— 目次 11 項目
  1. 01 Catapult Trade 紹介コード「4AL8G1IR」は今も使えるか?
  2. 02 Catapult Trade 紹介コードでの登録手順(ウォレット接続)
  3. 03 Catapult Trade 接続後にすべきこと
  4. 04 Catapult Trade 紹介コードは登録後に追加できない
  5. 05 Catapult Points は動いているが、$PULT への交換条件は公表されていない
  6. 06 運営はセントビンセント籍の LLC、取引対象は運営が生成する合成トークン
  7. 07 他社と比べる指標が公開されず、判断材料は運営発表と独自の市場設計だけ
  8. 08 除外しているのは米国と制裁対象地域だけで、免許はどこにも無い
  9. 09 日本からは接続できるが、金融庁の登録リストには載っていない
  10. 10 預けた資金の裏付けを確かめる手段が無く、取引の相手方は常に運営
  11. 11 最初の接続でコードを適用する、それが唯一の条件

chainhelm 専用の Catapult Trade 紹介コードは です。

2026-08-14 時点で、新規ウォレットで実際に接続し、紹介コードが適用されることを確認済みです。

紹介コードが有効になるのは、最初のウォレット接続の一度きりです。

本記事では、Catapult Trade 紹介コードを使った登録手順(ウォレット接続)を chainhelm 編集チームが実際に検証したうえで、Catapult Trade の特徴、日本での利用可否、リスクもあわせて解説します。

Catapult Trade 紹介コード「4AL8G1IR」は今も使えるか?

chainhelm 編集チームが 2026-08-14 に新規ウォレットで Catapult Trade に接続し、紹介コード「4AL8G1IR」が今も使えることを確認しました。

コードは紹介リンク https://catapult.trade/r/4AL8G1IR に含まれて運ばれます。リンクの形式は catapult.trade/r/{CODE} で、末尾のコードは refCode という URL パラメータとして引き渡されます。ウォレットを接続する前の登録画面には、この時点ですでに Referral code: 4AL8G1IR と表示されていました。検証した流れのなかに、コードを手で入力する場面はありません。

こちらの画像は、検証時に撮影した実際の画面です。

— 図 1
登録方法を選ぶ画面
2026-08-14
登録方法を選ぶ画面
「Welcome to Catapult」の登録画面に紹介コード 4AL8G1IR が入り、ウォレットのアイコンが並んでいます。 出典: chainhelm 編集チーム

chainhelm では、コードが引き続き利用できるかを継続的に検証しております。

Catapult Trade 紹介コードでの登録手順(ウォレット接続)

PC・ブラウザで接続する場合と、スマホ(モバイル)で接続する場合に分けて解説します。

PC・ブラウザでの接続手順

  1. まずは、Catapult Trade 公式ページ を開いてください(紹介コードが適用されたリンクです)。開くと、以下のような画面になります。

2. 紹介リンクからホーム画面を開く

— 図 2
未ログインのホーム画面
2026-08-14
未ログインのホーム画面
紹介リンクから開いた未ログインのホーム画面で、右上に「Log In / Sign Up」が置かれています。 出典: chainhelm 編集チーム

紹介リンクを開くと、まだログインしていない状態の Catapult のホーム画面が表示されるので、右上の「Log In / Sign Up」をクリックして登録用の画面を開きます。紹介コードはリンクに含まれたまま引き継がれるので、この画面で入力する必要はありません。

3. 接続するウォレットを選ぶ

— 図 3
登録方法を選ぶ画面
2026-08-14
登録方法を選ぶ画面
「Welcome to Catapult」の登録画面に紹介コード 4AL8G1IR が入り、ウォレットのアイコンが並んでいます。 出典: chainhelm 編集チーム

「Welcome to Catapult」の登録画面が開いたら、下段に並ぶウォレットのアイコンから接続に使うウォレットを選び、接続の画面に進みます。右側の「Referral code:」には 4AL8G1IR が入っており、リンクから引き継がれた紹介コードがこの時点で適用されていることを確認できます。

ウォレットを使わない場合は、「Email」タブの空欄にメールアドレスを入力して「Continue」を押すか、「Or use single sign-on」の下にある「Continue with Google」から始めることもできます。

4. ウォレットの系統を選ぶ

— 図 4
接続先ネットワークの選択
2026-08-14
接続先ネットワークの選択
「Connect wallet」のダイアログに「Ethereum and 21 more」と「Solana」の 2 つが並んでいます。 出典: chainhelm 編集チーム

「Connect wallet」のダイアログでは、EVM 系のウォレットをまとめた「Ethereum and 21 more」と「Solana」のどちらかをクリックして、接続するウォレットの系統を選びます。選ばなかったほうも後から接続できると案内されているので、普段使っているウォレットに合わせて選んで問題ありません。

5. ウォレット側の承認を待つ

— 図 5
ウォレット接続の待機中
2026-08-14
ウォレット接続の待機中
「Connect Wallet」の待機ダイアログで、選んだウォレットのアイコンの周りに読み込み表示が出ています。 出典: chainhelm 編集チーム

ウォレットを選ぶと「Connect Wallet」の待機表示に変わるので、この画面は開いたまま、ウォレットの承認ウィンドウが立ち上がるのを待ちます。選んだウォレットのアイコンの周りで読み込み表示が回っている間は接続の要求が進行中で、承認そのものはウォレット側で行うよう案内されています。

6. 接続先を確かめて承認する

— 図 6
ウォレットの接続承認
2026-08-14
ウォレットの接続承認
接続先として catapult.trade を示す承認画面で、下部に「Cancel」と「Connect」が並んでいます。 出典: chainhelm 編集チーム

