— 目次 11 項目
- 01 Phoenix 紹介コード「TFJA22W2」は今も使えるか?
- 02 Phoenix 紹介コード「TFJA22W2」の特典
- 03 Phoenix 紹介コードでの登録手順(ウォレット接続)
- 04 Phoenix 接続後にすべきこと
- 05 Phoenix 紹介コードは登録後に追加できない
- 06 Phoenix は Solana 上のオンチェーン板取引所:運営はパナマ法人、開発は Ellipsis Labs
- 07 出来高シェア 0.25% という規模と、ほかの perp DEX にはない板の設計
- 08 Phoenix が利用規約で除外している国と、除外を効かせている仕組み
- 09 日本では登録義務は事業者側にあり、Phoenix はその登録を持たない
- 10 Phoenix を使うときに負うリスク:未公開の監査、単一の鍵に集まった権限、ADL による損失の負担
- 11 コードは有効、判断を分けるのは招待制と未公開の監査、そして規模の小ささ
chainhelm 専用の Phoenix 紹介コードは です。
2026-08-08 時点で、新規ウォレットで実際に接続し、紹介コードが適用されることを確認済みです。
紹介リンクから Phoenix を開いて新しいウォレットをつなぐと、取引手数料10%オフが適用されます。コードを打ち込む欄はなく、リンク経由でつないだ最初の一度だけで決まるので、下のボタンから始めてください。
本記事では、Phoenix 紹介コードを使った登録手順(ウォレット接続)を chainhelm 編集チームが実際に検証したうえで、Phoenix の特徴、日本での利用可否、リスクもあわせて解説します。
Phoenix 紹介コード「TFJA22W2」は今も使えるか?
chainhelm 編集チームが 2026-08-08 に新規ウォレットで Phoenix に接続し、紹介コード「TFJA22W2」が今も使えることを確認しました。
こちらの画像は、検証時に撮影した実際の画面です。
chainhelm では、コードが引き続き利用できるかを継続的に検証しております。
コードそのものは「TFJA22W2」の 8 文字ですが、実際に使うのは紹介リンク https://phoenix.trade/?code=TFJA22W2 のほうです。Phoenix の登録フローにはコードを打ち込む欄が用意されておらず、このリンクを開いた状態で新しいウォレットをつなぐと、その時点で紹介の関係が結び付きます。
適用されたかどうかを、紹介される側の画面で確かめる方法はありません。今回のフローでもコードの入力欄は最後まで出てこず、誰の紹介で登録したのかを示す表示も現れませんでした。アプリの中にある紹介ページは紹介する側の画面なので、これから登録する人にとっての確認面にはなりません。
先にもう一つお伝えしておきます。Phoenix は招待制のまま運用されており、2026-08-06 時点で取引所の状態を返すエンドポイントは gated=true を返していました。ウォレットをつないだだけで取引の権限まで届くとは限らない、という前提で読み進めてください。
Phoenix 紹介コード「TFJA22W2」の特典
紹介リンクから接続すると、Phoenix で以下の特典が受けられます。
- 特典
- 取引手数料10%オフ
- 有効期限
- なし
- 対象
- 新規ユーザー
特典を受け取るには、紹介リンクを開いた状態でウォレットをつなぐ必要があります。先に別の経路で接続を済ませてしまうと、後から特典を付け直すことはできません。
Phoenix 紹介コードでの登録手順(ウォレット接続)
PC・ブラウザで接続する場合と、スマホ(モバイル)で接続する場合に分けて解説します。
開くのは https://phoenix.trade/?code=TFJA22W2 です。このリンク自体がコードを運ぶので、これから見ていく画面の中にコードを入力する場面は出てきません。
Phoenix はいまも招待制です。2026-08-06 時点で取引所の状態を返すエンドポイントは gated=true を返しており、フロントエンドには招待コードを入力する画面も組み込まれています。実務上は、紹介リンクがそのままアクセスの経路を兼ねる形になっています。公式ドキュメントは「紹介コードがアクセスに必須」とまでは書いていないので、ここは実際に観測された挙動として読んでください。
接続そのものは Privy という仕組みを経由します。公式ドキュメントには、手持ちの Solana ウォレットをつなぐ経路と、email などでサインインして embedded wallet(サービス側が用意するウォレット)を作る経路の 2 通りが書かれています。一方、2026-08-08 の実機で選択画面に出てきたのは Phantom と Solflare の 2 つだけでした。以下の手順は、実際に表示された画面のとおりに進めます。
本人確認書類の提出は求められません。
PC・ブラウザでの接続手順
1. まずは、Phoenix 公式ページ を開いてください(紹介コードが適用されたリンクです)。開くと、以下のような画面になります。
2. 「Connect new wallet」をクリックする
