— 目次 11 項目
  1. 01 Nado 紹介コード「5cnqg8y」は今も使えるか?
  2. 02 Nado 紹介コードでの登録手順(ウォレット接続)
  3. 03 Nado 接続後にすべきこと
  4. 04 Nado 紹介コードは登録後に追加できない
  5. 05 Nado のポイントは週ごとに配られ、トークンはまだ存在しない
  6. 06 Nado の運営は Spira Arc Inc.、決済は Ink L2、板はオフチェーンで動く
  7. 07 Nado は 24 時間出来高で 125 プロトコル中 23 位、シェアは 0.4%
  8. 08 Nado はどの国でも登録を取らず、地域の除外で規制に対応している
  9. 09 日本から Nado は使えるが、日本の投資家保護の枠組みは及ばない
  10. 10 Nado には公開された監査報告が無く、権限は署名者非公開のマルチシグに集まる
  11. 11 紹介コードが効くのは最初のウォレット接続の一度だけ

chainhelm 専用の Nado 紹介コードは です。

2026-08-10 時点で、新規ウォレットで実際に接続し、紹介コードが適用されることを確認済みです。

紹介コードが有効になるのは、最初のウォレット接続の一度きりです。

本記事では、Nado 紹介コードを使った登録手順(ウォレット接続)を chainhelm 編集チームが実際に検証したうえで、Nado の特徴、日本での利用可否、リスクもあわせて解説します。

Nado 紹介コード「5cnqg8y」は今も使えるか?

chainhelm 編集チームが 2026-08-10 に新規ウォレットで Nado に接続し、紹介コード「5cnqg8y」が今も使えることを確認しました。

こちらの画像は、検証時に撮影した実際の画面です。

— 図 1
紹介コードの確認画面
2026-08-10
紹介コードの確認画面
コード欄に 5cnqg8y が入り、「Agree to Terms」は未チェックで「Confirm」も押せない状態です。 出典: chainhelm 編集チーム

この先へ進むと、ウォレット側が求めてくる署名の文面に「I am using referral code 5cnqg8y」と書かれており、紹介コード 5cnqg8y が接続完了時に適用されることが確認できます。

この文面が出るのは、上の画面でコード欄を確かめて「Confirm」を押した直後です。署名画面そのものは、次章の登録手順で図とともに取り上げます。リンクが欄を埋めてくれた場合でも、どのコードで登録することになるのかを自分の目で読んでから承認できます。

chainhelm では、コードが引き続き利用できるかを継続的に検証しております。

Nado 紹介コードでの登録手順(ウォレット接続)

PC・ブラウザで接続する場合と、スマホ(モバイル)で接続する場合に分けて解説します。

PC・ブラウザでの接続手順

  1. まずは、Nado 公式ページ を開いてください(紹介コードが適用されたリンクです)。開くと、以下のような画面になります。

2. 取引画面右上の「Sign In」をクリック

— 図 2
サインイン前の取引画面
2026-08-10
サインイン前の取引画面
BTC 無期限先物のチャートと板が並び、右上と注文パネルの両方に「Sign In」が置かれた未接続の画面です。 出典: chainhelm 編集チーム

チャートや板はサインインしなくても確認できますが、取引に進むには画面右上の「Sign In」をクリックします。クリックするとサインイン方法を選ぶ画面に切り替わり、ここから wallet の接続に進みます。

3. 一覧から「Rabby Wallet」を選択

— 図 3
接続する wallet の一覧
2026-08-10
接続する wallet の一覧
「Select your wallet」に検索欄と Phantom・Rabby Wallet・MetaMask などが並んでいます。 出典: chainhelm 編集チーム

「Select your wallet」の一覧から、この記事では「Rabby Wallet」をクリックします。選んだ wallet への接続待ちに切り替わるので、目的の wallet が一覧に見当たらないときは上部の検索欄で絞り込んでから選びます。