ウォレットの承認ウィンドウが開いたら、接続先が catapult.trade であることと、接続に使うアカウントが意図したものであることを確かめて「Connect」を押し、続く署名の確認に進みます。承認すると選んだアカウントの残高と取引の状況をこのサイトから参照できるようになると書かれているので、見覚えのない接続先であれば「Cancel」で中止します。

7. メッセージに署名する

— 図 7
署名リクエストの確認
2026-08-14
署名リクエストの確認
「Sign Message」の画面に「Network」として「Solana」が示され、下部に「Confirm」が置かれています。 出典: chainhelm 編集チーム

続けて「Sign Message」の画面が開くので、「Network」が「Solana」になっていることと、要求元が catapult.trade であることを確かめて「Confirm」を押します。ここで署名するのはアカウントの所有を確認するためのメッセージだと書かれており、内容に不審な点があれば署名せずに「Cancel」で中止します。

スマートフォン(iOS / Android)での接続手順

  1. まずは、Catapult Trade 公式ページ をモバイルのブラウザまたはウォレットアプリ内ブラウザで開いてください(紹介コードが適用されたリンクです)。開くと、以下のような画面になります。

2. 紹介リンクからホーム画面を開く

— 図 2
モバイル版のホーム画面
2026-08-14
モバイル版のホーム画面
未ログインのホーム画面で、右上に「Log In / Sign Up」があり、下部にタブが並んでいます。 出典: chainhelm 編集チーム

スマートフォンで紹介リンクを開くと、まだログインしていない状態の Catapult のホーム画面が表示されるので、右上の「Log In / Sign Up」をタップして登録用の画面を開きます。紹介コードはリンクに含まれたまま引き継がれるので、この画面で入力する必要はありません。

3. 接続するウォレットを選ぶ

— 図 3
登録シートと紹介コード
2026-08-14
登録シートと紹介コード
モバイルの登録シートに紹介コード 4AL8G1IR が入り、下にウォレットのアイコンが並んでいます。 出典: chainhelm 編集チーム

画面下部から登録用のシートがせり上がったら、下のほうに並ぶウォレットのアイコンから接続に使うウォレットを選び、接続の画面に進みます。シート上部の「Referral code:」には 4AL8G1IR が入っており、リンクから引き継がれた紹介コードがこの時点で適用されていることを確認できます。

ウォレットを使わない場合は、「Email」タブの空欄にメールアドレスを入力して「Continue」をタップするか、「Or use single sign-on」の下にある「Continue with Google」から始めることもできます。

4. ウォレットの系統を選ぶ

— 図 4
接続先ネットワークの選択
2026-08-14
接続先ネットワークの選択
下部シートで開いた「Connect wallet」に「Ethereum and 21 more」と「Solana」が並んでいます。 出典: chainhelm 編集チーム

画面下部のシートが「Connect wallet」に変わったら、EVM 系のウォレットをまとめた「Ethereum and 21 more」と「Solana」のどちらかをタップして、接続するウォレットの系統を選びます。選ばなかったほうも後から接続できると案内されているので、いま手元のアプリで使えるほうを選べば十分です。

5. ウォレット側の承認を待つ

— 図 5
ウォレット接続の待機中
2026-08-14
ウォレット接続の待機中
下部シートが「Connect Wallet」の待機表示になり、アイコンの周りで読み込みが回っています。 出典: chainhelm 編集チーム

ウォレットを選ぶとシートが「Connect Wallet」の待機表示に変わるので、そのまま閉じずに、ウォレットアプリの承認画面に切り替わるのを待ちます。アイコンの周りで読み込み表示が回っている間は接続の要求が進行中で、承認そのものはウォレットアプリ側で行うよう案内されています。

6. 接続先を確かめて承認する

— 図 6
ウォレットの接続承認
2026-08-14
ウォレットの接続承認
ウォレット側の接続承認画面に接続先の catapult.trade と「Cancel」「Connect」が示されています。 出典: chainhelm 編集チーム

ウォレットアプリの承認画面に切り替わったら、接続先が catapult.trade であることと、接続に使うアカウントが意図したものであることを確かめて「Connect」をタップし、続く署名の確認に進みます。承認すると選んだアカウントの残高と取引の状況をこのサイトから参照できるようになると書かれているので、心当たりのない接続先であれば「Cancel」で中止します。

7. メッセージに署名する

— 図 7
署名リクエストの確認
2026-08-14
署名リクエストの確認
ウォレット側の署名画面で「Network」が「Solana」となり、下部に「Cancel」と「Confirm」が並んでいます。 出典: chainhelm 編集チーム

続けてウォレットアプリに「Sign Message」の要求が届くので、「Network」が「Solana」になっていることと、要求元が catapult.trade であることを確かめて「Confirm」をタップします。ここで署名するのはアカウントの所有を確認するためのメッセージだと書かれており、内容に不審な点があれば署名せずに「Cancel」で中止します。

Catapult Trade 接続後にすべきこと

入金の入り口はネットワークによって二手に分かれます。Ethereum・Arbitrum・HyperEVM は接続したウォレットからの直接入金に対応し、Base・BNB Chain・Solana などは第三者のブリッジである Relay を経由します。受け入れ資産は USDT・USDC・ETH・SOL の 4 種類で、プラットフォーム内の残高も API が返す金額も、すべて USDT 建てで表示されます。Tron/TRC-20 の USDT については 2026-04-14 に稼働の告知が出ていますが、公式ドキュメントの入出金ページには記載がありません。

最低入金額は 1 USD 相当とされています。ただし公式ドキュメントはこれを普遍的な値としてではなく、「Base の 1 USDC」という例示として書いています。ネットワークごとに異なる可能性があり、しきい値に届かない送金は口座に反映されません。

