— 目次 11 項目
- 01 Arcus 紹介コード「CHAINHELM」は今も使えるか?
- 02 Arcus 紹介コード「CHAINHELM」の特典
- 03 Arcus 紹介コードでの登録手順(ウォレット接続)
- 04 Arcus 接続後にすべきこと
- 05 Arcus 紹介コードは登録後に追加できない
- 06 Arcus を運営する 2 社と、ベータ稼働 6 週間の中身
- 07 24 時間出来高で 26 位、perp 47 銘柄のうち 38 が株式・指数・商品
- 08 米国・カナダ・英国を除外する規約と、どの当局にも登録がない現在地
- 09 日本からは制限なしで接続でき、金融庁の登録はない
- 10 ベータ段階の暫定値と、公開されていない清算・オラクルの設計
- 11 適用は最初の接続の一度きり、perp の開始は待機リスト次第
chainhelm 専用の Arcus 紹介コードは です。
2026-08-14 時点で、新規ウォレットで実際に接続し、紹介コードが適用されることを確認済みです。
本コードを使ってウォレットを接続すると、取引手数料5%オフが適用されます。コードが有効になるのは、最初の接続の一度きりです。
本記事では、Arcus 紹介コードを使った登録手順(ウォレット接続)を chainhelm 編集チームが実際に検証したうえで、Arcus の特徴、日本での利用可否、リスクもあわせて解説します。
Arcus 紹介コード「CHAINHELM」は今も使えるか?
chainhelm 編集チームが 2026-08-14 に新規ウォレットで Arcus に接続し、紹介コード「CHAINHELM」が今も使えることを確認しました。
こちらの画像は、検証時に撮影した実際の画面です。
画面に「Referred By @CHAINHELM」と表示されており、紹介コード CHAINHELM が正しく適用されたことが確認できます。
chainhelm では、コードが引き続き利用できるかを継続的に検証しております。
紹介リンクから開いた受け取り画面では、コードの入力欄に CHAINHELM が最初から入っています。検証に使ったリンクをもう一度開くと、画面は「Referral Already Claimed」に切り替わりました。コードが今も生きていることは、この画面からも読み取れます。
Arcus 紹介コード「CHAINHELM」の特典
Arcus で受けられる特典は以下のとおりです。いずれも本コードを使って接続した場合に適用されます。
特典が付くのは、本コードを使って接続した場合だけです。コードなしで接続してしまうと、あとから特典だけを受け取ることはできません。
Arcus 紹介コードでの登録手順(ウォレット接続)
PC・ブラウザで接続する場合と、スマホ(モバイル)で接続する場合に分けて解説します。
PC・ブラウザでの接続手順
- まずは、Arcus 公式ページ を開いてください(紹介コードが適用されたリンクです)。開くと、以下のような画面になります。
2. 紹介コードの受け取り画面を開く
「Claim Referral Code」の画面には受け取りまでの 4 つの手順が並んでいるので、まず先頭の「Sign in to get started」にある「Connect Wallet」をクリックし、ログイン方法の選択に進みます。「Redeem Referral Code」のコード欄には「CHAINHELM」が最初から入っているため、コードを手で入力する必要はありません。
3. ログイン方法を選ぶ
「Log in or sign up」のウィンドウが開いたら、一覧の先頭に出ているブラウザ拡張のウォレット、ここでは「Rabby Wallet」をクリックして、ウォレット側の確認に進みます。一覧にないウォレットを使うときは「Continue with a wallet」、ウォレットを持っていないときは「Google」からも始められます。
4. 署名してウォレットを認証する
ウォレットの通知ウィンドウに「Verify Address」の確認が出たら、「Sign Text」に並ぶログイン用の文面を読んでから「Sign」をクリックします。この署名はウォレットの持ち主であることを示すためのもので、取引の送信も手数料の負担も発生しません。
5. 署名を確定する
ボタンが「Confirm」に変わるので、そのままクリックして署名を確定します。確定するとウォレットの接続が終わり、受け取り画面に戻ります。
6. 取引の有効化を始める
先頭の手順にウォレットアドレスの短縮表示が出れば接続は完了なので、次の「Enable Trading」をクリックして確認のウィンドウを開きます。「Redeem Referral Code」の「Redeem」はまだ押せないままで、コードの適用は有効化のあとになります。
7. 規約に同意する
「Enable Trading」のウィンドウで、「Terms of Use」と「Privacy Policy」への同意のチェックボックスをクリックしてチェックを入れます。紹介コードの適用には署名付きのリクエストが必要なため先に取引を有効にする、と案内されており、チェックを入れるまで「Enable」は押せません。