取引画面に重なって開いたサインイン画面で、一番上の「Connect new wallet」をクリックすると、接続するウォレットを選ぶ画面に切り替わります。上部の進行表示は「Sign In」「Create account」「Access Phoenix」の3段階で、現在地は先頭の「Sign In」です。
3. 接続するウォレットを選ぶ
「Select your wallet」と表示された選択画面で、Phoenix のアカウントにつなぐウォレットとして「Phantom」をクリックします。選べるのは「Phantom」と「Solflare」の2つで、選ぶとウォレット側の応答待ちに切り替わります。
4. Phantom の応答を待つ
「Waiting for Phantom」と表示された待機画面のまま、Phantom の接続確認が開くまで待ちます。同時につなぐウォレットは1つだけにするよう案内されているので、ほかのウォレットは接続しないでおきます。
5. 「Connect」で接続を許可する
Phantom のウィンドウで接続先が「phoenix.trade」であることを確かめ、下部の「Connect」をクリックすると、サイト側の表示が次の段階に進みます。ここで許可されるのは選んだアカウントの残高と取引状況の閲覧までで、やめるときは「Cancel」を選びます。
6. 署名リクエストの承認に進む
「Sign message to continue」と出た待機画面はそのままに、ウォレット側に届く署名リクエストの承認へ進みます。上部の進行表示は「Create account」の段階に移っており、署名が済むまでサイト側はこの表示で待ちます。
7. 「Confirm」で署名を確定する
Phantom の「Sign Message」画面で要求元が「phoenix.trade」であることを確かめ、下部の「Confirm」をクリックすると署名が通り、サインインが完了します。この署名は選んだアカウントの持ち主であることを示すためのもので、やめるときは「Cancel」を選びます。
スマートフォン(iOS / Android)での接続手順
1. まずは、Phoenix 公式ページ をモバイルのブラウザまたはウォレットアプリ内ブラウザで開いてください(紹介コードが適用されたリンクです)。開くと、以下のような画面になります。
2. 「Connect new wallet」をタップする
画面の下から出てきたサインインのシートで、一番上の「Connect new wallet」をタップすると、接続するウォレットを選ぶ画面に変わります。上部の進行表示は「Sign In」「Create account」「Access Phoenix」の3段階で、現在地は先頭の「Sign In」です。
3. 接続するウォレットを選ぶ
「Select your wallet」と表示されたシートで、Phoenix のアカウントにつなぐウォレットとして「Phantom」をタップします。選べるのは「Phantom」と「Solflare」の2つで、選ぶとウォレットアプリの応答待ちに切り替わります。
4. Phantom アプリの応答を待つ
「Waiting for Phantom」と表示された待機中のシートはそのままに、Phantom アプリの接続確認が開くまで待ちます。同時につなぐウォレットは1つだけにするよう案内されているので、ほかのウォレットアプリは接続しないでおきます。
5. 「Connect」で接続を許可する
前面に切り替わった Phantom アプリで接続先が「phoenix.trade」であることを確かめ、下部の「Connect」をタップすると、サイト側の表示が次の段階に進みます。ここで許可されるのは選んだアカウントの残高と取引状況の閲覧までで、やめるときは「Cancel」を選びます。
6. 署名リクエストの承認に進む
「Sign message to continue」と出た待機中のシートはそのままに、Phantom アプリに届く署名リクエストの承認へ進みます。上部の進行表示は「Create account」の段階に移っており、署名が済むまでこの表示のまま待ちます。
7. 「Confirm」で署名を確定する
Phantom アプリの「Sign Message」画面で要求元が「phoenix.trade」であることを確かめ、下部の「Confirm」をタップすると署名が通り、サインインが完了します。この署名は選んだアカウントの持ち主であることを示すためのもので、やめるときは「Cancel」を選びます。
Phoenix 接続後にすべきこと
PC・ブラウザで入金する場合と、スマホ(モバイル)で入金する場合に分けて解説します。
入金の前に、担保として使える資産を押さえておきます。Phoenix が受け付ける担保は USDC だけで、公式ドキュメントには「ほかの担保資産は将来追加されうる」としか書かれていません。入金した Solana の USDC は Ember という仕組みを通り、1 対 1 で Phoenix 独自の USD(Phoenix USD)に包み直されてから板に届きます。残高の表示が手元の USDC と違って見えても、この工程を挟んでいるためです。
最低入金額の定めは、2026-08-06 時点の公式ドキュメントには見当たりません。