4. 反応がないときは「Retry」

— 図 4
wallet の接続待ち
2026-08-10
wallet の接続待ち
「Waiting for Rabby Wallet」の下に再試行を促す文と「Retry」が並んだ接続待ちの状態です。 出典: chainhelm 編集チーム

「Waiting for Rabby Wallet」の表示のまま wallet の確認ウィンドウが開かないときは、「Retry」をクリックして接続をやり直します。押し直すと、接続を許可するかどうかの確認が改めて出てきます。

5. wallet 側で「Connect」を承認

— 図 5
wallet の接続確認
2026-08-10
wallet の接続確認
「Connect to Dapp」の画面に接続先 app.nado.xyz とネットワーク「Ink」、「Connect」が並んでいます。 出典: chainhelm 編集チーム

wallet の確認ウィンドウでは、接続先が https://app.nado.xyz になっていることと、右上のネットワークが「Ink」であることを確かめてから「Connect」をクリックします。承認すると wallet が接続され、Nado の画面では規約の確認に進みます。

6. 「Agree to Terms」で規約に同意

— 図 6
利用規約への同意
2026-08-10
利用規約への同意
「Terms of Use」に対象地域などに関する箇条書きが並び、下に「Agree to Terms」があります。 出典: chainhelm 編集チーム

wallet が接続されると開く「Terms of Use」で、居住地などに関する誓約の箇条書きを確認し、「Agree to Terms」をクリックします。画面右上の表示はすでに接続した wallet のアドレスに変わっており、この同意はリンク先の「Terms of Use」と「Privacy Policy」の両方に及びます。

7. 入力済みの紹介コードを確認

— 図 7
紹介コードの確認画面
2026-08-10
紹介コードの確認画面
コード欄に 5cnqg8y が入り、「Agree to Terms」は未チェックで「Confirm」も押せない状態です。 出典: chainhelm 編集チーム

続いて開く「Enter Referral Code」では、コード欄に紹介リンクの「5cnqg8y」がすでに入っていることを確かめます。この時点では「Agree to Terms」のチェックが外れていて「Confirm」を押せないので、上に並ぶ紹介プログラムの規約に目を通します。

8. 同意して「Confirm」

— 図 8
同意後の「Confirm」
2026-08-10
同意後の「Confirm」
「Agree to Terms」にチェックが入り、「Confirm」が押せる表示に変わっています。 出典: chainhelm 編集チーム

規約を確認したら「Agree to Terms」にチェックを入れ、色が変わって押せるようになった「Confirm」をクリックします。クリックすると wallet 側に署名の確認が届き、コードの適用はその署名で確定します。

9. 「Sign」で紹介コードに署名

— 図 9
紹介コードの署名要求
2026-08-10
紹介コードの署名要求
「Sign Text」に I am using referral code 5cnqg8y と示され、下に「Sign」が並びます。 出典: chainhelm 編集チーム

wallet の確認ウィンドウでは、「Sign Text」の欄に「I am using referral code 5cnqg8y」と紹介コードを使う旨だけが書かれていることを確かめ、「Sign」をクリックします。クリックすると、同じ文面のまま最終確認の表示に変わります。

10. 「Confirm」で署名を確定

— 図 10
署名内容の最終確認
2026-08-10
署名内容の最終確認
署名する文面は同じまま、下のボタンが「Sign」から「Confirm」に変わっています。 出典: chainhelm 編集チーム

ボタンが「Confirm」に変わったら、署名する文面が「I am using referral code 5cnqg8y」のままであることを見てから、もう一度クリックして署名を確定します。確定すると Nado の取引画面に戻ります。

11. 接続完了と「Deposit」の位置

— 図 11
紹介コード適用後の画面
2026-08-10
紹介コード適用後の画面
右上に接続した wallet のアドレスと「Deposit」が並び、紹介コードの適用まで済んだ取引画面です。 出典: chainhelm 編集チーム