法定通貨からの入り口も動いています。カード・銀行送金・Google Pay・Apple Pay・Revolut と P2P による入金が 2026-06-20 に正式稼働し、アプリ内では Deposit から「Use Cash」に進みます。これらの決済を処理している事業者は、公式のどこにも明示されていません。

費用の面では、入出金手数料の一覧表が公開されていないため、実際に効いてくるのは 3 つです。送金元チェーンの gas、Relay 経由の場合のスリッページ(あらかじめ決められた上限が自動適用され、着地額は流動性の厚みしだいで変わります)、そして Relay の処理時間と送金元チェーンのファイナリティです。運営自身のブリッジは存在せず、チェーンをまたぐ移動は Relay に委ねられています。

入出金には、資金が戻らなくなる経路が 2 つ記録されています。ひとつは、Relay が発行する入金アドレスが 1 回限りである点です。同じアドレスへ 2 回目の送金を行うと、その資金は恒久的に失われると明記されています。もうひとつは出金先の指定です。取引所の入金アドレスへ直接出金するのは避けるよう案内されています。コントラクトから送られてきた入金を取引所側が反映しないのが通例だからです。

なお、取引そのものには gas がかかりません。埋め込みウォレットと仮想残高の仕組みによって、売買のたびに署名や手数料が発生しない設計になっています。オンチェーンの gas が効いてくるのは、入金と出金という境界の部分だけです。

ウォレットの接続が済んだら、ホーム画面の「Deposit with card」のバナーや「Buy crypto」から入金に進めます。

Catapult Trade 紹介コードは登録後に追加できない

紹介コードが適用できるのは、最初のウォレット接続の一度きりです。

適用せずに接続を終えてしまうと、同じウォレットに後から紹介コードを紐づける方法はありません。適用したい場合は、新しいウォレットで接続し直すことになります。

つまり、コードが入っているかどうかを目で確かめられるのは、ウォレットの承認に進む前の登録画面だけということになります。ここを通り過ぎてしまうと後から取り返す手段がないので、承認ボタンを押す前に画面上のコード表示を一度見ておくのが、この記事の手順のなかで唯一の分岐点です。

◆ ◇ ◆

Catapult Points は動いているが、$PULT への交換条件は公表されていない

ここから先は、登録の前に知っておきたい Catapult Trade そのものの話です。まずはポイント制度から見ていきます。制度そのものは実際に動いていますが、貯めたポイントがトークンに変わる条件はまだ公表されていません。

ポイントは取引量とトークン作成で貯まる

Catapult Points は 2026-01-06 に稼働し、それ以前の score 制度を 1 対 1 で引き継いでいます。ポイントが付くのは、取引量 1 USD ごと、トークンの作成、そして mindshare と呼ばれる SNS 投稿の 3 つです。Boost されたトークンで取引した場合は、その期間中に最大 7 倍のポイントが付きます。

シーズン制ではなく、2 つのリーダーボードが並行して動く

名前のついたシーズンはありません。一般の活動に対する報酬は日次で配布され、Mindshare Mining は週次のリーダーボードで集計されます。報酬のプールと配分の重みは別々に用意されており、SNS 投稿の報酬が一般プールを削らないようになっています。はっきりしたシーズン制があったのは別枠の Creator Program で、Season 1 は 2026-07-08 に終了し、Season 2 は日付が示されないまま告知されている状態です。

$PULT は未発行で、ポイントとの交換条件は公表されていない

2026-08-15 時点で、$PULT はまだ発行されていません。上場時期についても、具体的な日程は示されていません。ポイントとトークンの関係について、運営が公表しているものと、していないものを並べると次のようになります。

公表済み

運営が出している情報

ポイント制度そのものは 2026-01-06 から稼働しています。上場時期の言い方は「H2 2026」です。アプリ内には「$PULT Airdrop — Points matter: airdrop to most active users」という告知カードが置かれています。
未公表

運営が出していない情報

ポイントからトークンへの換算比率、対象を確定するスナップショット日、ポイント起点で用意される割当の規模は、いずれも公表されていません。同時に「エアドロップを約束しない」という明示的な否認も出ていません。

上の並びで注意していただきたいのは、告知カードが約束ではなく掲示物だという点です。運営はポイント制度そのものに「airdrop」という言葉を使っておらず、換算を保証する文言も出していません。ポイントを貯める行為が将来どれだけの価値になるかは、この記事の時点では誰にも計算できない状態です。

過去 2 件のキャンペーン分は割り当て済みだが未配布

$PULT を配る企画としては、これまでに 2 件が告知されています。ひとつは Binance Wallet との連動で、2026-06-24 に始まりました。1,666,667 $PULT のプールを上限 10,000 名で均等配分する形で、対象は Binance Wallet (Keyless) の利用者に限られていました。もうひとつは KuCoin Web3 との連動で、2026-07-23 から 166,666 $PULT を全タスク完了の先着 5,000 名で均等配分するものです。どちらもトークン発行後の配布とされているため、2026-08-15 時点では割り当て済みで未配布という状態にあります。受給の制限はこのようにキャンペーン単位で置かれており、ポイント制度そのものの不正対策方針は公表されていません。運営は不正な行為に厳格に対処すると述べるにとどまっています。

運営はセントビンセント籍の LLC、取引対象は運営が生成する合成トークン

運営は Catapult LLC.、2025 年 12 月から一般公開で動いている

運営主体は Catapult LLC. で、セントビンセント・グレナディーン諸島(St. Vincent & the Grenadines)に登記されています。この表記は利用規約とプライバシーポリシーの 2 つの公式文書に同じ形で現れ、どちらも法人名とデータ管理者を明示しています。