入金元にできるチェーンは Solana、Ethereum、Base、Arbitrum、HyperEVM の 5 つです。Solana 以外からの入金に自前のブリッジは無く、第三者の Relay が交換とブリッジを実行します。画面に出る見積もりは Relay が出したもので、依頼した時点の送出元チェーンの gas 代で変わります。実際に着く金額が、最初の見積もりとずれることもあります。入金画面の下段にある「Deposit from Anywhere」の実体が、この経路です。
PC・ブラウザでの入金手順
画面右上の「Deposit」をクリックすると「Deposit USDC」の画面が開き、「Deposit from」には接続済みのウォレットが「Connected wallet」として選ばれています。
「Amount」の欄に入金する USDC の金額を入力し、全額を入れるときは右側の「MAX」を使います。入力できる上限は欄の下の「Available funds」に出ている残高で、金額を決めたら「Submit Deposit」をクリックして入金します。
接続したウォレット以外から入れたいときは、下段の「Deposit from Anywhere」を選ぶと、Solana やほかのチェーンから入金用アドレスへステーブルコインを送る方法に切り替わります。
スマートフォン(iOS / Android)での入金手順
「Deposit」をタップすると「Deposit USDC」のシートが下から開き、「Deposit from」には接続済みのウォレットが「Connected wallet」として選ばれています。
「Amount」の欄に入金する USDC の金額を入力し、全額を入れるときは右側の「MAX」を使います。入力できる上限は欄の下の「Available funds」に出ている残高で、金額を決めたら「Submit Deposit」をタップして入金します。
接続したウォレット以外から入れたいときは、下段の「Deposit from Anywhere」をタップすると、Solana やほかのチェーンから入金用アドレスへステーブルコインを送る方法に切り替わります。
入金が反映されると残高が使えるようになり、そのまま取引を始められます。
Phoenix 紹介コードは登録後に追加できない
紹介コードが適用できるのは、最初のウォレット接続の一度きりです。
適用せずに接続を終えてしまうと、同じウォレットに後から紹介コードを紐づける方法はありません。適用したい場合は、新しいウォレットで接続し直すことになります。
後から追加できないのは、運用の決まりというより画面の作りによるものです。登録フローにコードの入力欄が存在しないため、後から欄を探して入力する、という試み自体が成立しません。
適用された後も、紹介される側に確認面はありません。アプリの中の紹介ページは紹介する側の画面なので、登録した直後に自分の適用状態を照らし合わせる用途には使えません。入力欄も確認面も無いからこそ、入口の一度きりが効いてきます。
それでも適用したい場合の経路は一つだけです。まだ Phoenix につないだことのない新しいウォレットを用意し、紹介リンクから接続し直すことになります。
◆ ◇ ◆
Phoenix は Solana 上のオンチェーン板取引所:運営はパナマ法人、開発は Ellipsis Labs
運営はパナマ法人、開発は Ellipsis Labs
利用規約に運営者として名前が出るのは Solstice Technologies S. de R.L. で、パナマ共和国の法律に基づいて設立された会社だと記されています。この会社が phoenix.trade のフロントエンドと関連サービスを運営しています。
プロトコルそのものを作っているのは Ellipsis Labs です。共同創業者の Eugene Chen と Jarry Xiao はいずれも高頻度取引の出身です。ただし Ellipsis Labs 自体の法人設立地は公式サイトに開示がなく、一次情報も見つかっていません。
Phoenix の開始年として 2023 年と 2025 年の 2 つが出てきますが、これは別の製品の年です。perp DEX として見るときの起点は、上の年表のとおり 2025-12-11 になります。
板と決済が Solana の 1 トランザクションで完結する
決済の舞台は Solana の mainnet-beta です。専用チェーンでも rollup でも独自の L2 でもなく、アプリケーションのプログラムを Solana の L1 に直接置く形で動いています。perpetuals のプログラムは EtrnLzgbS7nMMy5fbD42kXiUzGg8XQzJ972Xtk1cjWih で、注文も約定も取消も、すべて Solana の台帳に載ります。
板は完全にオンチェーンの central limit order book です。買いと売りの注文を価格順に並べ、同じ価格なら先に出した注文から約定する、取引所でおなじみの仕組みがそのままチェーン上にあると考えてください。これに加えて spline liquidity という気配の出し方があります。マーケットメイカーが中値・売買それぞれの値幅・その中での厚みを指定すると、エンジンがそれを実際の板の価格帯へ展開します。
もう一つの特徴が crankless であることです。オンチェーンの板を持つ取引所の多くは、約定した取引を外部の cranker が後から決済する工程を必要としますが、Phoenix では約定と決済が 1 つの Solana トランザクションの中で完結します。
62 市場、レバレッジは最大 40 倍、担保は USDC のみ