取引画面に戻ったら、画面右上に接続した wallet のアドレスと「Deposit」が並んでいることを確認します。ここまでで wallet の接続と紹介コードの適用は終わり、入金はこの「Deposit」から始めます。

スマートフォン(iOS / Android)での接続手順

  1. まずは、Nado 公式ページ をモバイルのブラウザまたはウォレットアプリ内ブラウザで開いてください(紹介コードが適用されたリンクです)。開くと、以下のような画面になります。

2. 画面上部の「Sign In」をタップ

— 図 2
サインイン前の取引画面
2026-08-10
サインイン前の取引画面
BTC 無期限先物のチャートの上に「Sign In」が置かれ、まだ wallet を接続していない状態の画面です。 出典: chainhelm 編集チーム

チャートや板はサインインしなくても見られますが、取引に進むには画面上部の「Sign In」をタップします。タップするとサインイン方法を選ぶシートが下から開きます。

3. 「Continue with a wallet」を選択

— 図 3
サインイン方法の選択
2026-08-10
サインイン方法の選択
「Sign in to trade」のシートに、メールアドレス欄と「Continue with a wallet」が並んでいます。 出典: chainhelm 編集チーム

「Sign in to trade」と表示されたシートで「Continue with a wallet」をタップすると、接続する wallet を選ぶ画面に切り替わります。上のメールアドレス欄に入力して「Submit」で進む方法もありますが、ここでは wallet を接続する経路を使います。

4. 一覧から「Rabby Wallet」を選択

— 図 4
接続する wallet の一覧
2026-08-10
接続する wallet の一覧
「Select your wallet」のシートに検索欄と Phantom・Rabby Wallet・MetaMask などが並んでいます。 出典: chainhelm 編集チーム

下から開いた「Select your wallet」の一覧で「Rabby Wallet」をタップすると、その wallet への接続待ちに切り替わります。一覧は指でスクロールでき、目的の wallet が見当たらないときは上部の検索欄で絞り込めます。

5. 反応がないときは「Retry」

— 図 5
wallet の接続待ち
2026-08-10
wallet の接続待ち
画面下半分に「Waiting for Rabby Wallet」と再試行を促す文、「Retry」が収まっています。 出典: chainhelm 編集チーム

「Waiting for Rabby Wallet」の表示のまま接続が進まないときは、「Retry」をタップして接続をやり直します。タップすると wallet への要求が送り直され、接続を許可するかどうかの確認が改めて表示されます。

6. 「Agree to Terms」で規約に同意

— 図 6
利用規約への同意
2026-08-10
利用規約への同意
「Terms of Use」のシートに対象地域の箇条書きが並び、下端に「Agree to Terms」があります。 出典: chainhelm 編集チーム

下から開いた「Terms of Use」で、居住地などに関する誓約の箇条書きをスクロールして確認し、画面下の「Agree to Terms」をタップします。画面上部の表示はすでに接続した wallet のアドレスに変わっており、この同意はリンク先の「Terms of Use」と「Privacy Policy」の両方に及びます。

7. 入力済みの紹介コードを確認

— 図 7
紹介コードの確認画面
2026-08-10
紹介コードの確認画面
シート内のコード欄に 5cnqg8y が入り、「Agree to Terms」は未チェックのままです。 出典: chainhelm 編集チーム

下から開いた「Enter Referral Code」では、コード欄に紹介リンクの「5cnqg8y」が入っていることを確かめます。「Agree to Terms」のチェックが外れているあいだ「Confirm」は押せないので、上に並ぶ紹介プログラムの規約をスクロールして確認します。

8. 同意して「Confirm」

— 図 8
同意後の「Confirm」
2026-08-10
同意後の「Confirm」
「Agree to Terms」にチェックが入り、下の「Confirm」が押せる表示に変わっています。 出典: chainhelm 編集チーム

