— 目次 12 項目
- 01 Pacifica 紹介コード「CHAINHELM」は今も使えるか?
- 02 Pacifica 紹介コード「CHAINHELM」の特典
- 03 Pacifica 紹介コードでの登録手順(ウォレット接続)
- 04 Pacifica 接続後にすべきこと
- 05 Pacifica 紹介コードは登録後に追加できない
- 06 週 1,000 万ポイントを配る制度はあるが、token の約束はない
- 07 Pacifica は 2025 年に動き出した Solana 上の perp DEX
- 08 出来高では上位の一角、市場の並びは株式・商品・pre-IPO まで
- 09 Terms で 12 の国・地域を除外し、どこの licence も持たない
- 10 日本は制限地域に含まれず、国内の登録制度の外で動いている
- 11 監査報告書は読めず、insurance fund も置かれていない
- 12 紹介コードは有効、あとは Pacifica をどう見るかの判断
chainhelm 専用の Pacifica 紹介コードは です。
2026-08-07 時点で、新規ウォレットで実際に接続し、紹介コードが適用されることを確認済みです。
ウォレット接続時に本コードを適用すれば、エアドロップポイント5%ボーナスが適用されます。コードを適用できるのは最初の接続時だけなので、その場で済ませておくことをお勧めします。
本記事では、Pacifica 紹介コードを使った登録手順(ウォレット接続)を chainhelm 編集チームが実際に検証したうえで、Pacifica の特徴、日本での利用可否、リスクもあわせて解説します。
Pacifica 紹介コード「CHAINHELM」は今も使えるか?
chainhelm 編集チームが 2026-08-07 に新規ウォレットで Pacifica に接続し、紹介コード「CHAINHELM」が今も使えることを確認しました。確かめたのは https://app.pacifica.fi?referral=chainhelm を開いてウォレットをつなぎ、コードが適用された状態が画面に出るところまでです。
コードが口座に届く経路は 2 つあります。この紹介リンクから開けば自動で適用され、リンクを経由しなかった場合は、接続時のコード入力欄に自分で入れる形になります。
こちらの画像は、検証時に撮影した実際の画面です。
画面に「You’ve been invited with referral code: chainhelm」と表示されており、紹介コード CHAINHELM が接続完了時に適用されることが確認できます。
chainhelm では、コードが引き続き利用できるかを継続的に検証しております。
Pacifica 紹介コード「CHAINHELM」の特典
ウォレット接続時に本コードを適用すると、Pacifica で以下の特典が受けられます。
特典を受け取るには、ウォレット接続時にコードを適用する必要があります。適用忘れにはご注意ください。
Pacifica 紹介コードでの登録手順(ウォレット接続)
PC・ブラウザで接続する場合と、スマホ(モバイル)で接続する場合に分けて解説します。
接続の経路には、どこにも本人確認の手続きがありません。メールアドレスの登録も、身分証の提出も求められず、ウォレットをつなぐところから始まります。
PC・ブラウザでの接続手順
1. まずは、Pacifica 公式ページ を開いてください(紹介コードが適用されたリンクです)。開くと、以下のような画面になります。
2. 招待リンクから wallet 接続を始める
取引画面に重なった「Welcome to Pacifica!」のモーダルで「Connect Wallet」をクリックすると、接続する wallet の選択画面に進みます。招待リンクから開いたモーダルには「You’ve been invited with referral code: chainhelm」と referral code が適用された状態で示されているので、押す前に確かめておきます。
3. 接続する wallet を選ぶ
wallet の一覧から、この記事で使う「Phantom」をクリックすると、Phantom 側の承認画面が開きます。一覧には「Solflare」「Binance Web3 Wallet」「MetaMask」「Backpack」「OKX Wallet」「WalletConnect」も並び、下部の「Social login」からメールや Google・X のアカウントで始めることもできます。
公式ドキュメントが名前を挙げている自己管理ウォレットは Phantom、Solflare、Backpack、Ledger で、いずれも Solana 用です。一方の Social login は Privy による embedded wallet で、鍵を export するまで管理は provider 側に残ります。同じ「接続」でも、鍵を自分で持つかどうかが変わる分かれ道です。
4. Phantom で接続を承認する
Phantom の拡張機能が開いたら、接続先として示された app.pacifica.fi を確かめて「Connect」をクリックします。ここで許可するのは選んだアカウントの残高と取引内容の参照までで、やめる場合は「Cancel」を押します。