8. 取引を有効にする
チェックを入れると「Enable」が押せるようになるので、そのままクリックして有効化を進めます。クリックすると、ウォレット側に署名の要求が届きます。
9. 取引用の署名をする
ウォレットの通知ウィンドウに署名の要求が届いたら、「Sign Text」の内容を読んでから「Sign」をクリックします。ここで署名するのは取引の接続に使う設定で、文面には有効期限も含まれています。
10. 署名を確定して有効化を終える
ボタンが「Confirm」に変わったらクリックして、取引用の署名を確定します。確定すると受け取り画面に戻り、紹介コードの適用に進めます。
11. 紹介コードを適用する
手順の表示が「Trading Enabled」に変われば有効化は完了なので、「Redeem Referral Code」の欄に「CHAINHELM」が入っていることを確かめて「Redeem」をクリックします。コードは紹介リンクから自動で入っているため、書き換える必要はありません。
12. 適用の完了を確認する
「Redeem」をクリックすると画面の上部に「Referral code applied」の通知が出て、手順の表示が「Referred By @CHAINHELM」に変わります。この表示で紹介元が確認できれば、登録の手順は完了です。
スマートフォン(iOS / Android)での接続手順
- まずは、Arcus 公式ページ をモバイルのブラウザまたはウォレットアプリ内ブラウザで開いてください(紹介コードが適用されたリンクです)。開くと、以下のような画面になります。
2. 紹介コードの受け取り画面を開く
「Claim Referral Code」の画面には受け取りまでの 4 つの手順が縦に並ぶので、先頭の「Sign in to get started」にある「Connect Wallet」をタップし、ログイン方法の選択に進みます。「Redeem Referral Code」のコード欄には「CHAINHELM」が最初から入っているため、自分で入力する必要はありません。
3. ログイン方法を選ぶ
「Log in or sign up」のシートが開いたら、一覧の先頭に出ている手持ちのウォレット、ここでは「Rabby Wallet」をタップして、ウォレットアプリでの確認に進みます。ほかのウォレットを使うときは「Continue with a wallet」、ウォレットを持っていないときは「Google」からも始められます。
4. 署名してウォレットを認証する
ウォレットアプリに切り替わって「Verify Address」の確認が出たら、「Sign Text」に並ぶログイン用の文面を読んでから「Sign」をタップします。この署名はウォレットの持ち主であることを示すためのもので、取引の送信も手数料の負担も発生しません。
5. 署名を確定する
ボタンが「Confirm」に変わるので、そのままタップして署名を確定します。確定するとウォレットの接続が終わり、受け取り画面に戻ります。
6. 取引の有効化を始める
先頭の手順にウォレットアドレスの短縮表示が出れば接続は完了なので、次の「Enable Trading」をタップして確認のシートを開きます。「Redeem Referral Code」の「Redeem」はまだ押せないままで、コードの適用は有効化のあとになります。
7. 規約に同意する
「Enable Trading」のシートで、「Terms of Use」と「Privacy Policy」への同意のチェックボックスをタップしてチェックを入れます。紹介コードの適用には署名付きのリクエストが必要なため先に取引を有効にする、と案内されており、チェックを入れるまで「Enable」は押せません。
8. 取引を有効にする
チェックを入れると「Enable」が押せるようになるので、そのままタップして有効化を進めます。タップすると、ウォレット側に署名の要求が届きます。
9. 取引用の署名をする
ウォレットアプリに署名の要求が届いたら、「Sign Text」の内容を読んでから「Sign」をタップします。ここで署名するのは取引の接続に使う設定で、文面には有効期限も含まれています。
10. 署名を確定して有効化を終える
ボタンが「Confirm」に変わったらタップして、取引用の署名を確定します。確定すると受け取り画面に戻り、紹介コードの適用に進めます。
11. 紹介コードを適用する
手順の表示が「Trading Enabled」に変われば有効化は完了なので、「Redeem Referral Code」の欄に「CHAINHELM」が入っていることを確かめて「Redeem」をタップします。コードは紹介リンクから自動で入っているため、書き換える必要はありません。
12. 適用の完了を確認する
「Redeem」をタップすると画面が「Referral Already Claimed」に切り替わり、「Referred By」に「@CHAINHELM」が表示されます。この表示で紹介元が確認できれば、登録の手順は完了です。
Arcus 接続後にすべきこと