規約を確認したら「Agree to Terms」をタップしてチェックを入れ、白く変わって押せるようになった「Confirm」をタップします。タップすると wallet 側で署名を求められ、コードの適用はその署名で確定します。

この署名を終えた時点で、wallet の接続と紹介コードの適用はどちらも完了です。入金の入口は次の章で見ていきます。

Nado 接続後にすべきこと

PC・ブラウザで入金する場合と、スマホ(モバイル)で入金する場合に分けて解説します。

PC・ブラウザでの入金手順

入金の入口は、接続が終わった取引画面の右上にある「Deposit」の 1 箇所だけです。

— 図 1
暗号資産での入金方法
2026-08-10
暗号資産での入金方法
受け取り通貨が USDT0 の入金画面に、「Transfer Crypto」と「Connect Exchange」が並んでいます。 出典: chainhelm 編集チーム

「Deposit」をクリックして入金の画面を開き、受け取る通貨が「Select destination token」で「USDT0」になっていることを確かめます。

「Use Crypto」のタブでは、自分の wallet から送る「Transfer Crypto」(No limit・Instant)と、取引所の口座をつないで送る「Connect Exchange」(No limit・2 min)のどちらかを選びます。

— 図 2
現金での入金方法
2026-08-10
現金での入金方法
「Use Cash」の入金画面に「Card」と「Google Pay」が $115k limit・Instant で並んでいます。 出典: chainhelm 編集チーム

暗号資産を用意していない場合は、同じ入金画面で「Use Cash」のタブに切り替えます。「Card」と「Google Pay」のどちらにも「$115k limit・Instant」と示され、上の受け取り通貨は「USDT0」のまま残ります。

スマートフォン(iOS / Android)での入金手順

モバイルでも入金の入口は同じで、接続後の画面から「Deposit」を開きます。

— 図 1
暗号資産での入金方法
2026-08-10
暗号資産での入金方法
入金のシートで受け取り通貨が USDT0 になり、「Transfer Crypto」と「Connect Exchange」が並んでいます。 出典: chainhelm 編集チーム

入金の画面を開いたら、受け取る通貨が「Select destination token」の「USDT0」になっていることを確かめ、別の通貨で受け取るときはここをタップして選び直します。

「Use Crypto」のタブでは、自分の wallet から送る「Transfer Crypto」(No limit・Instant)と、取引所の口座をつないで送る「Connect Exchange」(No limit・2 min)のどちらかをタップして選びます。

— 図 2
現金での入金方法
2026-08-10
現金での入金方法
「Use Cash」に切り替えたシートに「Card」と「Google Pay」が $115k limit・Instant で並んでいます。 出典: chainhelm 編集チーム

暗号資産を用意していない場合は、同じ入金のシートで「Use Cash」に切り替えます。「Card」と「Google Pay」のどちらにも「$115k limit・Instant」と示され、上の受け取り通貨は「USDT0」のまま残ります。

ここまでで、受け取る通貨の指定と、暗号資産なら「Transfer Crypto」か「Connect Exchange」、現金なら「Card」か「Google Pay」という入金の入口まで確認できました。

Nado 紹介コードは登録後に追加できない

紹介コードが適用できるのは、最初のウォレット接続の一度きりです。

適用せずに接続を終えてしまうと、同じウォレットに後から紹介コードを紐づける方法はありません。適用したい場合は、新しいウォレットで接続し直すことになります。

コードが入っていることを自分の目で確かめられるのは、接続の途中に出てくる次の 2 つの画面だけで、接続後に見返せる画面はありません。

  • 「Enter Referral Code」の画面で、コード欄に 5cnqg8y が入っていること
  • 続けてウォレットに届く署名の文面が「I am using referral code 5cnqg8y」になっていること

コードが欄に入る経路は 2 通りあります。紹介リンクから開いた場合は「Enter Referral Code」のコード欄に自動で入り、リンクを使わずに来た場合も同じ欄に手で入力できます。どちらの経路でも、確定するのは接続時のこの 1 画面です。