2026-08-06 に公開 API を確認した時点で、稼働している市場は 62 でした。内訳は暗号資産が 35、株式が 23、コモディティが 4(GOLD、SILVER、COPPER、WTIOIL)です。株式は AAPL、NVDA、TSLA、MSFT、GOOGL、META、AMZN といった米国上場銘柄が中心で、未上場の SPCX と米国外に上場する SKHY も含まれます。公式ドキュメントに出てくる 3 市場という数字は、API から値を取れないときに表示される代替値の例であって、実数ではありません。
レバレッジは市場ごとに違います。日本から観測した 2026-08-06 の値では、BTC が 40 倍、SOL・ETH・GOLD・SILVER が 25 倍、株式の perps はおおむね 10 倍から 20 倍、小型の市場は 3 倍から 5 倍でした。
口座は portfolio と subaccount という 2 つの番号の組で表され、subaccount の番号の違いが損失の波及範囲を分けます。
- cross 口座(subaccount 0)
- 担保のプールを 1 つ共有したまま、最大 128 のポジションを同時に持てる口座です。
- isolated 口座(subaccount 1 以上)
- 単一のポジションだけを持つ口座で、担保を割り当てた後は、その損失が cross 口座から自動で引かれることはありません。GOLD、SILVER、COPPER、WTIOIL、ANSEM、SKR の 6 市場はこちら専用です。
どちらの口座でも、預けられる担保は USDC だけです。
手数料は maker 0.5 bps / taker 3.5 bps の一律で、階層もトークン割引も無い
手数料は maker が 0.5 bps、taker が 3.5 bps の一律です。公開 API が返す値も 62 市場すべてで同じで、出来高の階層も staking の階層も存在しません。
1 万ドルの取引にかかる手数料は、taker で 3.50 ドル、maker で 0.50 ドルPhoenix 公式 Docs の換算例
Phoenix にはプロトコルのトークンがないため、トークンを保有して手数料を下げるという経路自体が存在しません。公式ドキュメントが手数料の変動要因として挙げているのは、紹介による割引と、次に触れる builder fee の 2 つだけです。
funding は 1 時間ごとのスナップショットで発生し、24 時間かけて精算されます。計算式は Funding = (Mark Price - Index Price) x Rate で、mark price が index price を上回れば long が short に払い、下回れば逆になります。1 回あたりの上限は市場ごとに 0.172% から 0.433% の範囲でした(2026-08-06)。
gas はどうでしょうか。約定と決済が 1 トランザクションで終わるため、決済のための別建てのコストも crank のコストもありません。Ellipsis Labs は個人トレーダーにとって gasless だと述べています。土台となる Solana のネットワーク手数料は残りますが、プロトコル側の上乗せは記載がありません。
コストが上振れする条件もあります。Flight という仕組みでは、アプリやターミナル、ボットの提供者が builder authority を登録して自分で bps を決められ、その分がもとの taker 手数料に上乗せされます。掛かるのは板から流動性を取る注文だけで、板に置いたままの指値には掛かりません。公式ドキュメントは上限も許容レンジも公開していないため、0.5 / 3.5 bps が基準として成り立つのは、phoenix.trade を直接使う場合だと考えてください。
出来高シェア 0.25% という規模と、ほかの perp DEX にはない板の設計
出来高・建玉・手数料収益で見た現在地
建玉に順位が付いていないのは、DefiLlama のテーブルが出来高順に並んでいるためです。建玉の数字自体は公開されていますが、建玉順のランキングは有料の API 側にあり、順位は取れていません。
数字の並びで目を引くのは、出来高が 33 位なのに対して手数料収益が 17 位に来ている点です。ここでは対比を示すにとどめ、理由の断定はしません。
CoinGecko のデリバティブ取引所一覧(135 件)にも CoinMarketCap にも、Phoenix の掲載はありませんでした(2026-08-06)。集計サイトから探す読者の目には、まだ入らない取引所ということになります。
参考値としてよく出てくる TVL の 908,384 ドルは、DefiLlama の親カテゴリである Phoenix の数字で、spot の板の流動性を追ったものです。perp の担保規模ではないので、規模を測るなら建玉のほうを見てください。
数字の読み方を左右する 2 つの条件:インセンティブ期間中の観測と、TVL の集計範囲