5. 署名して次へ進む
wallet が接続された welcome モーダルで「Sign to Continue」をクリックし、署名の手順に進みます。モーダルには「Please deposit first to claim your referral code.」と、referral code の適用にはまず入金が必要である旨が案内されています。
6. 接続用の署名を実行する
「Start Trading」のモーダルで、はじめから有効な「Stay Connected」をそのままにして「Start Trading」をクリックすると、Phantom の署名画面が開きます。この署名は gas のかからない接続用のものだと案内されており、ハードウェア wallet を使う場合は「Use Hardware Wallet」も有効にしてから押します。
7. 署名内容を確認して確定する
Phantom に開いた「Sign Message」の内容と「Network」が Solana であることを確かめ、「Confirm」をクリックすると Pacifica の画面に戻ります。この署名は選んだアカウントの所有者であることを証明するためのものだと案内されているので、心当たりのない内容なら「Cancel」で取り消します。
8. 入金画面へ進む
署名が済むと welcome モーダルのボタンが「Deposit」に変わるので、そのままクリックして入金に進みます。ここでも「Please deposit first to claim your referral code.」と、referral code の適用には初回の入金が必要である旨が示されています。
PC での接続はここまでです。コードは画面上で適用された状態になっていますが、確定するのは次の章で扱う入金の時点になります。
スマートフォン(iOS / Android)での接続手順
1. まずは、Pacifica 公式ページ をモバイルのブラウザまたはウォレットアプリ内ブラウザで開いてください(紹介コードが適用されたリンクです)。開くと、以下のような画面になります。
2. 招待リンクから wallet 接続を始める
画面に重なった「Welcome to Pacifica!」のモーダルで「Connect Wallet」をタップすると、接続する wallet の選択画面に進みます。招待リンクから開いたモーダルには「You’ve been invited with referral code: chainhelm」と referral code が適用された状態で示されているので、押す前に確かめておきます。
3. 接続する wallet を選ぶ
画面に重なった一覧から、この記事で使う「Phantom」をタップすると、Phantom 側の承認画面に切り替わります。一覧には「Backpack」「OKX Wallet」「Solflare」「Binance Web3 Wallet」「MetaMask」「WalletConnect」も並び、下部の「Social login」からメールや Google・X のアカウントで始めることもできます。
4. Phantom で接続を承認する
Phantom アプリの承認画面に切り替わったら、接続先として示された app.pacifica.fi を確かめて「Connect」をタップします。ここで許可するのは選んだアカウントの残高と取引内容の参照までで、やめる場合は「Cancel」を選びます。
5. 署名して次へ進む
wallet が接続された welcome モーダルで「Sign to Continue」をタップし、署名の手順に進みます。モーダルには「Please deposit first to claim your referral code.」と、referral code の適用にはまず入金が必要である旨が案内されています。
6. 接続用の署名を実行する
「Start Trading」のモーダルで、はじめから有効な「Stay Connected」をそのままにして「Start Trading」をタップすると、Phantom の署名画面に切り替わります。この署名は gas のかからない接続用のものだと案内されており、ハードウェア wallet を使う場合は「Use Hardware Wallet」も有効にしてから押します。
7. 署名内容を確認して確定する
Phantom アプリに出た「Sign Message」の内容と「Network」が Solana であることを確かめ、「Confirm」をタップすると Pacifica の画面に戻ります。この署名は選んだアカウントの所有者であることを証明するためのものだと案内されているので、心当たりのない内容なら「Cancel」で取り消します。
8. 入金画面へ進む
署名が済むと welcome モーダルのボタンが「Deposit」に変わるので、そのままタップして入金に進みます。ここでも「Please deposit first to claim your referral code.」と、referral code の適用には初回の入金が必要である旨が示されています。
モバイルでも、接続の手順はここで終わりです。コードの適用が確定するのは、次の章の入金を済ませたあとになります。
Pacifica 接続後にすべきこと