入れ忘れが起こりうるのは、コードが登録の条件ではないからです。2026-05-21 に始まったシーズン 2 でアクセスが開放され、招待制は終わりました。コードを入れないまま「Confirm」を押しても接続そのものは完了してしまうので、コード欄の中身は押す前に確かめておくことになります。

下のボタンから開くと、紹介コードが入った状態で登録ページに進みます。

◆ ◇ ◆

Nado のポイントは週ごとに配られ、トークンはまだ存在しない

ここから先は、紹介コードそのものではなく、コードを入れて接続する相手の話です。最初に取り上げるのは Nado のポイント制度で、取引の量に応じて毎週ポイントが配られます。Nado で取引する動機として、多くの人が最初に目にする部分でもあります。

いま走っているのはシーズン 2、開始は 2026-05-21

制度の名前は Nado Points です。区切りはこれまでに 3 つあり、いま走っているのは 3 つ目のシーズン 2 にあたります。

2026-01-30
Open Beta の公開とシーズン 1 の開始。これに先立つ招待制の Private Alpha は、6,915,074 ポイントを配って終了しました。シーズン 1 は毎週 950,000 ポイントの固定枠で、木曜にスナップショット、金曜に配布という運用でした。
2026-05-21
シーズン 2 の開始。招待制が撤廃されて誰でもアクセスできるようになり、週ごとの配分枠は固定から出来高連動へ切り替わりました。
2026-05-22
シーズン 1 の最終配布。Private Alpha からの通算で 24,941,776 ポイントが配られました。

これから参加する人は、この通算 24,941,776 ポイントの外側から積み上げる位置に立ちます。シーズン 2 にはポイント残高も、Trader Tier の履歴も、NFT の倍率も、既存の referral 関係もそのまま引き継がれました。先行して取引してきた人との差は、シーズンが変わっても持ち越されている状態です。

週の配分枠は 30 万ポイントの下限から 95 万ポイントの上限まで動く

シーズン 2 の週次プールは固定枠ではありません。その週の活動量に関係なく 300,000 ポイントが下限として払われ、プロトコル全体の出来高が伸びるほど 950,000 ポイントの上限に向かって増えていきます。出来高 1 ドルあたりの積み上がり方は一定ではなく、出来高が大きくなるほど加速する設計です。

そのプールを個人でどう分け合うかは、別に計算されます。基準になるのは、その週のプロトコル全体に対する自分の取引の比率です。そこに手数料 tier と、Nado が toxicity と呼ぶ指標による調整が入ります。取引量が同じでも、受け取るポイントが人によって変わる余地はここにあります。

ポイントが積み上がる経路は 3 つです。取引、NLP vault への参加(週ごとの平均出資比率で評価されます)、そして実際の利用につながった referral です。

積んだポイントは譲渡も売買もできず、Nado のアプリ内に表示されるだけの存在です。週ごとのポイント順位からは Breeze から Tornado までの Trader Tier が決まり、この区分は今後の NLP の仕組みに影響するとされています。

トークンは存在せず、ポイントの転換先も公表されていない

Nado にネイティブトークンはありません。2026-07-29 時点で、トークンの発行(TGE)も行われていません。

公式ドキュメントがポイントについて書いているのは、プロトコル全体での参加に報いる中核の仕組みであること、譲渡も売買もできずアプリ内に反映されること、この 2 点までです。トークンを約束する記述も、ポイントを何かに換える経路の記述も、そこにはありません。

転換を約束する公式声明も、否定する公式声明も見つかっていません。第三者の情報としては、ポイントが特定のトークンに換わるという主張が広く流通していますが、一次情報の裏付けが取れていないため、この記事では事実として扱いません。ポイントを目的に取引するのであれば、換算率も配布時期も現時点では誰にも分からない、というところから始まります。