PC・ブラウザで入金する場合と、スマホ(モバイル)で入金する場合に分けて解説します。
PC・ブラウザでの入金手順
取引を始めるには入金が必要なので、右上の「Deposit」をクリックして「Deposit USDG Spot」を開きます。「Use Crypto」ではウォレットから送る「Transfer Crypto」と、ほかの取引所から移す「Connect Exchange」を選べ、現金で入金する場合は「Use Cash」に切り替えます。
スマートフォン(iOS / Android)での入金手順
取引を始めるには入金が必要なので、「Deposit USDG Spot」のシートを開きます。「Use Crypto」ではウォレットから送る「Transfer Crypto」と、ほかの取引所から移す「Connect Exchange」を選べ、現金で入金する場合は「Use Cash」に切り替えます。
入金の画面に並ぶ 3 つの選択肢は、資金がどこから来るのかがそれぞれ違います。
Transfer Crypto
Connect Exchange
Use Cash
どの経路から入れても、口座に載る残高は USDG に統一されます。USDG 以外で入れた資産は、到着した時点で swap と bridge を通って USDG に変わります。これは 2026-07-29 に発表された Fun との連携による経路で、Arcus 自身は bridge を運営していません。
費用の所在も分けて見ておきます。Arcus 側の入出金手数料はゼロで、USDG の入出金は無料です。実際に発生するのは、カードなどの決済手数料と、USDG 以外を入れたときの swap と bridge のコストです。出金には最低額が設定されていますが、その金額は公表されていません。
取引を始めるための最低ロットは、1 注文あたり 5 USD です。入金額の最低ラインのほうは公表されていないので、いくらから始められるかは書かれていない、というのが現状です。
入金の手段は暗号資産の送金、ほかの取引所からの移動、現金のいずれからも選べるので、手元の資産に合った方法で入金すれば、そのまま取引を始められます。
Arcus 紹介コードは登録後に追加できない
紹介コードが適用できるのは、最初のウォレット接続の一度きりです。
適用せずに接続を終えてしまうと、同じウォレットに後から紹介コードを紐づける方法はありません。適用したい場合は、新しいウォレットで接続し直すことになります。
適用はウォレット単位で確定します。アカウントではなく、接続したウォレットのアドレスに紐づくと考えてください。紹介リンクから開いた場合、コードの入力欄は最初から埋まっています。ただし、適用が確定するのは「Enable Trading」の署名を終えてから「Redeem」を押したときです。途中で画面を閉じると、コードは適用されないままになります。
適用できたかどうかは、自分の目で確かめられます。適用の直後なら、画面の上部に出る「Referral code applied」の通知と、「Claim Referral Code」の手順に出る「Referred By @CHAINHELM」の表示です。時間が経ってからなら、紹介リンクをもう一度開きます。「Referral Already Claimed」のページに、Referred By・Referrer Address・Fee Discount の 3 項目が出ます。
先に接続まで済ませておきたい場合は、以下のリンクから「Claim Referral Code」の画面を開けます。
◆ ◇ ◆
Arcus を運営する 2 社と、ベータ稼働 6 週間の中身
ここからは、コードを適用したあとに向き合うことになる取引所そのものを見ていきます。Arcus は 2026 年 6 月末に公表されたばかりで、spot も perp もまだベータ段階です。誰が運営し、今日何ができて、取引のたびに何を払うのか。順に確かめます。
運営は Cayman と Delaware の 2 社、開発は dYdX のチーム
契約の相手は 1 社ではありません。protocol 側と、実際に触れる画面の側とで、会社が分かれています。
- Arcus Labs Ltd(Cayman Islands)
- protocol の運営者です。Protocol Terms of Use を出しており、サイトの著作権表示もこの会社の名前になっています。ケイマン諸島の免税会社(exempted company)です。
- Pocket Protector Labs Inc.(Delaware)
- app.arcus.xyz の interface、つまり画面側の運営者です。Interface Terms of Use を出しており、protocol 側とは別の会社だと規約に明記されています。デラウェア州法に基づく法人です。
開発を担っているのは dYdX Labs です。公式ドキュメントの表現は「built by dYdX Labs in partnership with Robinhood Crypto」です。dYdX Labs が買収した Pocket Protector のチームが中核にいます。CEO 兼創業者は Eddie Zhang、dYdX の創業者である Antonio Juliano が取締役会に加わり、戦略と長期のビジョンを担うと表明しています。