1 つ目の条件は、これらの数字が Flight Club の期間内の観測値だという点です。Flight Club は 2026-07-27 から 2026-08-23 まで、1 日 15,000 USDC、総額 420,000 USDC を配る報酬プログラムです。報酬は取引量、ポジションの保有、紹介経由の出来高に応じて配られる設計です。いまの活動量がインセンティブでどれだけ膨らんでいるかは分からず、2026-08-23 より先の期間にそのまま当てはめて読むことはできません。参考までに、インセンティブなしの累計 perp 出来高が 10 億ドルを超えたと報じられたのは 2026-07-28 前後です。
2 つ目は、先ほど触れた TVL の集計範囲です。DefiLlama は Phoenix Perp 単独の TVL 系列を出していないため、この数字を perp の担保として読むことはできません。
ほかの perp DEX と分かれる設計
crankless なオンチェーン板
spline liquidity
入口の料率が唯一の料率
RWA perps と Impact Pricing
もう一つ、外から見えにくい特徴が Flight の builder codes です。誰でも builder authority を登録して、自分の bps を決められます。Phoenix の SDK 経由で注文を出し、受け取った手数料は自分の trader account に担保として貯めて、いつでも引き出せます。事業提携を結ばなくても第三者のフロントエンドが収益化できる、という設計です。
ここで示せるのは市場の中での位置づけまでで、どこを使うべきかという話には踏み込みません。
Phoenix が利用規約で除外している国と、除外を効かせている仕組み
規約が名指しで除外している国と、その列挙が上限ではない理由
上の表の最後の行が、この規約でいちばん見落とされやすい部分です。残余条項がある以上、名前の挙がった国は最低限の列挙であって、これで全部ということではありません。自国がリストに載っていないことは、規約の外にいることの証明にはならない、という読み方になります。
公式ドキュメントには「Phoenix is not available in the U.S. or sanctioned jurisdictions」という短い言い方も出てきますが、これは規約より狭い記述です。現在の利用可否を示す文としては、この一文ではなく規約のほうを見てください。規約の最終更新は 2026-07-27 です。
除外の効かせ方は、アクセスのたびの表明とアプリ層の招待ゲート
規約に書かれている執行の方法は、IP による遮断の宣言ではありません。契約の文言と、アクセスの層で効かせる形です。利用者は Restricted Person ではないことを、サービスにアクセスしたり利用したりするたびに表明することになっており、18 歳以上という要件も置かれています。あわせてプライバシーポリシー(2026 年 5 月更新)は、IP アドレスなどの手がかりからおおよその所在地を割り出し、地理的な制限を執行しうると記述しています。
これとは別の軸で効いているのが招待のゲートです。取引所の状態を示すエンドポイントは 2026-08-06 に gated=true を返しており、API 側にも招待の検証やウォレットの招待状態を確認するエンドポイントがあります。こちらは地理的な制限とは別物で、全世界に一律で掛かっています。
ウォレットのスクリーニングや attestation の仕組みについては、公式ドキュメントに記述がありません。
フロントエンドとオンチェーンプログラムの二層構造
phoenix.trade のフロントエンドと関連サービスを運営しているのはパナマの Solstice Technologies S. de R.L. で、除外地域の制限と招待ゲートを定めているのは、この運営者の利用規約です。一方、注文の突き合わせと決済は Solana のプログラム側で処理されます。規約 1.1 はフロントエンドを「非カストディアルで情報提供のためのもの」と位置づけ、プロトコルへアクセスする唯一の手段ではないと述べています。取引を実行するのはプロトコルであって運営会社ではない、とも書かれています。
ただし、プログラムの層が運営者から独立しているわけではありません。プログラム自体が単一の権限でアップグレードでき、risk、market、oracle、ADL、cancel、backstop を含む 7 つの役割の権限セットの下で動いています。フロントエンドだけに地理的な制限が掛かっている、という理解はこの構造では成り立ちません。
当局の動きと、この所見が覆う期間の短さ
2026-08-06 時点で、Phoenix、Phoenix Perpetuals、Solstice Technologies、Ellipsis Labs のいずれについても、規制当局の措置、警告、執行手続は見つかっておらず、ライセンスの保有も確認されていません。
姿勢としては、事後対応というより事前回避の型に見えます。パナマ法人で運営し、個人向けの perpetual futures がもっとも直接的に禁じられている 3 つの法域(米国、カナダ、英国)と制裁地域を、規約の側で外しているためです。
目を向けるべきなのは、過去の事件よりも扱っている商品の側です。2026 年 6 月以降、Phoenix は上場株式を参照する perpetuals を扱っており、株式の銘柄数は 6 月中旬の 3 から 8 月初旬の 23 まで増えました。株式やコモディティを参照するデリバティブは、主要な市場では規制対象の商品類型に当たります。