配分が減る、あるいはゼロになる条件は公表されている

受け取りに関わる制限として、公式に書かれているものが 3 つあります。

地理的な制限
規約の Restricted Territories はアクセスそのものに掛かるため、対象地域の居住者は制度に参加できません。
取引側の禁止行為
wash trading や自己約定のような、実態を伴わない取引は禁じられ、その週の配分を減らされるかゼロにされることがあります。シーズン 2 では toxicity による個人の取り分の調整も入ります。
referral 側の禁止行為
referral farming や、示し合わせた質の低い活動も同じ扱いです。その週の referral ポイントが減額またはゼロになりえます。

このほか、キャンペーンや referral には別途の規則が置かれる場合があると明記されています。参加する時点で読める条件が全てとは限らない、ということです。

実際に配られた実績は Templars of the Storm NFT の 1 件

過去に実際の配布が行われたのは、2026-01-29 の NFT が 1 件だけです。

1,200発行総数2026-01-29 配布
1,000ユーザー配布Private Alpha のポイント上位 30% に先着
150将来配布用運営が留保
50チーム運営が留保

この NFT には現在も 2 つの機能が付いています。1 つは Wind Force という属性(trait)に応じた週次のポイント倍率で、保有しているウォレットにだけ適用されます。もう 1 つは自動で付く手数料 tier です。

NFT は譲渡でき、OpenSea でも取引されています。ただし Wind Force と手数料 tier の対応表は画像でしか公開されておらず、どの属性がどの水準に対応するのかを数値で確かめることはできません。

Nado の運営は Spira Arc Inc.、決済は Ink L2、板はオフチェーンで動く

紹介コードを入れる前に、そもそも誰が何を動かしているのかを押さえておきます。

運営者の名前は規約にあるだけで、所在地も個人名も出ていない

規約上の運営者は Spira Arc Inc. です。どの国で設立された会社なのかは、規約にも公式資料にも書かれていません。

準拠法はパナマ共和国法で、紛争はパナマ市の仲裁機関(Panama Conciliation and Arbitration Centre)に付されます。パナマは準拠法の国であると同時に、Nado 自身が利用者を除外している地域でもあります。この構造については規制の章で改めて触れます。

出自は 2025-07-08 の合意にさかのぼります。無期限先物と money market を手がけていた Vertex Protocol のチームが Ink Foundation に加わり、その板と実装を引き継ぐ形で作られたのが Nado です。公開の運用は 2026-01-30 の Open Beta から始まりました。2026-07-29 の時点で、公開されてからおよそ 6 か月しか経っていません。この短さは、以降の章で出てくる「記録が無い」という話の前提になります。

Nado で役職に就いている個人は、一次情報のどこにも出ていません。docs には「Kraken を作ったチーム」という記述があり、Vertex には名前の分かっている共同創業者もいますが、その人たちが Nado や Spira Arc Inc. の役職に就いていることを示す一次情報はありません。

注文の付け合わせはオフチェーン、決済だけが Ink 上でまとまる

perp DEX という言葉に馴染みがなくても、押さえるのは 2 層の分け方だけで足ります。注文を並べて突き合わせる部分は運営のサーバーが担い、資産の出し入れと最終的な記録はチェーン上に残ります。

Nado の板(central limit order book)はオフチェーンのシーケンサーが処理し、リスク計算はオンチェーンで行われ、決済は Ink にまとめて書き込まれます。注文が板に載るまでの時間は 5〜15 ミリ秒と文書化されています。Ink は Kraken 発の Ethereum L2(OP Stack)で、チェーン ID は 57073 です。

資産の管理はユーザー側に残る非カストディアルの設計で、出金は自分で実行できます。

規模は 2026-07-29 時点で、TVL(預けられた資産の総額)が 50,511,600 ドル、無期限先物の 24 時間出来高が 89,110,000 ドルでした。この数字が市場全体の中でどのくらいの位置なのかは、次の章で扱います。

