裁量を留保しています。準拠法はバハマ法、紛争はマドリードの CIMA における仲裁、そして責任の上限は 1,000 SGD です。前の章では構造の説明として引用しましたが、利用者の側から読み直すと、フロントエンドで何かが起きたときに請求できる上限がこの金額だ、ということになります。
運営の主体は通称のままです。GMX Labs の CEO は「Q」で、その前に運営を担っていた暫定委員会のメンバーも X、Coin、B、Kal と呼ばれています。法人名も設立国も公式資料には出てきません。二次メディアで実名として流れているものは公式に裏付けが取れないため、この記事には書きません。
最後に、便利さと引き換えになる部分を 1 つ。One-Click Trading は、署名のためのサブアカウント鍵を利用者の端末にローカル保存する仕組みです。取引ごとの承認が消える代わりに、その端末に置かれた鍵が守るべき対象になります。
紹介コードは検証時点で有効、適用できるのは最初の接続の一度きり
chainhelm の GMX 紹介コードは、2026-08-13 に実際の画面で適用されることを確認済みです。使うと取引手数料5%オフが適用されます。適用できるのは、そのウォレットが最初の取引を出す前の一度きりで、付け忘れたまま取引を始めてしまった場合、同じウォレットに後からコードを紐づける方法はありません。
そして、最初から対象外の読者がいます。GMX の利用規約は米国居住者を除外しており、この記事の内容はその方々には当てはまりません。