当局の動きが無いという所見には、射程の限界があります。perp の取引所として動いているのは 2025-12-11 以降なので、これは長い無事故記録ではなく、観測できた期間の短さの反映です。
日本では登録義務は事業者側にあり、Phoenix はその登録を持たない
利用規約に日本の記載は無く、利用を禁じる法律も確認されていない
日本は Phoenix の利用規約が定める Restricted Person の列挙に入っていません。公開されている規約の全文で「Japan」が出てくる回数は 0 回でした(2026-07-27 版)。
✓2026-08-06、日本と判定される IP から phoenix.trade に到達確認の中身はこうです。AWS の ap-northeast-1(東京)から HTTP で確かめたところ、トップページと /portfolio がいずれも HTTP 200 を返しました。レスポンスヘッダには set-cookie の phoenix-geo-blocked=0 が付き、サーバー側で描画された内容の isGeoBlocked も false でした。公開の markets API は 62 市場すべてを返しました。
この確認には限界があります。使ったのはデータセンターの IP で、日本の家庭回線の IP ではありません。ホスティング事業者の IP アドレス帯を別扱いする地理判定もあるため、家庭回線でも同じ結果になるかは確かめられていません。加えて招待のゲートがあるので、ウォレット接続より先の挙動、つまり取引や入金は日本から実行できておらず、この所見は認証前の層に限られます。
chainhelm が実際に手を動かして確かめたのは、ここまでの接続手順とコードの適用までです。ここから先の利用可否と規制の話は、公開されている資料から確認した内容になります。
義務の所在から見ていきます。日本の暗号資産規制は業規制として作られており、登録義務は事業者の側に課されます(資金決済法 63 条の 2 の暗号資産交換業登録、暗号資産デリバティブについては金融商品取引法の登録)。金融庁(FSA)が挙げる執行手段も、警告書、公表、アプリストアへの削除要請と、いずれも事業者に向いたものです。利用者は使用を禁じられる側ではなく、リスクを負う側に置かれています。
負うものの中身も、金融庁自身が整理しています。日本法の下で得られる保護が及ばず、トラブルが起きたときの救済が難しい、という点です。
読者の判断が変わりうる違いは、レバレッジにあります。個人向けの 2 倍上限(金融商品取引業等に関する内閣府令 117 条 1 項 47 号。必要証拠金は取引額の 50%)は「金融商品取引業者」に課される禁止行為で、未登録のオフショアのプロトコルはその名宛人ではありません。日本から観測した Phoenix の実レバレッジは BTC で 40 倍と、上限を大きく超えています。日本の個人向けの上限は、海外のプロトコルを使う利用者にまでは及びません。
規約には包括的な条項もあります。2.2(e) は、サービスの提供が会社にライセンス、登録、認可、承認の要件を生じさせる法域にいる者を Restricted Person とする条項です。日本がこれに当たるかを Phoenix は公表しておらず、日本の当局も判断を示していません。条項が存在するという事実として受け取ってください。
FSA は DEX の規制手法が確立していないと述べ、当面の対応を注意喚起に置いている
出どころは 2025-12-10 の金融審議会の作業部会報告書、4(5)(b)「DEX 等への対応」です。日本の当局が DEX について示したもののうち、もっとも直接的な整理にあたります。
報告書はまず、DEX に明確な定義が存在しないことを確認しています。そのうえで、現行法の下でも DEX プロトコルの開発や提供が暗号資産交換業に当たる場合はありうる、と述べています。一方で、この種のプロトコルは利用者を勧誘せず、公開後の人的な関与も少ないこと、米国と欧州が一定の DEX を規制の範囲外に置いていることも併記しています。リスクとしては、プロトコルの不具合による利用者の損失とマネーロンダリングの 2 つが挙げられています。結論部分は「現時点で DEX に対する明確な規制手法は確立していない」として、技術的特性に見合った規制を各国の動向を見ながら検討し続ける、という書き方になっています。
これとは別に、国内の居住者向けに DEX へ接続する利用者向けインターフェースを提供する事業者へ義務を課すことも、検討課題に挙がっています。リスク説明義務と、犯罪収益移転防止法の取引時確認を含むマネーロンダリング対策(AML)・テロ資金供与対策(CFT)が想定されており、まずはそうしたサービスの実態把握から始めるとされています。
当面の措置として書かれているのは注意喚起だけです。DEX や国内で登録の無い事業者との取引には想定外の損失のリスクがあることを利用者に十分理解させる、という内容で、居住者の DEX 利用を禁じる案は出ていません。
制度の土台自体は動いています。2026-07-23 に金融商品取引法と資金決済法の一部を改正する法律が令和 8 年法律第 64 号として公布され、暗号資産の取引規制を資金決済法から金商法へ移すことになりました。デリバティブ取引も金商法の枠組みに位置づけられています。施行日は政令で定めるとされており、本記事の調査時点では確認できていません。Phoenix や特定の DEX を名指しする規定も見つかっていません。