無期限先物 72 銘柄・docs 記載は最大 20 倍、現物や貸借と担保を共有する

同じ 1 つの口座に、性格の違う 4 つの商品が載っています。

docs は最大 20 倍

無期限先物

72 銘柄が並びます。暗号資産のほか、トークン化された米国株と指数(AAPL・NVDA・TSLA・SPY・QQQ など)、為替(EURUSD・GBPUSD・USDJPY)、コモディティ(WTI・XAG・XAUT)まで扱えます。
最大 5 倍

現物

Nado の公開 API が返すシンボル一覧で、名前の付いた現物は 13 銘柄です。トークン化された米国株もこの中に含まれ、担保としても受け入れられます。
USDT0 建て

NLP vault

預けた USDT0 を、無期限先物の取引の相手方となる流動性として運用します。利回りは変動するもので、保証はされていないと明記されています。
自動

money market

預けた資産は自動的に貸し出され、借り手が払う金利の一部を受け取ります。金利は 15 分ごとに計算し直されます。

レバレッジの上限は、公式 docs が無期限先物で最大 20 倍と書いている一方、2026-07-29 に日本から見えた注文パネルは 50 倍を提示しており、この食い違いは一次情報では決着していません。

この 4 つは担保を共有します。担保は 1 つのプールにまとまり、現物・無期限先物・money market の建玉が互いに相殺されます。既定はクロスマージンで、分離マージンも選べます。

担保に使える資産は種類ごとに掛け目が違い、1:1 で評価されるのは USDT0 だけです。値動きのある資産を担保に置くと、その分だけ割り引かれて計算されます。

手数料は 1.0 / 3.5 bps から、ガス代の代わりに定額のシーケンサー手数料

取引にかかる費用は、入口の tier だと次の水準です。

1.0 bpsmaker 手数料入口 tier・無期限先物
3.5 bpstaker 手数料入口 tier・無期限先物
±2%funding の 1 日あたり上限精算は 1 時間ごと
1 USDT0標準の出金手数料資産により別建て

この水準は docs と Gateway API の両方で一致しています。tier は直近 30 日の maker と taker を合わせた出来高で決まり、UTC の月初にリセットされます。上位 tier の全段は画像でしか公開されておらず、数値で確かめられるのは入口・中位・最上位の 3 段だけです。為替の無期限先物だけは別建てで、maker 0.2 bps / taker 0.7 bps と安く設定されています。

funding は premium index に 0.01% の固定金利成分を足す式で計算され、1 時間ごとに建玉の間で精算されます。料率の頭打ちは上の図のとおりです。

取引でユーザーがガス代を払う設計ではなく、USDT0 建ての定額のシーケンサー手数料に置き換わっています。入金の承認といったウォレット側の操作には Ink 上の ETH が必要で、docs は 0.01 ETH 程度を持っておくよう勧めています。

トークンを持つことで手数料が割り引かれる仕組みはありません。その位置にあるのが、前の章で触れた NFT による自動 tier です。

小さい注文には注意点があります。taker には最低手数料があり、最小サイズ未満の注文も最小サイズを基準に課金されます。小さすぎる注文ほど、金額に対する手数料の割合は高くなります。

始めるのに要るのはウォレットと 5 ドル、本人確認はカード入金の経路だけ

プロトコル側に KYC はありません。ウォレットの接続にも、暗号資産の入金にも、取引にも本人確認は要りません。

カード入金だけは例外カード・Apple Pay・Google Pay で入金する場合、初回に限って決済事業者の Fun.xyz が氏名と生年月日を確認します。これは Nado ではなく決済事業者が課すもので、2 回目以降は繰り返されません。「本人確認が不要な取引所」と一括りにできないのは、この経路があるためです。