Robinhood Crypto の立ち位置は 2 つです。出資額は非開示の戦略投資家であり、決済に使うチェーンの運営者でもあります。Arcus の protocol や interface を運営しているわけではありません。
第三者の解説では「dYdX が Arcus になった」という言い方も見かけますが、これは公式の表現より踏み込んでいます。Arcus は後継のプロダクトであり、dYdX Chain は別に稼働し続ける、というのが公式の整理です。
spot は開放、perp は待機リスト、どちらもベータ
公表から今日までの流れは短く、まだ 6 週間ほどしか経っていません。
入口の条件は spot と perp で違います。上の図のとおり待機リストを通る必要があるのは perp だけなので、紹介コードを適用しても、その日のうちに perp を触れるとは限りません。
ベータではない本番の開始時期は「later in 2026」とされたままで、まだ始まっていません。
利用者数の公式な開示はありません。最も近い公開数字は、The Block が 2026-07-21 に報じた perp ベータ待機リストの登録 75,000 件超です。これは二次情報であり、しかも登録者の数であって、実際に取引している人の数ではありません。
市場の数は、perp が 47 銘柄(調査時点で稼働中 37・停止中 10)、spot が 222 銘柄です。板の中身が何に偏っているかは、次の章で見ます。
約定は場外、資金はチェーン上、本人確認はなし
取引の中身に入る前に、板と資金がどこにあるのかを押さえておきます。
決済に使うチェーンは Robinhood Chain です。Arbitrum のスタックで作られた EVM 互換の Layer 2 で、チェーン ID は 4663、ガスの支払いには ETH を使います。Layer 2 なので、最終的には Ethereum の mainnet に決済されます。
取引所そのものは 3 つの層に分かれています。
- 場外のマッチングエンジン
- 注文の順序を決めるシーケンサーと、注文を突き合わせるエンジンです。公式ドキュメントは毎秒 10 万件を超える注文をさばき、約定の確認までおよそ 20 ミリ秒だと記載しています。
- appchain の validator 群
- 取引所の状態を独立に再現し、署名・証拠金の要件・約定の妥当性を検証したうえで、チェーンに記録する状態のコミットメントに投票します。参加は許可制です。
- EVM rootchain のコントラクト
- validator のコミットメントを記録する Checkpoint Manager と、資金を保管して最終決済と出金を実行する Bridge Vault が置かれています。
要約すると、板は場外にあり、資金はチェーン上にあります。
板の型は perp と spot で違います。perp は中央指値注文板(CLOB)で、突き合わせは場外、決済は自己管理(self-custody)のままチェーン上で行われます。spot は場外のマーケットメイカーに相見積もりを取る RFQ 方式で、AMM ではありません。
口座を持つための本人確認(KYC)はありません。規約にも本人確認の義務は書かれておらず、代わりに IP による地域の判定と、制裁対象アドレスのスクリーニング、それに 18 歳以上であることなどの自己表明で処理されます。サインインの経路は 2 つあり、手持ちのウォレットを接続するか、Privy を使ってメールや Apple のアカウントから自己管理ウォレットを作るかを選べます。
手数料は 7 段階、ただし現行値はベータ中の暫定設定
継続して取引するなら、ここが効いてきます。perp の入口の料率は次のとおりです。
ティアは直近 30 日の出来高だけで決まり、Base・Bronze・Silver・Gold・Platinum・VIP・Max の 7 段階です。最上位まで上がると taker は 0.0095% になり、VIP 以上では maker がリベート(-0.002% と -0.003%)に転じます。
この料率は恒久的なものではありません。tier 0 から 4 の maker ゼロも、taker の半額も、Arcus 自身がベータ期間中の販促だと明言しており、事前に通知したうえで元に戻すとしています。公式の手数料ページは数値そのものを載せず、API から読み取るよう案内しています。恒久的な料率表は、今のところ存在しません。
funding は 1 時間ごとに発生します。暗号資産の銘柄は base rate が 8 時間あたり 0.01% で、年率にしておよそ 10.95% です。株式や商品といった現実資産の銘柄は、base rate が年率で SOFR に 0.5% を足した水準になります。原資産の市場が閉じている間、現実資産の funding は base rate に固定されます。暗号資産の銘柄と現実資産の銘柄では、コストの決まり方そのものが違うと考えてください。