登録も、警告リストへの掲載も無い
金融庁の暗号資産交換業者の登録一覧(2026-06-30 時点、26 者)を Phoenix、Ellipsis、Solstice の 3 語で全文検索したところ、いずれも 0 件でした。無登録の金融商品取引業者に対する警告書一覧(HTML 版、2026-07-22 更新)、無登録の海外暗号資産交換業者のリスト(2024-11-28)、同じく国内向けのリスト(2025-02-18)にも掲載はありません。登録が無いこと自体は perp DEX として通常の状態で、欠陥を意味するものではありません。
Phoenix の側から日本向けに出された発表、FAQ、通知も一つもありません。フロントエンドの言語は英語とスペイン語だけで日本語版はなく、日本語で用意された Phoenix の情報も見つかっていません。金融庁の警告は、日本語のサイトなどで日本の居住者を勧誘する事業者を中心に運用されています。両者の関係については、事実を並べるにとどめます。
Phoenix を使うときに負うリスク:未公開の監査、単一の鍵に集まった権限、ADL による損失の負担
監査は旧 spot 板が対象で、perpetuals のコードは公開されていない
見つかった監査は OtterSec によるもので、対象は Phoenix Legacy、つまり 2023 年の spot 板のプログラム(PhoeNiXZ8ByJGLkxNfZRnkUfjvmuYqLR89jjFHGqdXY)です。いま資金を置く perpetuals のプログラムの監査は見つかっていません。README は監査があるとは書いていますが、日付は書かれていません。
探した範囲は次のとおりです。116 ページある公式ドキュメントの索引に、セキュリティや監査のページはありません。公開されている GitHub の Ellipsis-Labs にも perps の監査ディレクトリが無く、DeFiLlama は Phoenix Perp について監査 0 件・監査リンク無しと記録しています。
perpetuals のオンチェーンプログラムは、ソースコード自体も公開されていません。公開されているのは SDK の rise-public、Vulcan CLI、perps-observatory といった周辺のものだけです。したがって、デプロイ済みのコードを第三者が読むことも、ビルドを再現して検証することもできません。spot の v1 が MIT ライセンスで公開され、Solana Verify CLI で再現ビルドを検証できるのとは対照的な状態です。
bug bounty も、書かれている対象範囲は legacy の spot 側です(Immunefi の分類、最大 200,000 ドル)。perpetuals は対象に含まれていません。
アップグレード権限は単一の署名鍵にあり、timelock も multisig も無い
perpetuals のプログラムは BPF upgradeable loader でデプロイされており、アップグレード可能なままです。ProgramData アカウント(B5ayDaz9HegiNZqYeBtcFqfZBVSGwjB2CJgHshoSfMQg)の現在のアップグレード権限は GPgADQrhzGoUgLqxsZMKvSpwcLaJFVTq6gEixKhmcwpm で、これはプロトコルの rootAuthority と同じアドレスで、2026-08-06 に Solana の mainnet-beta の RPC へ直接問い合わせて確認した値です。
そのアドレスは System Program が所有し、アカウントのデータが 0 バイトでした。つまり素の署名者アドレスであって、Squads のようなプログラム所有の multisig ではありません。背後にオフチェーンの鍵管理があるかどうかは開示されていません。
timelock も、アップグレードの遅延も、ガバナンス投票も、公式ドキュメントに記述がなく、取引所の設定にも現れません。権限は root、risk、market、oracle、adl、cancel、backstop の 7 つの役割に分かれており、権限移譲の予約はいずれも入っていませんでした(2026-08-06)。
プログラムの中身は、単一の鍵で、予告の期間を置かずに差し替えられる状態にあります。
保険基金の記載が無く、残った損失は ADL で反対側のトレーダーに回る
保険基金(insurance fund)は公式ドキュメントのどこにも記述がなく、取引所の設定にも現れません。記述が無いことは存在しないことの証明にはならないので、ここは不明として扱います。
書かれている損失の吸収経路は 2 段です。板の流動性が足りず市場での清算が終わらないとき、ポジションは backstop のアカウントへ移されます。それでも足りなければ ADL(自動デレバレッジ)が働き、反対側で利益が出ている優先度の高いトレーダーにぶつけて、両方のポジションを閉じるか減らします。読者にとって効いてくるのは、残った損失が開示されたファンドではなく、利益を出している反対側のトレーダーへ割り振られる点です。ADL に当たった側は、想定より利益が減ることがあります。
清算の閾値は 62 市場すべてで同じ値でした(2026-08-06)。