一方で、創業時のチームや CEO が誰なのかは、公式サイト・ドキュメント・litepaper・ブログ・SNS のどこにも開示されていません。名前が公開されている人物は 1 名だけで、2026-05-06 に就任が告知された Cookie Dang 氏(肩書は VP of Growth and Co-Founder)です。肩書には Co-Founder が入っていますが、公表されているのはこの就任の告知だけで、創業当時の体制が分かるわけではありません。登記地であるセントビンセント・グレナディーン諸島には、IBC(国際事業会社)の役員や実質的支配者を公開登記する制度がないため、第三者が名簿を突き合わせて確かめる手段もありません。運営実体について特定できるのは、ここまでです。

沿革を追うと、2025 年 8 月末に招待制の alpha が動きはじめ、2025-09-19 に招待コード制の private beta が続き、2025 年 12 月から一般公開に移っています。公式ロードマップは半期表記(2025 H2 / 2026 H1)で、公式ブログは「2025 年 12 月から稼働」と書いています。

取引するのは実在資産ではなく、寿命の決まった合成トークン

登録するかどうかの判断に、この記事でいちばん効いてくるのはここかもしれません。Catapult Trade の「Futures」は、実在する暗号資産や株式・為替の永続先物ではありません。取引の対象になるのは、アルゴリズムが生成した合成トークンの値動きで、そこにレバレッジをかけてロングとショートを取る形です。

そのため、perp DEX でおなじみの funding rate も、参照する外部指標もありません。ポジションが終わるのは、手動で決済したとき、清算されたとき、そしてトークン自体の時間が切れたときの 3 つです。

市場そのものも、利用者が作る一時的なトークンです。寿命は 30 秒から 4 時間で、期限が来れば消えます。したがって「上場銘柄の一覧」という概念がありません。代わりに、同時に公開できるトークンの数に 600 という上限があります。取引所を選ぶときに普通に見る「取扱銘柄数」のような指標は、このプラットフォームには存在しないと考えてください。

板もオラクルも無く、取引の相手方は運営のヴォールト

板(オーダーブック)も AMM もありません。価格は運営のエンジンが生成し、注文は大きさにかかわらずその時点のエンジン価格で即時に約定します。スリッページはゼロと明記されています。

決済先は、運営が管理するヴォールト(protocol vault)です。したがって、すべての取引の相手方は他のトレーダーではなく運営自身になります。この一点が、後で見る費用構造にもリスクにも効いてきます。アーキテクチャの面では、取引・価格生成・決済のいずれも運営のバックエンド(NestJS + TypeScript)でオフチェーンに処理されます。オンチェーンに触れるのは入出金、公正性のコミットメント、そして後で触れる「卒業」後のトークンの流動性プールに限られます。現行の稼働ネットワークとして名前が挙がっているのは HyperEVM で、卒業先は Solana です。DeFiLlama がこのプロトコルの chain を “Off Chain” と分類しているのも、この構造を反映しています。

レバレッジは速度モード別、最大 125 倍で 1 ポジション 20,000 ドルまで

レバレッジの上限は、トークンの速度モードごとにエンジン側で固定されています。

SLOW / NORMAL(寿命 4 時間)125x
FAST(寿命 1 時間)40x
FLASH(寿命 15 分)15x
CRACK(寿命 3 分)5x
MAYHEM(寿命 30 秒)5x

上の数値については、API ドキュメント自身が「現行の設定であり、サーバ側で変わりうる」と注記しています。1 ポジションあたりの想定元本には 20,000 USD の上限があり、これはサーバ側で強制されます。

清算は、損益が証拠金の -100% に達した時点で行われ、証拠金は全損になります。清算価格の計算式には maintenance buffer と呼ばれる余裕分が組み込まれており、この buffer のぶんだけ清算の発動が前倒しになります。理由は価格の作られ方にあります。価格は連続した線ではなく、tick と呼ばれる刻みごとに飛び飛びに動くため、計算上の清算水準をひと跳びで飛び越えることがあり、その行き過ぎの期待値をあらかじめ差し引いてあるわけです。

手数料は担保額の 1%、利益手数料は 4% と 5% の記載が併存する

売買のたびに、担保額の 1% が一律でかかります。この 1% はプロトコル側の 0.5% とトークン作成者側の 0.5% に折半されます。板がないので maker と taker の区別もなく、この 1 種類だけです。

利益が出たポジションには、さらに利益手数料がかかります。この率については、公式ドキュメントのなかで記載が割れています。

未解決の食い違い公式ドキュメントの Fees ページは利益手数料を 5% と書いています。一方で、同じ公式ドキュメントの Futures ページと litepaper(2 箇所)は 4% と書いています。どちらが現行のレートなのかは、公式情報のなかからは判定できません。chainhelm では一方を採用せず、両方の記載が併存している状態としてお伝えします。

出来高や保有量に応じた手数料階層は存在しません。$PULT のステーキングによる手数料優遇は告知されていますが、トークンが未発行なので効いていません。過去に実施された割引は期間限定のキャンペーンであって、恒常的な階層ではありません。

口座は埋め込みウォレットの仮想残高で、本人確認はどの段階でも無い

DEX と聞いて「資産は自分で持つのだろう」と考えるかもしれませんが、実際の作りは少し違います。Catapult Trade は Privy による account abstraction を使い、ログイン時に埋め込みウォレットを発行します。残高はそのウォレット上の仮想残高として運営側が管理し、そのため売買のたびに署名しなくて済む仕組みになっています。主たる入口はメールと Google の SSO で、ウォレット接続はそのなかの一つという位置づけです。

結果として、保管の形は自己管理(self-custody)よりも中央集権取引所の口座に近くなります。用語としては DEX でも、資産を預ける先は運営だと理解しておくのが実態に合っています。