PC・ブラウザで入金する場合と、スマホ(モバイル)で入金する場合に分けて解説します。
PC・ブラウザでの入金手順
取引画面に戻ったら、ヘッダー右上の「Deposit」をクリックして入金画面を開きます。画面右下のパネルにも同じ「Deposit」があり、どちらから開いても同じ入金画面に進みます。
入金方法は「Direct Deposit」(ネットワークは Solana)を選んだまま、「Amount」に入金する USDC の額を入力します。全額を送るなら「MAX」を押すと「Available Balance」の残高がそのまま入り、別のチェーンの資産を使う場合は「Cross-chain」の「deBridge」に切り替えます。
この時点では「I agree to the terms of service」が未チェックのため、「Deposit」は薄いままで押せません。
「I agree to the terms of service」にチェックを入れます。チェックすると「Deposit」が押せる状態に変わるので、入力した金額を確かめてからクリックします。
「Deposit」をクリックすると、ボタンが読み込み中の表示に変わります。そのまま待つと Phantom の確認画面が開くので、画面を閉じたり操作をやり直したりせずに待ちます。
Phantom の拡張機能に「Confirm Transaction」が開いたら、送る USDC の額と「Network Fee」の SOL を確かめて「Confirm」をクリックします。内容が想定と違う場合は「Cancel」を押せば送金を取りやめられます。
送金が受け付けられると、画面右下に「Deposit Initiated」の通知と送った USDC の額が出ます。「View on Solscan」をクリックすると、チェーン上でこの取引の状態を確認できます。
スマートフォン(iOS / Android)での入金手順
取引画面の上部にある「Deposit」をタップすると、入金方法と金額を入力するシートが開きます。「Deposit」は chart より上のヘッダーにあるので、下の注文パネルや order book を見たあとでも同じ位置から入金に進めます。
「DIRECT DEPOSIT」の欄(ネットワークは Solana)に、入金する USDC の額を入力します。全額を送るなら「Max」を押すと「Available Balance」の残高がそのまま入り、別のチェーンの資産を使う場合は下の「Cross-chain」から「deBridge」に進みます。
「I agree to the terms of service」が未チェックのあいだは、いちばん下の「Deposit」を押せません。
「I agree to the terms of service」にチェックを入れます。チェックすると「Deposit」が押せる状態に変わるので、入力した金額を確かめてからタップします。
「Deposit」をタップすると、ボタンが読み込み中の表示に変わります。そのまま待つと Phantom の確認画面に切り替わるので、シートを閉じたり画面を戻したりせずに待ちます。
Phantom アプリに「Confirm Transaction」が出たら、送る USDC の額と「Network Fee」の SOL を確かめて「Confirm」をタップします。内容が想定と違う場合は「Cancel」を押せば送金を取りやめられます。
送金が受け付けられると、画面下部に「Deposit Initiated」の通知と送った USDC の額が出ます。「View on Solscan」をタップすると、チェーン上でこの取引の状態を確認できます。
送金そのものについては、先に押さえておきたい前提がいくつかあります。着金するのは Solana 上の USDC だけです。公式のサポートドキュメントは、Ethereum や Arbitrum など他のネットワークからの送金も、USDT も、間違えて送った SOL も反映されないと明記しています。Pacifica 自身は他チェーンからの受け口を持っていないため、別のチェーンにある資産を使うときは、入金画面の「Cross-chain」から外部の deBridge を通す形になります。
最低入金額は 10 USDC です。これを下回る額を送っても、自動では反映されません。
手数料の出方も、取引所の口座とは少し違います。注文の板寄せはチェーンの外で行われるため、取引そのものに gas はかかりません。Solana のネットワーク手数料がかかるのは入金と出金の境目だけで、出金の側は gas として 1 回あたり 1 USD 相当がかかります。
そして紹介コードです。接続画面に出ていた「Please deposit first to claim your referral code.」のとおり、コードの適用が確定するのは初回の入金の時点になります。入金が残高に反映されると referral code の適用も確定し、そのまま取引を始められる状態になります。
Pacifica 紹介コードは登録後に追加できない
紹介コードが適用できるのは、最初のウォレット接続の一度きりです。
適用せずに接続を終えてしまうと、同じウォレットに後から紹介コードを紐づける方法はありません。適用したい場合は、新しいウォレットで接続し直すことになります。