取引ごとのガス代の負担はありません。突き合わせが場外で行われ、チェーンに触れるのは決済だけだからです。USDG の入出金も Arcus 側は無料です。ただし、利用者が負う残りのオンチェーン決済コストについて、公式は数字を出していません。
トークンを持つと手数料が安くなる、という軸はありません。ティアを動かすのは 30 日の出来高だけで、ステーキングや保有量による割引はありません。そもそもトークン自体が発行されていません。
24 時間出来高で 26 位、perp 47 銘柄のうち 38 が株式・指数・商品
出来高・建玉・手数料収益で見た立ち位置
規模を見るときは、どの集計を見ているのかまで含めて確認する必要があります。Arcus の 24 時間の perp 出来高には基準が 2 つあり、どちらか一方が正しいとは言えません。
出来高の 2 つの数字の差は、およそ 8% です。DeFi Llama が出すのは自前のアダプタが日次で集計した値、API 側は各市場が持つ 24 時間の取引代金を同じ瞬間に足し合わせた値です。集計の窓も方法も違うので、差が出ます。建玉の差はおよそ 7% で、こちらも観測時点のずれとして説明がつきます。
順位とシェアは DeFi Llama の集計から出た数字なので、その基準の中でだけ意味を持ちます。シェアの分母は、同じページに同時に表示されていた全 perp プロトコルの 24 時間出来高の合計です。
建玉には順位を付けられません。DeFi Llama は建玉で並べた順位を公表しておらず、順位を取得できる API も有料になったためです。推定の順位をこちらで作ることはしません。
手数料収益の数字は、取引のたびに払う料率とは別のものです。プロトコル側の取り分であって、注文ごとに引かれる手数料率の話ではありません。
最後に、これらの数字の弱さを挙げておきます。すべて 2026-08-14 時点の値で、この出来高帯では順位が短期間で動きます。DeFi Llama の手数料アダプタは 7 日間と全期間の合計が同額(68,564 USD)で、追跡を始めたのが調査日のおよそ 1 週間前だと分かります。累計の数字は、実際の活動量を過小に見せます。
板の重心が暗号資産ではなく株式にある設計
Arcus をほかの perp DEX と分けているのは、この点です。47 ある perp 銘柄の内訳を見ると、重心が暗号資産にありません。
上の図のとおり、現実資産が 38 銘柄を占めています。一般的な perp DEX は暗号資産が中心で、そこに株式や指数を少数だけ足す構成をとります。Arcus はその比率が反転しています。
同じ口座で spot も取引できます。222 銘柄ある spot は株式トークンが中心で、手数料はゼロです。約定は RFQ 方式で、決済は自己管理のウォレット間で行われます。合成のエクスポージャーだけを提供する形ではなく、現物側と perp 側が 1 つの口座に同居している点が、構成としての特徴です。
担保は USDG のみで、クロスマージンです。全ポジションが 1 つの残高を共有します。銘柄ごとに証拠金を切り離す isolated margin は予定とされていますが、まだ提供されていません。この設計が実際に何を意味するかは、リスクの章で改めて扱います。
原資産の取引所が閉まっている時間の扱いが決めてある
株式や指数の板は 24 時間動きますが、原資産の市場は夜も週末も閉まります。この時間帯の扱いを、Arcus は公式ドキュメントで具体的に決めています。閉場中は funding を base rate に固定し、当初証拠金を引き上げます。維持証拠金は据え置きです。参照できる外部の気配値がないため、mark price はインパクトミッドの 2.5 分 EWMA に切り替わり、価格帯(price band)で値幅を制限します。圧力が続いた場合にだけ、その幅を緩やかに広げます。
暗号資産だけを扱う perp DEX なら解く必要のない問題に、公開された規定で答えている点が特徴です。ただし規定があることは、損をしないことの保証ではありません。実際に何が起きるかは、リスクの章で扱います。
米国・カナダ・英国を除外する規約と、どの当局にも登録がない現在地
公表されている除外地域と、実際に効いている判定
自分の国がリストに載っているかどうかは、最初に確かめたくなるところです。規約が公表している除外の範囲は次のとおりです。
この定義は Protocol Terms(Arcus Labs Ltd、最終更新 2026-06-30)と Interface Terms(最終更新 2026-05-28)の双方に、同じ内容で置かれています。国別の長いリストは公表されていないので、上の範囲が公表されている全量です。