健全性の段階は Safe、AtRisk、Cancellable、Liquidatable、BackstopLiquidatable、HighRisk と上がっていきます。リスクスコアはおおよそ「維持証拠金 / 実効担保 x 1000」で、1000 付近が清算の境目です。解消の順序は、リスクを増やす板上の指値の取消、板に対する市場清算、backstop への移管、最後の手段としての ADL、と進みます。市場清算は部分的でもかまいませんが、健全性を改善するか全部閉じる必要があり、市場ごとの上限も掛かります。明示的な清算のペナルティや清算手数料は書かれていません。
価格を作っている事業者が名指しされていない
oracle の提供者が特定できていません。公式ドキュメントは「外部の実物資産価格について、複数の独立したデータ提供者を使う」とだけ書いており、Pyth、Chainlink、Switchboard のいずれについても名前が出てきません(2026-08-06)。oracleAuthority も権限付きの鍵(8wTcJdg4Xw3wnvmBu7Sokn3c2UnnHUhuB5g9sfeCMidR)です。
mark price は、次の 3 つの中央値として決まります。調整済みの oracle 価格、板の価格(Phoenix の最良買い気配・最良売り気配・直近の約定の中央値)、外部取引所の価格(主要な外部の perp 価格の加重中央値)です。RWA(実物資産)の市場では、参照する市場が閉じている間、内部の板をもとにした Impact Pricing に切り替わります。62 市場のうち 27 が株式とコモディティなので、この切り替えが効く範囲は広いことになります。
公式のリスク文書自身が「Oracle price feeds can experience delays, gaps, or failures at times」「Oracle outages could trigger unexpected liquidations」と書いています。価格の作り手が見えないまま、価格の障害が清算につながりうる、という構図です。
出金は速度で制限され、取引コストは第三者経由で上振れしうる
出金を制限しているのは手数料ではなく、速度です。出金の予算は上限が 2,000,000 Phoenix USDC で、1 スロットあたり 450 USDC ずつ回復する仕組みです。プロトコル側の入出金手数料は書かれておらず、2026-08-06 時点の取引所の状態では出金は利用可能でした。混雑時や大口では、手数料の形ではなく順番待ちの形で出金が制約されうる、と読んでおくのが安全です。
取引コストの側では、Flight の builder code が上振れの条件になります。第三者のインターフェースが自分で bps を決め、もとの taker 手数料に上乗せする仕組みで、上限も許容レンジも公開されていません。0.5 / 3.5 bps を基準として当てにできるのは、phoenix.trade を直接使う場合に限られます。
運営はいつでも法域を制限でき、稼働の実績はまだ短い
運営は規約 2.2(f) と 2.4 で、どの法域でも予告なく自らの裁量で制限できる立場を留保しています。いま日本が除外されていないことは、この先も除外されないことを意味しません。
アプリ自体もまだベータです。2025-12-11 に waitlist 制の private beta として開き、完全に開放したという公式の発表は見つかっていません。取引所の状態も 2026-08-06 時点で招待制のままでした。
過去の事故についても、2026-08-06 の調査では exploit、oracle の障害、停止、depeg(ペッグ外れ)のいずれも見つかりませんでした。過去の法的な問題や規制上の措置の記録もありません。ただし、perp の取引所として動きだしたのは 2025 年 12 月です。記録が空なのは長く無事故だったからではなく、まだ日が浅いからだと受け取ってください。
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コードは有効、判断を分けるのは招待制と未公開の監査、そして規模の小ささ
紹介コード「TFJA22W2」は、2026-08-08 の一次検証の時点で有効でした。効くのは紹介リンクを開いて新しいウォレットを初めてつないだときで、得られるのは取引手数料10%オフです。同じウォレットに後から紐づけ直す方法はありません。
日本の読者への答えも出ています。日本は利用規約の除外リストに入っておらず、東京からの接続も通りました。日本の規制は事業者の側にかかっていて、利用そのものを禁じる法律は確認されていません。一方で Phoenix は日本の登録を持たないので、日本法の保護が及ぶ相手ではありません。
判断を分ける点は 3 つです。1 つ目は、perpetuals のプログラムに公開された監査もソースコードも無いこと。2 つ目は、招待制が続いているため、リンクを開いても取引まで届くとは限らないこと。3 つ目は、規模が perp 市場全体の 0.25%、DefiLlama の perps で 33 位にとどまり、しかもその数字が Flight Club の期間中の観測値であることです。
この 3 点をどう見るかは、読者ご自身の判断になります。ここは見送る、という結論も十分に筋の通った答えです。