- 接続時に紹介コード CHAINHELM の適用表示が出ているか(リンク経由の自動適用と、コード入力欄の内容を確認)
紐づく先が口座番号やメールアドレスではなく、接続したウォレットそのものだという点が、この仕様の理由です。そのうえで適用が確定するのは初回の入金なので、確認のタイミングは接続時と入金時の 2 回になります。
以下のボタンから開くと、接続時のモーダルに「You’ve been invited with referral code: chainhelm」が出た状態から始められます。
◆ ◇ ◆
週 1,000 万ポイントを配る制度はあるが、token の約束はない
紹介コードを使うかどうかより先に決まってしまうのは、その先にある取引所を選ぶかどうかです。Pacifica の場合、最初に目に入るのがポイント制度です。配る量も、配る日も公開されています。それが最後に何に変わるのかだけが、公開されていません。
毎週木曜のスナップショットで 1,000 万ポイントを分け合う
制度の骨格は公式ドキュメントに書かれています。配る量、記録を取る曜日と時刻、配り終えるまでの時間の 3 つです。
公式ドキュメントは、シーズン番号も epoch 番号も定義していません。制度は 2026-07-29 時点でも動いています。
ポイントが付くのは、GUI からでも API からでも、実際に取引したときだけです。ではどう取引すれば効率よく貯まるのか、という問いには答えがありません。公式ドキュメントは算出式を「dynamic and opaque by design」と表現しています。意図して動的かつ不透明にしてある、という意味です。式は週ごとに更新され、詳細を知っているのは社内でも数名だけだと書かれています。
読み解いて最適化する余地が利用者の側にない、というのがこの制度の性質です。運用が雑だという話ではなく、そう設計されています。ポイントを買うこともできません。事前配分も行われておらず、二次流通を Pacifica が容認するという記述もありません。
token も TGE もまだ存在しない
2026-07-29 時点で、Pacifica の token は存在しません。TGE も行われておらず、エアドロップの実績もありません。
裏取りは 3 系統あります。公式ドキュメントと利用規約のどこにも token や tokenomics の記載がないこと。DeFi Llama が時価総額を null として扱っていること。そして公式ドキュメントが、自己資金で運営しており外部からの資金調達はしていないと述べていることです。
将来 token が出るのか、出るとしてポイントがどう扱われるのかについて、Pacifica は何も述べていません。述べていない以上、この記事でも時期や数字は書きません。第三者の記事に具体的な数値が並んでいても、出所が Pacifica でないものは扱わない、という線を引いています。
公式が留保している権利
根拠は利用規約の第 10 条(Programs)です。ポイント、エアドロップ、紹介インセンティブをまとめて扱う条項で、ここを読むと制度の位置づけがはっきりします。
参加は完全に任意である、と規約は書いています。そのうえで、予告なく、また責任を負うこともなく制度を変更・停止・終了でき、制度の提供、報酬、機能のいずれについても保証しないと定めています(10.2)。
ポイントの扱いはさらに具体的です。明示がない限り現金価値を持たず、配布や交換に追加の条件が付くことがあり、会社の裁量で調整・取消・失効の対象になりうると書かれています。遡ってコンプライアンス上の確認を行い、特典を失効させる権利も留保されています(10.3)。
受給の条件は、3 つの層に分かれています。
- 居住地
- 適用される法令によって、参加が制限される国や地域があります。どの国が対象かは、このあとの章で扱います。
- 行為
- 自己取引や sybil のような操作的なふるまいはポイントになりません。口座を 100 個持っても、1 個のときより有利にはなりません。
- 裁量
- 禁止行為や不正の疑いがあると判断されれば、付与済みのポイントも取り消される場合があります。
ここまでを一言でまとめると、いま貯まっているポイントは、将来の token に対する請求権ではないということです。
Pacifica は 2025 年に動き出した Solana 上の perp DEX
運営主体と、稼働から 1 年強の時系列
利用規約を結ぶ相手は SkyLake Global Corp、パナマの法人です。web と Mobile App、つまり Interface を提供する会社という位置づけで、規約には Pacifica protocol とのやり取りを仲介する立場だと書かれています。
板が動き出してから 1 年強しか経っていません。取引所としての履歴が短いことは、判断材料としてまず押さえておきたい点です。もっとも、機能の追加は止まっていません。上に並べた更新はすべて、公式の更新履歴に日付付きで残っています。
経営陣については、公式の情報がありません。公式サイト、ドキュメント、利用規約のどこにも個人名の記載がなく、共同創業者として FTX の元 COO である Constance Wang の名前を挙げているのは業界メディアの記事です。しかも 2 本とも同じ媒体で、独立した 2 つの裏取りにはなっていません。他の共同創業者にいたっては名字も分からず、記録できる形になっていません。