本人確認については、登録・入金・取引・出金のどの段階にもありません。プライバシーポリシーは、身分証明書・生体情報・住所・電話番号・カードや銀行の情報を取得も保存も処理もしないと明言しています。カードや銀行送金の入金経路が動いていながら本人確認が無い、という組み合わせは覚えておく価値があります。年齢条件は 18 歳以上とされています。

他社と比べる指標が公開されず、判断材料は運営発表と独自の市場設計だけ

出来高も TVL も、第三者の集計サイトには載っていない

取引所を比べるときによく使う 24 時間出来高・建玉・プロトコル手数料収益は、Catapult Trade についてはどれも公表されていません。追跡している第三者の集計サイトも存在しないため、市場での立ち位置は、どこにも追跡されていないという状態そのものとして示すほかありません。

DeFiLlama にはプロトコルページ(id 8144、Derivatives カテゴリ)があります。ただし chains は “Off Chain” と記録され、volume adapter は dummy のままです。出来高の時系列データを 1 本も供給していないため、perps のランキングには現れません。運営の GitHub 組織には DefiLlama/dimension-adapters の fork が 1 本(最終更新 2026-07-06)あり、adapter を提出する準備はうかがえますが、この日付の時点で実際に追跡されているデータはありません。資産としての掲載も、CoinGecko と CoinMarketCap のいずれにもありません。検索結果はゼロで、DeFiLlama の記録も gecko_id と cmcId がともに null です。

規模の数字は運営発表のみで、2 つの出来高が食い違う

公表されている規模の数字は、いずれも運営自身の発表です。

85,000月間アクティブ利用者(運営発表)2026-07-05 発表。1 か月前の報道値は 80,000
6,000,000,000 USD累計の想定元本ベース出来高(運営発表)2026-07-05 発表。2026-06-03 時点では別ラベルで 1,500,000,000 USD

出来高の 2 つの数字は、約 1 か月の間隔で 4 倍の開きがあります。ラベルも「cumulative trading volume」と「notional trading volume」で異なり、想定元本ベースの数字はレバレッジ倍率のぶんだけ膨らむ性質を持ちます。独立した検証は存在しません。オフチェーンで動くプラットフォームなので、突き合わせられるオンチェーンの痕跡もないためです。この記事では測定値ではなく「運営の主張」として扱います。

価格の生成は事後に検証できるが、証明が及ぶのはそこまで

Catapult Trade の唯一の技術的な差別化が、価格生成の検証可能性です。仕組みはこうです。取引を受け付ける前に全価格経路を幾何ブラウン運動のモデルで先に計算し、秘密の値(salt)と tick 速度を合わせてハッシュ化した fairHash を公開します。トークンの満了時に salt と価格の並びが開示されるので、誰でもブラウザ上の検証ツールか ethers.js で同じハッシュを計算し直せます。

同時に、この証明が届く範囲は限られています。混同されやすいところなので、切り分けておきます。

証明できること
公開されたあとで価格経路が書き換えられていないこと。この 1 点です。
証明できないこと
運営の支払能力、預けた資産が保全されていること、そしてコミット前に選ばれたパラメータが利用者にとって有利かどうか。いずれもこの仕組みの外にあります。

この commit-reveal 方式は、もともとオンラインカジノのソフトウェアで定石になっている手法であって、perp DEX の機能ではありません。外部に照合先のない市場だからこそ、この手法が採られていると理解するのが正確です。資金の安全性とは別の話として読んでください。

板も流動性提供者も要らない市場で、価格に外部の裏付けは無い

市場を作るのに、板も流動性提供者も外部の価格フィードも要りません。約定は注文の大きさにかかわらずエンジン価格で即時に成立し、市場の作成に必要なのは定額の listing fee(上場料)だけです。新しい市場を立ち上げるために流動性用の資本を用意する必要がない、というのがこの設計の利点です。

裏返して言えば、価格はプラットフォームの外では意味を持ちません。裁定の経路も、指数も、原資産もないからです。ボラティリティも需給の結果ではなく、市場を作るときに選ぶパラメータです。前に見た 5 つの速度モードが、そのまま日次のボラティリティ(シグマ)と tick あたりの変動幅を決めており、SLOW で約 0.42%、MAYHEM で約 9.68% と幅が大きく変わります。運営自身も、価格に上下どちらの偏り(drift)も付けていない状態でも、幾何ブラウン運動につきまとう目減り(variance drag)によって中央値で見た価格は下がっていくと書いています。これは相場観の予想ではなく、設計の説明として読むべき記述です。

出来高 5 万ドルに達したトークンは Solana の実市場に出る

合成トークンが 50,000 USD の出来高に達すると、オンチェーンへ展開する対象になります。コントラクトアドレスが公開され、15 分のクールダウンのあいだに作成者がメタデータを確定させたあと、合成フェーズで貯まった 0.5% + 0.5% の手数料を原資に Solana の Meteora プールが組成されます。供給の 98% がプールに入り、2% が作成者のウォレットに渡ります。最初のブロックでの買い注文には重い手数料がかかる仕組みで、これは狙い撃ちを防ぐためのものです。1 週間で 50,000 USD に届かなかった場合は、作成者が LP の 50% を受け取ります。この仕組みは 2026-01-28 から稼働しています。

報酬は損益ではなく活動量に連動し、第三者の裏書きは出資と配信提携だけ

報酬の設計にも特徴があります。Trading Ranks は累計損益の絶対値に連動する 25 段階の仕組みで、1,000 USD から 10,000,000 USD までの区切りが置かれています。絶対値なので、損失も進捗として数えられます。支払いは 14 日に分割され、初日に 25%、受け取らなかった日のぶんは失効します。ほかに上位 10 名で 500 USD を分ける日次の Daily Raffle、最大 7 倍のポイントが付く Booster、99 段階の XP、そして Mindshare Mining が並びます。まとめると、報酬の進み方は、勝っているかどうかではなく、どれだけ動かしたかで決まります。