判定の実装は、静的な国のリストではありません。web アプリは公開されている compliance のエンドポイントを毎分呼び出し、国と地域のコード、perp と spot それぞれの制限フラグを受け取って画面の出し分けに使っています。perp と spot は独立に制限でき、アドレス単位のブロックも別に用意されています。IP をもとにした地域判定が実際に動いていることは、chainhelm が公開エンドポイントを直接呼び出して確認しています。
ここで食い違いが 1 つあります。Arcus の spot のヘルプページは、どちらの規約にも出てこないスイスを除外国として挙げています。ここから言えるのは、実際に効いている除外の範囲はサーバー側にあり、公表されたリストより広いことがある、ということです。公表リストに自分の国がないことは、完全な保証にはなりません。
したがって、国ごとの可否は「現時点で除外されていない」までが正確な言い方になります。次の章の日本の話も、この枠の中で読んでください。
規約が 2 本あり、準拠法も別になっている
protocol 側の Arcus Labs Ltd が出すのが Protocol Terms です。interface 側の Pocket Protector Labs Inc. は、Interface Terms と Privacy Policy を出しています。Interface Terms は Protocol Terms に加えて適用され、その準拠法は米国ニューヨーク州法とされています。利用者の側から見ると、同意する相手が 2 社あり、争いになったときに参照される法域も自分の国ではない、ということになります。規約が 2 本に分かれていても、利用の制限はどちらにもかかります。
どの当局の登録もなく、処分もまだ 1 件もない
調査日の時点で、Arcus はどの国のライセンスも持っていません。当局による処分や警告の記録もありません。Arcus 自身も、規制を受けた金融サービス提供者ではないと明言しています。
この空白の読み方には注意が必要です。稼働 6 週間の取引所なので、処分がないことは安全に運営してきた実績を意味しません。まだ何も起きていない、というだけです。
リスクの向きは、Arcus 固有というよりカテゴリ全体にあります。トークン化された株式の規制上の位置づけは定まっておらず、Arcus の免責事項自身が「uncertain or evolving regulatory treatment」という言い方でそれを認めています。米国・英国・カナダは、この分野で証券法の論点が最も進んでいる 3 か国です。その 3 か国を先回りで除外していること自体が、運営側のリスク認識の表れだと読めます。
報道の側では、Cointelegraph が制限の根拠について Arcus に問い合わせたものの、掲載の時点で回答は得られなかったと記しています。
株式トークンは株式そのものではなく、発行体への請求権
板の重心が株式にあると聞くと、株を持つことになるのかと考えたくなります。公式の免責事項は、そこを明確に切り分けています。
Arcus が定義する株式トークンは「tokenised securities」です。原資産の株式や上場商品(ETP)への経済的なエクスポージャーを与えますが、その中身は、発行体に対して現金での償還を求める契約上の請求権です。株券そのものを渡すとは書かれておらず、株主としての権利が付くとも書かれていません。
発行体は Bitstamp Global Ltd(BVI)で、Arcus は取引の場であって発行体ではない、と自ら位置づけています。保有する側が負う具体的な負担は、リスクの章で扱います。
日本からは制限なしで接続でき、金融庁の登録はない
日本からの接続は制限なしと判定されている
2026-08-14 に、日本の IP アドレスから Arcus の判定を直接確かめました。使ったのは、web アプリ自身が参照している公開の compliance エンドポイントです。
✓country は JP、perp と spot の制限フラグはいずれも false。perp の取引ページも HTTP 200 で表示この確認には限界もあります。データセンターの IP からの確認であって、家庭の回線からの確認ではありません。判定はサーバー側で毎分更新され、perp と spot は独立に制限できるので、この結果はあくまでその時点の観測です。
規約の側を見ると、Interface Terms に Japan の語は出てきません。日本は除外の対象として名指しされていません。ただし規約には、利用が適用法に違反する場合はその利用者も対象に含める、という包括条項があります。名指しされていないことは、Arcus が積極的に許可したという意味ではありません。現地法に照らした判断は、利用者の側に置かれています。
結論の言い方としては、「現時点で除外されていない」までが正確です。前の章で見たスイスの件のとおり、公表リストの外側でサーバー側の判定が働くことはあります。
もう 1 つ、国ごとの可否とは別の関門があります。perp は取引所全体で待機リスト制です。日本から使えることと、perp をすぐ取引できることは別だと考えてください。
金融庁の登録も、無登録業者としての警告もない