公式ドキュメントが名乗っているのは、チーム全体の出身までです。Binance、FTX、Coinbase、Jane Street、OpenAI といった名前が並び、外部からの資金は入れていないとも述べています。
板取引を off-chain で回し、決済は Solana 上で行う設計
決済チェーンは Solana です。方式は central limit order book、つまり売り注文と買い注文を板の上で突き合わせる形で、AMM ではありません。突き合わせを担うのは Pacifica が運用する off-chain の matching engine で、決済と資産の保管だけが on-chain に載ります。
この分け方が、使い勝手とリスクの両方を決めています。注文の突き合わせがチェーンの外で走るので、注文を出しても、直しても、取り消しても gas はかかりません。その代わり、どの注文がどの順で約定するかも、手数料をどう決めるかも、運営側が握ります。
扱う市場は 72 です。公式の市場仕様表と CoinGecko の数字が一致しています。内訳は crypto の perp が 49、SOL-USDC の spot を含む特殊な枠が 2、そして RWA が 21 です。公式の About ページにある「65+」は丸めた古い値なので、ここでは使っていません。
対象が crypto に閉じていないのが、Pacifica の目立つところです。個別株が 10 銘柄、S&P 500、ETF、FX が 2、商品が 6、さらに pre-IPO の銘柄まで並びます。
レバレッジは市場ごとに決まります。50 倍が使えるのは BTC、ETH、EURUSD、USDJPY だけで、BNB、DOGE、HYPE、SOL、XRP、SP500 が 20 倍、以下 10 倍、5 倍、3 倍と下がり、spot は 1 倍です。口座単位の設定ではないので、どの市場を開くかで上限が変わります。
取引にかかるコストの内訳
- 取引手数料
- 30 日出来高が 0 の基本ティアで maker 0.015%、taker 0.040%。ティアは 8 段階で日次更新され、最上位でも taker は 0.028% までしか下がりません。
- funding
- 1 時間ごとに適用されます。レート自体は 5 秒ごとに更新され、1 時間あたりの上限は ±4% です。
- gas と出金
- 取引に gas はかかりません。Solana のネットワーク手数料がかかるのは入出金の境目だけで、USDC の出金は 1 回につき 1 USD 相当の定額です。
もう 1 点、他の取引所と比べたときに欠けている選択肢があります。native token がないため、手数料の割引は出来高ベースだけです。token を保有して手数料を下げる、という道はありません。
規模を示す数字と、その出所
規模の数字は、出所と日付をつけないと意味を持ちません。2026-07-29 時点の DeFi Llama では、TVL が約 2,788 万 USD、直近 30 日の出来高が約 108.5 億 USD となっています。集計方法の違う数字が混ざるとどうなるかは次の章で扱うので、この記事では数字を DeFi Llama に揃えます。
公表されているユーザー数は、2025-09-26 の「10,000+ active users」が最後です。現在値ではないので、今の規模としては読めません。
出来高では上位の一角、市場の並びは株式・商品・pre-IPO まで
DeFi Llama で見た出来高と建玉の位置
順位で見ると、Pacifica は perp DEX の上位グループに入ります。ただし順位は日次で動くので、以下は 2026-07-29 時点の数字として読んでください。
出来高の順位より建玉の順位が下にあることには、読み方があります。近い規模の取引所と比べて、同じ資金がより速く回転している、ということです。
出来高の数字は集計方法で 2 倍変わる
同じ日の 24 時間出来高が、参照先によって 2 倍違います。DeFi Llama では約 3.6 億 USD、CoinGecko と CoinMarketCap では約 7.4 億 USD です。後者の 2 つは互いに整合していて、比はおよそ 2 倍で安定しています。
2 倍という比は、買いと売りの両側を数えるか、片側だけを数えるかの違いに特徴的な数字です。ただし、どの参照先も自分の集計規約を公表していないため、二重計上だと断定はできません。数字を比べるときは同じ参照先の中だけで比べる、と決めておくのが安全です。
同じずれは累計出来高にも出ています。公式は 2,200 億 USD 超と述べ、DeFi Llama の全期間集計は約 1,219 億 USD です。公式の値は自己申告として扱います。
裏取りの手段も欠けています。Pacifica は DeFi Llama の fees データセットに存在せず、protocol ページにも収益の指標がありません。出来高ベースの順位を手数料収益で裏付ける、という普段のやり方が、ここでは使えません。
数字より先に違いが出るのは商品の並び
RWA と pre-IPO の perp
unified margin と USDC money market