外部からの裏書きとして記録に残っているのは、KuCoin Ventures の出資(2026-03-23)と、他社アプリへの掲載提携です。後者は Binance Wallet の curated dApps への掲載(2026-06-25)、KuCoin Web3、Gate の 3 つで、いずれも利用者を呼び込む経路の話であって、規模や健全性を検証したものではありません。

除外しているのは米国と制裁対象地域だけで、免許はどこにも無い

プラットフォームが除外するのは米国と OFAC 制裁地域

プライバシーポリシーの Eligibility & locality の項は、サービスの提供対象を 18 歳以上の自然人と定めたうえで、米国の居住者・市民・法人と、OFAC の制裁リストに掲載された地域には提供しないと書いています。あわせて、これを実行するために地域遮断を行う権利を留保する、とも書かれています。

OFAC の対象地域は「OFAC のリストによる」と参照されるだけで、国名が列挙されているわけではありません。したがって、除外の範囲は固定されたリストではなく、制裁プログラムの変化とともに動きます。

トークンセールでは制限国が 18 に広がっていた

同じ運営でも、$PULT の公開セールでは制限がずっと広く設定されていました。制裁対象として挙げられたのは、イラン・北朝鮮・キューバ・シリア・スーダン・南スーダン・ミャンマー・ベネズエラ・ベラルーシ・ロシアと、ウクライナのうち OFAC 指定地域です。さらに制限対象(restricted)の区分として、米国・中国・英国・カナダ・シンガポール・韓国・日本・オーストラリアが並びます。

このリストの適用範囲はセール限定で、プラットフォームの利用を制限するものではありません。セール自体も 2026-07-08 に終了しています。それでも記録しておく価値があるのは、これが運営の公表物のなかで唯一、国名を挙げたリストだからです。どの規制市場を神経質に見ているかの指標として読めます。日本が入っていることが読者にとって何を意味するかは、次の章で扱います。

除外の担保は自己申告どまりで、仕組みは公表されていない

除外を実行する権利は留保されていますが、どうやって実行するのかは書かれていません。公開セールのほうは、参加者の自己申告に頼っていました。

IP による遮断の方針、ウォレットの審査、制裁スクリーニングの委託先、居住地を申告させる仕組みは、いずれも文書化されていません。居住地の確認を支えるはずの本人確認も取得していないため、運営の手元に確認の材料がそもそもありません。開示されている技術的な手段は、CDN と WAF として Cloudflare を使い、国や地域を記録していることだけです。

価格エンジンも残高も運営の内側にあり、接点は公式インターフェースだけ

オンチェーンの DEX では、フロントエンドが塞がれてもコントラクト層が残るという二層構造が成り立ちます。Catapult Trade では成り立ちません。

価格の生成も、注文の処理も、残高の台帳も、決済のヴォールトも、すべて運営が動かすオフチェーンの仕組みです。そこに届く経路は運営の web アプリと、口座発行のキーを必要とする GraphQL API の 2 つに限られます。本当にオンチェーンで運営から独立しているのは、入出金のトランザクションと、卒業したトークンの Solana プールだけです。したがって、ここでの遮断は表示上の不便ではなく、利用そのものの停止を意味します。フロントエンドの外に、利用者が別の経路でたどり着ける先は残っていません。

免許も登録もどの国にも無く、当局の措置も確認されていない

金融サービス・デリバティブ・電子マネー・VASP(暗号資産サービス事業者)・賭博のいずれについても、免許や登録や認可は、公式サイト・ドキュメント・litepaper・プライバシーポリシー・利用規約・告知のどこにも主張されていません。登記地はセントビンセント・グレナディーン諸島の IBC で、同国の金融当局は外国為替やデリバティブの仲介業を免許・監督しておらず、会社役員や実質的支配者の公開登記の制度もありません。

この事業形態では免許を持たないほうが標準的で、その意味では珍しいことではありません。重要なのは珍しさではなく、何が無くなるかです。免許業者が相手なら使えるはずの救済手段は、ここでは使えません。顧客資産を自社資産と分けて管理する法的義務もありません。破綻時の補償制度もなく、規制された苦情窓口もありません。トラブルが起きたときに持ち込む先が、制度としては存在しないということです。

当局の措置については、2026-08-15 時点の検索で、Catapult Trade・catapult.trade・Catapult LLC を名指しした警告・制限・訴訟・制裁は、金融当局側にも賭博当局側にも見つかっていません。ただしこれは 8 か月の稼働実績のなかで措置が出ていないという事実であって、適格性が確認されたことを意味するものではありません。

運営の動きは規制対応よりも一般利用者への拡大に向いている

一次情報から見える運営の動きは、規制への歩み寄りよりも、一般利用者への裾野の拡大に向いています。

2026-05-04
SNS アカウント網の取得を開始し、自社ブランドでの発信を広げる
2026-06-20
カード・銀行送金・Apple Pay・Google Pay・Revolut・P2P の入金経路が本人確認を挟まずに稼働
2026-06-25
Binance Wallet の curated dApps に掲載され、KuCoin Web3 と Gate にも掲載が広がる

公表済みのロードマップは、2026 年第 3 四半期に実在の資産を対象にしたゲーム型のトレードと、予測市場へ向かうとしています。合成チャートよりも、規制されたデリバティブや賭けに近い領域です。記録のうえでいちばん目立つのは、プラットフォームの除外リスト(米国と制裁地域)と、セールの制限リスト(18 か国)の落差そのものです。