Arcus は日本で登録を受けていません。同時に、金融庁が公表している無登録の暗号資産交換業者の一覧にも、無登録の金融商品取引業者の一覧にも、Arcus の名前はありません。2026-08-14 に両方のリストを検索し、名前がないことを確認しました。登録もされていないが、警告もされていない、という中間の状態です。
載っていないことの読み方も決めておきます。リストに載っていないことは、当局が問題なしと判断したという意味ではありません。まだ何も判断されていない、というだけです。
制度が誰に向いているのかも確認しておきます。現行の資金決済法の枠組みでは、登録の義務は、日本の居住者に対して暗号資産交換業を行う事業者の側にかかります。居住者が DEX にアクセスすること自体を禁じる法律も、当局の見解も見当たりません。これは利用者側に禁止規定がないという話であって、個別の利用者にとって適法かどうかを判定するものではありません。
当局の現在の姿勢は、直近の 3 つの出来事に表れています。
報告書が向いている先は、利用者ではなく提供者の側です。
海外の無登録業者に当局が動く条件として報告書が挙げるのは、日本語のサイト等で日本の居住者に勧誘した場合です。Arcus のアプリは日本語のロケール(ja / 日本語 / ja-JP)を実装しています。一方、マーケティングサイトに日本語のページはなく、arcus.xyz/ja は 404 を返します。この 2 つは事実として並べるにとどめます。日本語の UI が勧誘に当たるかどうかについて、Arcus を名指しで判断した資料は見当たりません。
国内のルールのうち、読者側に残るもの
日本の制度のうち、利用者の側に残るものを 2 つだけ挙げておきます。
レバレッジについて、日本は個人向けの暗号資産デリバティブの証拠金倍率を 2 倍に制限しています。この上限は登録を受けた国内業者にかかる規制で、未登録の海外 protocol である Arcus が最大 50 倍と広告していることを縛るものではありません。これは規制の射程についての説明であって、高いレバレッジを使うことが適法だという意味でも、安全だという意味でもありません。
税については、国税庁の整理では暗号資産の損益は原則として雑所得にあたり、利用者の自己申告になります。Arcus が日本向けの税務書類を出すという記載は、どこにも見当たりません。2025-12-26 に閣議決定された令和 8 年度税制改正大綱には 20% の分離課税が盛り込まれていますが、これは金融商品取引業者の登録簿に記載された事業者への譲渡を条件とする案です。Arcus での取引は、その条件を満たしません。案の段階であることと、対象外であること。この 2 点だけを押さえておいてください。
ベータ段階の暫定値と、公開されていない清算・オラクルの設計
ベータ中の数字は、通知のうえ元に戻ると明言されている
今日の数字で判断した人が、来月には違う条件で取引している。その可能性が最も高いのがここです。
手数料は前に見たとおり、tier 0 から 4 の maker ゼロも taker の半額もベータ期間中の販促で、Arcus が事前通知のうえ元に戻すとしています。公式の手数料ドキュメントが数値を載せず API を読むよう指示している以上、恒久的な料率表は存在しません。
清算のパラメータも同じです。市場ごとのリスク設定として変更されうると公式が明記しており、今の設定はベータ中のものだという前提で見る必要があります。
広告されている最大レバレッジにも注意が必要です。最大 50 倍という数字が当てはまるのは、47 銘柄のうち 1 つだけです。
いちばん多いのは 10 倍です。50 倍が広く使えるかのようには読まないでください。
原資産の市場が閉じている間に効いてくる条件
板の大半が現実資産である以上、この条件は例外ではなく前提になります。
原資産の市場が閉じている間は、当初証拠金が引き上げられます。観測できた範囲では、当初証拠金の比率は通常時が 0.02 から 0.20、閉場中が 0.025 から 0.30 でした。維持証拠金は据え置かれるため、市場が閉じただけで清算されるわけではありません。ただし、新規に建てたり、積み増したりする余地は狭まります。
価格の側も変わります。参照できる外部の気配値がないため、mark price はインパクトミッドの 2.5 分 EWMA、つまり取引所内部の計算値になります。値幅は価格帯で制限され、圧力が続いた場合にだけ緩やかに広がります。
株式トークンを保有しても、手にするのは前の章で見たとおり発行体への現金償還の請求権です。公式が開示しているリスクは、償還が制限されること、流動性の制約、原資産との価格の乖離、秘密鍵の紛失、そして規制上の扱いが未確定であることです。
清算とオラクルは、公開されていない部分が残る
レバレッジを提供する取引所としては、開示の空白そのものがリスクになります。
保険基金・バックストップ・自動デレバレッジ・損失の社会化・清算執行者。この 5 つの語は、公式の清算ドキュメントに 1 つも出てきません。Arcus 公式 Docs / 2026-08-14 時点