API と agent 向けの道具
3 つ並べて見えてくるのは、Pacifica が数字よりも品揃えと接続手段で差を作っているということです。ただし 2 つ目の unified margin は、便利さとリスクが同じ設計から出てきます。担保をまとめるということは、片方が崩れたときにもう片方も巻き込まれるということで、その中身は後半のリスクの章で扱います。
Terms で 12 の国・地域を除外し、どこの licence も持たない
名指しで除外されている 12 の国・地域
利用規約の Restricted Jurisdictions 条項は、次の国と地域を名指しで除外しています。
米国カナダ英国中国ロシアウクライナキューバイランベネズエラシリア北朝鮮フィリピン
リストはここで閉じていません。国連、米国、EU、英国が課す包括的な経済制裁の対象地域は、名前が挙がっていなくても除外されます。さらに、各種の制裁リストに載っていないことと、18 歳以上であることが利用の条件になっています。
やっかいなのは、公式の説明が 2 か所で食い違っていることです。利用規約(最終更新 2026-06-11)は 12 の国と地域を挙げますが、ドキュメントの Overview ページは 7 つしか挙げていません。後者は Crimea と Afghanistan を含む代わりに、カナダ、英国、中国、ロシア、ウクライナ、ベネズエラ、フィリピンを欠いています。しかも but not limited to という但し書き付きです。日付から見てドキュメント側が古いと考えられますが、ドキュメントだけを見て判断すると食い違いが出ます。
日本はどちらにも登場しません。この点は次の章で扱います。
遮断は IP と端末で行われ、本人確認は使われない
除外地域からのアクセスをどう止めているかというと、Interface 側で行う IP アドレスからの地域判定(IP geolocation)です。Pacifica は地理的な制限を運用するために IP アドレスを記録すると、規約に明記しています。
停止の権限は広く取られています。事前の通知なく監視、停止、終了ができ、特定の端末や wallet アドレス単位でも遮断できると書かれています。Mobile App についても、Restricted Territory からの利用は禁止です。
本人確認は求められません。perp DEX では前提のようなものですが、ここでは意味を持ちます。誰であるかを見ない以上、判定に使われるのは身元ではなく、接続元の IP と端末です。
Interface と Protocol を分ける建て付けと、実際の距離
規約は、Pacifica を 2 つの層に分けて説明しています。
Interface
Protocol
実際の距離は、この文言ほど遠くありません。注文を突き合わせているのは Pacifica が運用する off-chain の engine です。hot wallet の出金上限も、大半の資金を置く cold vault も、Pacifica 側の multi-signature の管理下にあります。第三者が用意した別の画面から接続したとしても、動いている設備は Pacifica のものです。自律した protocol にじかに触れる、という形にはなっていません。
当局の登録も処分も無い状態と、除外が広い理由
Pacifica はどの国のライセンスも登録も持たず、持っているという主張も公式のどこにもありません。運営会社はパナマ法人で、紛争はシンガポールの SIAC 仲裁に回ります。perp DEX としては通常の形です。
ただし、これは規制当局が利用者の側に立ってこの取引所を監督している状態ではない、ということでもあります。
処分の記録もありません。2026-07-29 時点で、いずれの当局からも Pacifica に対する処分、警告、訴訟、制裁は見つかっていません。探したうえで見つからなかった、ということであって、将来にわたって出ないという保証ではありません。
除外リストが制裁のベースラインより広いことは、扱う商品と結び付けて読めます。カナダ、英国、中国、フィリピンが加わっているのは、株式や指数、pre-IPO の perp を扱うことと整合します。これらは各国で証券やデリバティブの免許の問題に触れやすい商品です。
方向としては、自主的な引き締めです。2026-06-11 の規約更新で除外の範囲と執行の文言が広がり、Mobile App の配信や端末遮断の条項が加わりました。外部の規制イベントに押された形跡は、公開情報の範囲では見当たりません。
日本は制限地域に含まれず、国内の登録制度の外で動いている
日本からの利用可否と国内での登録状況
日本は Pacifica の Restricted Territories に入っていません。日本の IP から確認した限りでは、地域による遮断も、警告を挟む画面も出ませんでした。取引画面には板がそのまま表示されます。
確かめた範囲も書いておきます。2026-07-29 に日本国内の IP から見て確認できたのは、サイトが開くこと、取引画面と portfolio 画面が表示されることまでです。逆に言えば、wallet を接続したあとの入金、出金、発注の段階で別の地域判定が入らないかどうかまでは確かめていません。