日本からは接続できるが、金融庁の登録リストには載っていない

日本:接続でき、登録は無く、規制は運営側に掛かる

日本に住む読者にとって、海外の未登録業者であること自体は驚きではないはずです。この章で見ていくのは、その一般論ではなく、Catapult Trade と日本の組み合わせでしか出てこない事実です。

まず、日本から実際にアクセスできるかどうかです。実機で開いたところ、日本語のインターフェースは完全に読み込まれ(ページタイトルは「Catapult Trade | No.1 iTradingアプリ」)、言語の切り替えも「ログイン / 新規登録」も生きていました。登録画面も日本語で開き、メール・電話・Google の SSO・ウォレットの選択肢が並びました。地域遮断も、国の選択も、居住地の申告も、制限の掲示も、どの段階にも現れませんでした。

日本から接続できることを chainhelm 編集チームが実機で確認2026-08-15 / locale ja-JP / timezone Asia/Tokyo

登録の状態はその逆です。金融庁の暗号資産交換業者登録一覧を全文検索したところ、「Catapult」「カタパルト」「Catapult LLC」のいずれも見つかりませんでした(2026-08-15 時点)。あわせて、金融庁が公表している無登録業者への警告書一覧(国内・海外、2026-07-22 更新)にも記載はありません。登録が無いことと、警告が出ていないことは別の事実なので、両方を確認しています。

では、規制は誰に掛かるのでしょうか。資金決済法が定める登録義務と、無登録業者による勧誘の禁止は、いずれも事業者側に向けられた規定です。海外の未登録業者を使ったというだけで日本の居住者を罰する法律は見当たらず、金融庁が出している注意喚起も、利用者に向けたリスク助言として書かれています。登録の有無を確認してから取引するように、という趣旨です。

ただし、事業者だけでなく賭けた本人も名宛人になる条文(刑法 185 条から 187 条の賭博罪)が、日本にはもう一つあります。Catapult Turbo がこれに当たるかどうかは裁判所も当局も一度も判断しておらず、当たるとも当たらないとも言えないまま、弁護士に確かめるほかない論点として残っています。

実務の側で読者が負う負担は、これとは別にはっきりしています。投資者保護の枠組みは働きません。資産の分別管理を保証する仕組みもありません。国内で使える救済手段もありません。加えて、利用規約では紛争解決がセントビンセント・グレナディーン諸島での仲裁に回され、集団訴訟の権利は放棄する形になっています。何かあったときに、日本の窓口から手繰れる糸が無いということです。

運営が公表している文書のうち、日本の扱いに関わるものは 2 つあり、向きが逆です。片方は日本の名前が無いこと自体が事実で、もう片方には日本が挙がっています。プラットフォームの除外文言に日本はありません。名指しされているのは米国と OFAC 制裁地域だけです。一方、$PULT の公開セールの制限国リストには日本が入っていました。米国・中国・英国・カナダ・シンガポール・韓国・日本・オーストラリアの並びです。こちらはセール限定で、2026-07-08 に終了しており、守らせる仕組みは参加者の自己申告だけでした。なお、日本語のナビゲーションには「パブリックセール」の入口が残っていました。

最後に線を引いておきます。2026-08-15 時点で、日本の当局は Catapult Trade について何の判断も示していません。この章に並べたのは、運営が公表している規約と、日本の法制度という、別々に検証した 2 つの事実です。両者を並べたことをもって、利用が適法だとも違法だとも読まないでください。

預けた資金の裏付けを確かめる手段が無く、取引の相手方は常に運営

預かり資産の裏付けも、損失を埋める基金も無い

入金した資金は、運営が管理するヴォールトにプールされます。そしてそのヴォールトが、すべての取引の相手方になります。利用者の残高は、埋め込みウォレット上の仮想残高として記録されます。

この構造でまず気になるのは、預けた額に見合う資産が本当にあるのか、です。確かめる経路は用意されていません。公開されたウォレットアドレスも、第三者による残高証明も、準備金証明(proof of reserves)もありません。DeFiLlama もこのプロトコルを “Off Chain” として扱い、TVL を追跡していません。利用者にも第三者にも、裏付けを確認する手段が無いということです。これが、このプラットフォームで最大の「検証されていない前提」です。

損失を埋める側の備えもありません。いま動いている製品を対象にした保険基金も、損失を穴埋めする仕組みもなく、litepaper に出てくる保険プールは未リリースの Hyper mode の構成要素です。現行の Turbo での取引や利用者の預かり金は、その対象に含まれていません。

2 件の監査が保証しているのは、価格の改ざん防止だけ

セキュリティ監査は 2 件公表されています。Hashlock による 2026-01 の監査は、合成価格を生成するバックエンドの Provably Fair 監査で、medium 1 件・low 3 件・QA 1 件を指摘し、いずれも解消済みとして評価は “Secure” となりました。報告書自身が、これより上位の評価は bug bounty や常時監視を備えたプロジェクトに限られると書いています。Halborn による 2026-05-05 の評価は、同じバックエンド(token generator)のマイクロサービスに対する侵入テストで、critical 0 件・high 0 件・medium 3 件を含む計 7 件の指摘でした。

問題は、この 2 件が何を見ていないかです。

監査が見たもの
合成価格を生成し、その経路をコミットするオフチェーンのバックエンドサービス。その 1 コンポーネントだけです。
監査が見ていないもの
利用者資産の保管、入出金の処理経路、取引の相手方であるヴォールト、清算エンジン、残高の会計、そして利用者資産を保持するコントラクト。DeFiLlama も別途 audits = 0 と記録しています。

したがって、監査が支えているのは「コミット後にチャートが書き換えられない」という主張までです。資金が守られていることも、運営に支払能力があることも、この 2 件からは導けません。前の章で見た公正性の証明と対になる話であって、混同すると判断を誤ります。