清算手数料の数値も公表されておらず、部分清算と全部清算の別も書かれていません。存在しないと断定はできません。書かれていない、という状態です。公開されている損失抑制の仕組みは、閉場中の価格帯と、市場ごとの建玉上限(47 銘柄中 32 銘柄に設定)の 2 つだけです。
オラクルの提供元も、公式の文章で名指しされたことがありません。公開 API の全銘柄に pythId というフィールドと Pyth Lazer 形式の数値 ID があることから、Pyth が価格の供給元だと推測できます。ただしこれは API のフィールド名からの推測であって、Arcus の言明ではありません。Robinhood Chain 側がチェーン層で Chainlink を使っているという話は別のレイヤーなので、混同しないでください。
mark price はリスク計算のすべてを動かします。約定が場外で行われる構造とあわせて考えると、価格の供給元が公表されないままである点は、判断の材料に入れておくべきものです。
非中央集権の範囲は、設計上ここまで
権限が集中している箇所は、隠されてはいませんが実在します。appchain の validator は許可制で、参加は開かれていません。突き合わせと注文の順序付けは場外で行われます。チェーンの層でも、Robinhood Chain は初期段階として Robinhood が単独のシーケンサーを運用しています。
自己管理であることの根拠として公式が挙げるのは、validator が場外の取引所本体を牽制する構造と、取引所や validator が停止した場合の脱出口(escape hatch)です。ただしその脱出口自体が、validator によるデータ可用性の維持に依存します。条件付きの保証だと理解しておくのが正確です。
運用の非公開部分も残ります。validator の選定方法・運用者・入れ替えの手続きは、いずれも公表されていません。マルチシグの構成(署名者・閾値・アドレス)も、特権操作のタイムロックも同様です。どれも探したうえで見つからなかったものです。
ソースコードの公開範囲も部分的です。公開されているのは ABI とデプロイ済みアドレス、SDK、データ可用性の読み取りツールという 4 つのリポジトリまでで、監査の対象になった rootchain コントラクトのソースそのものは非公開です。ライセンスの表記もありません。バグバウンティの窓口もなく、公表されている連絡先は support のメールアドレスだけです。
監査は 2 本あります。OpenZeppelin のレポートは 2026-07-01 に公表されました。
もう 1 本は Trail of Bits によるレビューです。ただし範囲はどちらも rootchain のコントラクトで、場外のマッチングエンジンは対象外です。OpenZeppelin 自身も、システムの安全性は validator の誠実性に依存すると記しています。
稼働 6 週間の実績と、トークンをめぐる空白
最後に、運用の時間軸の短さと、まだ何も決まっていない部分を確認しておきます。
Arcus の運用履歴は 6 週間です。インシデントの記録も、過去の法的な問題も、当局の処分もありません。いずれも探したうえで見つかりませんでした。ただし、この空白は障害への耐性を証明するものではありません。
トークンは発行されていません。ポイント制度もありません。公式サイト・ドキュメント・ブログ・アプリの Rewards セクション・待機リストのサイトを確認したうえで、どこにも見当たりませんでした。唯一の公式な言及は、dYdX Labs による「将来 Arcus トークンが存在する場合、その一部を dYdX コミュニティに確保する」という条件付きの表明にとどまります。ティッカーも供給量も配布方法も基準日も時期も、どこにも公表されていません。
perp の待機リストの順位付けは、spot の出来高・ほかの取引所での perp 出来高・紹介の 3 つでアクセスの優先度が決まる仕組みで、ポイント制度ではありません。数値の重みは公表されていません。
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適用は最初の接続の一度きり、perp の開始は待機リスト次第
紹介コードの現況から確認します。chainhelm 編集チームが 2026-08-14 に新規ウォレットで実際に接続し、適用されることを確かめました。受け取れるのは取引手数料5%オフで、対象は新規ユーザーです。
適用のタイミングは、最初のウォレット接続の一度きりです。適用しないまま接続を終えると、同じウォレットに後から紐づける方法はありません。やり直すなら、新しいウォレットで接続することになります。
割引が効く対象も確認しておきます。現在の perp 手数料は maker が 0%、taker が 0.0225% で、いずれもベータ中の暫定設定です。Arcus は事前に通知したうえで元に戻すと明言しています。
もう 1 点あります。コードを適用しても、perp をすぐ取引できるとは限りません。perp は取引所全体で待機リスト制、spot は待機リストなしで使えます。ここまで確かめたうえで、接続するかどうかを決めてください。