利用規約の本文を機械的に検索しても、Japan や JP という文字列は 1 件も出てきません。日本語の UI も、言語を切り替える設定も、日本語の公式チャネルもありません。日本語で読める情報は第三者の記事だけ、という状態になっています。
上に挙げた登録と警告の状態は、名簿を全文で確認した結果です。金融庁の暗号資産交換業者登録簿と金融商品取引業者登録簿(いずれも 2026-06-30 現在)、金融庁の無登録業者警告リスト、関東財務局の 2 系統の警告ページを通して見て、Pacifica の名前はどこにもありませんでした。登録がないこと自体は、非カストディの perp DEX では通常の状態です。欠陥としてではなく、そういう状態として読んでください。ただし、これらはいずれも確認した時点までの記録であって、今後も載らないという保証にはなりません。
では日本の当局は、この種の取引所をどう扱おうとしているのか。ここ 1 年の記録を並べると見えてきます。
ここで利用者の側に話を戻します。日本の条文に、居住者が Pacifica で取引することを禁じるものは見つかっていません。登録の義務は、資金決済法 63 条の 2 も金融商品取引法 29 条(第一種)も事業者に課されるもので、上の改正が罰則を強めた相手も事業者です。
誰が義務を負うのかは、レバレッジ規制を見ると分かりやすくなります。国内の個人向け 2 倍という上限は、登録業者に対する行為規制として書かれています。Pacifica は登録業者ではなく、最大 50 倍を提供しています。そのうえで、非登録の海外 protocol で高いレバレッジを使う居住者にこの上限がどう及ぶのかを述べた公開資料は、2026-07-29 時点で見つかりません。分からない、というのが現時点の答えです。
いま日本で利用者に向けられている措置は、情報提供です。最終報告が足元の対応として挙げているのは、DEX や国内で登録していない業者での取引には想定外の損失が生じうることを、当局と交換業者が利用者に十分周知すべきだ、という内容でした。措置と呼べるものは、実質的にこれだけです。
ここまでで確かめられたのは 3 点です。日本から使える。国内の登録制度の外にある。当局は DEX の規制手法をまだ決めていない。ただし、この 3 点は長持ちしません。改正法の暗号資産関連の規定は公布から 1 年以内に施行され、DEX と UI 提供者の規律は今回の法律に入っていないため、ここに書いたのは 2026-07-29 時点の状態です。
監査報告書は読めず、insurance fund も置かれていない
掲載されている監査報告書にたどり着けない
公式の Audits ページに載っているのは、BlockSec の報告書 1 件だけです。日付も範囲も書かれていません。そしてリンク先の PDF が、読めません。
掲載されている唯一の監査報告書は、docs 側と配信元の CDN の両方で HTTP 404 を返す2026-07-29 時点
BlockSec が公開している監査レポートの索引にも、Pacifica はありません。ここから言えるのは、監査を受けていないということではなく、受けたという主張を外部から確かめられない、ということです。この区別があるので、この記事では Pacifica を無条件に「監査済み」とは書きません。
ソースコードも部分公開です。GitHub の organization には MIT ライセンスのリポジトリが 3 つありますが、いずれも SDK 系です。matching engine と on-chain program のソースは公開されていません。もっとも Solana 上の 4 つの program address は公開されているので、on-chain の挙動そのものは追えます。
設計の説明は読めるのに、第三者が検証した結果だけが確かめられません。資金を預ける前にいちばん見たい情報が、ちょうど欠けている形です。
資金と権限がどこに集まっているか
権限がどこに集中しているかは、隠されていません。公式ドキュメント自身が書いています。注文を突き合わせるのは Pacifica が運用する off-chain の engine で、執行も、注文の順序も、手数料表も中央で決まります。
資金は 2 層に分かれます。運営側の署名鍵が動かす hot wallet には、プログラム上の出金上限がかかっています。大半の資金は cold vault に置かれ、こちらは Squads Protocol の multi-signature で、署名者は複数の大陸に分かれて配置されたメンバーで構成されます。cold vault は任意のアドレスへ送れない設計になっており、機能は hot wallet の補充に限られます。
出金の権限や上限を変えるには、multi-signature の承認に加えて time-lock による待機期間が要ります。ここまでは公開されています。公開されていないのは、署名者の人数、承認のしきい値、そして待機期間の長さです。
token による governance も DAO もありません。設計が変わるときに、利用者が意見を差し挟む経路はない、ということです。
insurance fund の代わりに置かれた 3 段階
insurance fund はありません。代わりに置かれているのが、次の 3 段階です。
- 市場清算