ソースも権限構造も非公開で、いまの仕様は外から追いにくい

ソースコードは非公開です。運営の GitHub 組織にある公開リポジトリは、DeFiLlama の adapter を fork した 1 本だけです。監査の対象になった turbo-token-generator は private のままで、アクセスすると 404 が返ります。個々のチャートのハッシュは事後に検証できますが、エンジンそのものも、会計も、ヴォールトのロジックも読めません。

管理鍵・アップグレード・ガバナンスの構造も、どこにも公表されていません。オフチェーン中心の構成からすれば不思議ではありませんが、実務上は運営の単独裁量とみなすほかありません。実際、API ドキュメント自身がレバレッジや寿命の値について「サーバ側で変わりうる」と書いています。

ドキュメントが現行の製品に追いついていない例もあります。private tokens は 2026-03-31 に廃止され、Season 1 の Packages 階層は 2026-07-08 に新規購入を停止しました。どちらもいまも公式ドキュメントに残っており、Packages のページには月次 ROI 約 7-14%、最上位は年率換算約 168% という表記も付いたままです。ドキュメントと日付入りの告知が食い違う場合は、告知のほうが新しい情報です。利回りを約束するような表現に出会ったら、閉じたプログラムの残骸として扱ってください。bug bounty についても、プライバシーポリシーが言及するだけで、範囲も報奨も受付窓口も公開されていません。

手数料が期待値を削り、その受け手は取引相手である運営

費用の話は、期待値の話でもあります。運営自身が、価格エンジンは手数料を除けば損益の期待値がゼロ(drift ゼロのマルチンゲール)であり、期待値をマイナスに傾けているのは手数料の構造のほうだと書いています。担保額に対する 1% の手数料が出入りのコストを押し上げ、利益手数料が大きく勝ったときの取り分を削る、という説明です。なお、この説明のなかで運営は利益手数料を 5% としています。前の章で見たとおり 4% との併存が解けていない以上、ここでも 5% を現行レートとして確定させることはできません。

同じ文書は、この運営側の取り分(edge)がトークンの階層ごとのボラティリティに比例して大きくなるとも書いています。Rewards ページのほうは、構造的な取り分の 50% をランク報酬という形でトレーダーに戻していると述べていますが、これも運営の主張として受け取るのが妥当です。実際の perp DEX との違いははっきりしています。そちらでは他のトレーダーとの取引に手数料が乗るのに対し、ここではヴォールトが相手方なので、支払った手数料はそのまま、そのポジションから運営が得る収益になります。

速いモードほど、計算上の清算価格より手前で切られる

清算の仕組みは前に見たとおりですが、速いモードを選んだときの帰結だけ確認しておきます。清算は損益が証拠金の -100% に達した時点で発動し、証拠金は全損です。maintenance buffer のぶんだけ発動は前倒しになり、価格は tick ごとに飛び飛びに動くため、理論上の清算水準を飛び越えることがあります。前に見たとおり tick あたりの変動幅は速度モードで大きく変わるので、速いモードほど、計算した清算価格の手前で切られる可能性が高くなります。部分清算の仕組みも、清算時に別途かかるペナルティも、ADL(自動デレバレッジ)に相当する仕組みも文書化されていません。

障害は繰り返し公表され、入出金には資金を失う経路が 2 つある

障害の記録は、運営自身の開示として残っています。

2025-12-18
Polygon 側の問題が原因で、一部ネットワークの入出金に遅延
2025-12-26
年末年始をまたぐ入出金の障害。影響を受けた利用者に補償を配布
2026-01-19
13:30-15:40 UTC に高負荷でチャート更新とポジション操作が遅延。運営は自らの責任と明言し、その時間帯に損益がマイナスだった 1,675 名へ当日中に返金
2026-02-06
Solana の出金に問題。Relay 側の障害として直接出金へ誘導
2026-02-12
Relay 経由の入金が停止し、入金機能を一時的に無効化
2026-04-28
手数料の付与にバグが混入し、旧方式へ差し戻したうえで補償
2026-07-07
$PULT 公開セール中に Relay の API に障害。手作業でのバッチ処理に切り替え

この並びから読み取れることは 2 つあります。ひとつは、取引エンジンそのものが不調をきたした例は 1 件だけで、残りは入出金の経路に集中していることです。もうひとつは、すべてが運営の自己開示で、損失額はどの件についても公表されていないことです。件数と日付は追えても、規模は外から測れません。

設計上、資金を失う経路についても、ここで改めて整理しておきます。入金の手順として先に触れた 2 つ、すなわち Relay の入金アドレスへの二重送金と、取引所の入金アドレスへの直接出金は、いずれも障害ではなく設計上そうなっている挙動です。障害なら復旧を待てますが、この 2 つは操作した時点で恒久的な喪失として確定します。

◆ ◇ ◆

最初の接続でコードを適用する、それが唯一の条件

紹介コード 4AL8G1IR は、chainhelm 編集チームが 2026-08-14 に実機で確認しています。リンクから開いた登録画面に、適用済みとして表示されるところまで見たうえでお伝えしています。

条件はひとつだけです。コードが効くのは、アカウントを最初に作るときに限られます。既存のアカウントに後から紐づける手段はありません。

chainhelm が今回調べた 20 か国のうち、使えないのは 2 か国だけです。ひとつは運営が明示的に除外している米国、もうひとつはカザフスタンで、無免許のプラットフォームについて AFSA が 2026-04-29 に警告を出していることから、利用できない側に置いています。この記事で扱った日本は、どちらにも当たりません。

登録するかどうかを今日決めるなら、Catapult Trade 側の事実としてはこの 1 点を頭に入れておいてください。ポイント制度は 2026-01-06 から動いていますが、$PULT は未発行で、ポイントをトークンに換える条件は公表されていません。