- 維持証拠金を割ると、未約定の注文が全て取り消され、ポジションが IOC(約定しなかった分は取り消す注文)で分割執行されます。清算手数料は max(0.75%, 維持証拠金率 × 0.4) です。必要な分だけ閉じて維持証拠金の水準に戻れば、残りは手元に残ります。
- backstop 清算
- 維持証拠金の 3 分の 2 を割ると、ポジションと残った証拠金が Pacifica の backstop liquidator へ移ります。
- ADL(強制減額)
- 純資産がマイナスになると、反対側で利益が出ているポジションが、リスクの大きい順に強制決済されます。
ここで 1 つだけ言葉を補います。insurance fund があれば基金が吸収するはずの損失を、ADL では他の利用者の利益ポジションが負担します。基金があるかないかという話ではなく、最後に誰が負担するかが違う、ということです。
そのうえで、backstop liquidator が引き受けない市場が 18 あります。
URNMGOLDSILVERPAXGCLCOPPERNATGASEURUSDUSDJPYNVDATSLAPLTRSP500GOOGLCRCLHOODMEGABP
日本から取引する人になじみのある市場ほど、この一覧に入っています。50 倍が使える USDJPY も、20 倍の SP500 も含まれます。同じ口座で取引していても、この 18 市場だけは清算の経路が違うことになります。
なお維持証拠金は、初期証拠金の半分です。式にすると、1 ÷(最大レバレッジ × 2)になります。
価格と貸出プールに置かれた前提
清算がいつ走るかは mark price が決めます。そのもとになる価格の参照元(oracle)は、分散型のネットワークではなく Pacifica の自前計算です。中央集権取引所 4 社の USDT 建て価格の加重平均で、重みは Binance が 2、OKX、Bybit、Hyperliquid がそれぞれ 1、更新は 3 秒ごとです。
mark price 自体は 3 つの値の中央値を取ります。oracle の spot 価格、Pacifica 自身の best bid・best ask・直近約定の中央値、そして主要取引所の perp 価格です。清算も、証拠金も、含み損益も、この値で決まります。
pre-market は事情が違います。他の主要な取引所が同じ市場を持つまでは、Pacifica 自身の mark price に EMA をかけたものを参照し、±30% の値幅と厳しい建玉上限で運用します。価格の裏付けを自前で作る期間がある、というのが要点です。
money market の側にもしきい値があります。貸出プールの稼働率が 90% を超えると、借り手は建玉を減らす reduce-only の注文しか出せなくなります。95% に達すると、pool 全体の解消処理が始まります。口座単位でも、spot 担保が USDC の債務を下回れば解消が走ります。
前の章で利便性として挙げた unified margin が、ここでは制約として出てきます。担保を 1 つにまとめる設計は、崩れ方も 1 つにまとまるということでもあります。
事故の記録は「見つからなかった」まで
公開されている情報の範囲では、Pacifica で起きた攻撃(exploit)や oracle の操作、障害、matching engine の停止は、いずれも見つかりませんでした。これは、無事故が確認できたという意味ではありません。
探し方も書いておきます。2026-07-29 に、これらの語で横断的に検索し、事後報告が出ていないかまで確認しました。もっとも Pacifica は status page も障害履歴も公開しておらず、アプリ内のお知らせも 1 件しか残っていないため、一次情報から履歴を再構成することはできません。
なお 2026-04 に起きた Drift Protocol の約 2.85 億 USD の流出は、別の protocol の事案です。Pacifica のものではありません。
◆ ◇ ◆
紹介コードは有効、あとは Pacifica をどう見るかの判断
2026-08-07 時点で、紹介コード CHAINHELM は Pacifica で有効です。適用できるのはウォレットを接続する一度きり、確定するのは初回の入金の時点、得られるのはエアドロップポイントの 5% 上乗せです。ここまでが、この記事で確認できた答えです。
残るのは、Pacifica という取引所をどう見るかの判断です。判断を分けそうな点を、ここまでに出てきた事実から 3 つ挙げます。
1 つ目は、ポイントが将来の token に対する請求権ではないことです。公式は token も TGE も約束しておらず、規約は制度の変更と停止、ポイントの取消を裁量として留保しています。
2 つ目は、掲載されている唯一の監査報告書を外部から読めないことです。設計の説明は公開されていますが、第三者が検証した結果だけが確かめられません。
3 つ目は、自分の国での状態と、誰が義務を負うのかです。日本は除外地域に入らず、利用者を罰する条文も見当たりませんが、登録の義務を負うのは事業者で、当局は DEX の規制手法をまだ決めていません。
この 3 点をどれだけ重く見るかは、読む人によって変わります。見送るという結論も、十分にありうる答えです。