サインインの方法によっても前提が変わります。メールや Google、X でサインインする経路を選ぶと、Privy が内部でウォレットを作ります。この記事で扱った手順は、自分で用意した外部ウォレットを接続する経路です。

取引口座を開くための最低入金は 5 ドル相当です。外部チェーンから直接入金する場合には、これとは別にネットワークごとの着金下限が 3〜10 ドルで設定されています。

Nado は 24 時間出来高で 125 プロトコル中 23 位、シェアは 0.4%

規模の話を、絶対値から順位に移します。

順位は 2026-07-29 のスナップショット 1 枚から出したもの

2026-07-29 の 24 時間出来高は 89,110,000 ドルで、出来高を出している 125 のプロトコル中 23 位でした。DeFiLlama の perps 表を正規化出来高で並べ替えて算出した位置です。

Hyperliquid43.8%
Aster8.4%
10 位のプロトコル1.6%
Nado(23 位)0.401%

上位との差は桁で開いています。23 位という順位そのものより、この分布のどこに立っているかのほうが実感に近いはずです。

数字の性格も添えておきます。順位もシェアも Nado や DeFiLlama が公表している値ではなく、1 日分の表から chainhelm が計算した派生値です。無期限先物の出来高順位は動きが速いので、日付とセットでなければ意味を持ちません。算出に使った表では、Nado より上の 3 行が名前の代わりに子プロトコルの展開ボタンを表示していました。その 3 行も順位の 1 つ分として数えているので 23 位という位置は正しく、名前を取れなかったのもこの 3 行に限られます。

建玉は 6,659 万ドル、手数料収益は集計に載っていない

同じ日の建玉(open interest)は 66,590,000 ドルでした。ただし同じ表には建玉を出していないプロトコルが複数あるため、建玉の順位は算出できません。「順位が低い」のではなく「順位が出せない」という状態です。

手数料収益はさらに手前で止まります。DeFiLlama の手数料ランキングを 564 行分取得しましたが、その中に Nado の行はありませんでした。集計対象にまだ入っていない可能性があり、収益がゼロだという意味にはなりません。事実としては「見つからなかった」までです。

立ち位置を測る 3 つのランキングのうち、埋まったのは出来高の 1 つだけでした。この空白そのものが、第三者の集計にまだ十分載っていない段階であることを示しています。

1 つの担保で株式・為替・コモディティまで持てる点が他の perp DEX と違う

運営自身が差別化として挙げているのは 2 点です。

1 つは、単一の担保プールが現物・無期限先物・money market をまとめて支え、建玉が相互に相殺されることです。現物で持っている資産が、無期限先物の証拠金としてそのまま働きます。

もう 1 つは、暗号資産・トークン化株式・為替・コモディティという 4 つの資産クラスを、1 つの証拠金口座で扱えることです。多くの perp DEX は暗号資産だけを並べるので、株式や為替の無期限先物まで同じ口座に載る構成は多数派ではありません。トークン化株式を、取引の対象としてだけでなく担保としても受け入れる設計は、さらに珍しい部類に入ります。

裏返しの trade-off も運営の docs に書かれています。板を回しているのが運営のシーケンサーである以上、執行の速さはその運営者に依存します。この点はリスクの章で詳しく扱います。

Nado はどの国でも登録を取らず、地域の除外で規制に対応している

規制への向き合い方は、免許を取りに行くのではなく、特定の地域を除外する形で組み立てられています。

除外地域は規約と Docs で書いてあることが違う

除外の対象は 2 か所に書かれていて、内容が一致していません。

ベラルーシ・キューバ・イラン・北朝鮮・ロシア全面制限規約と Docs で一致
ウクライナ全面制限規約は国全体、Docs はクリミア・ドネツク・ルハンスクのみ
米国・カナダ規約では制限地域Docs は閲覧のみ可・取引と操作は不可
パナマ全面制限規約の準拠法の国でもある
シリアDocs で全面制限規約は包括制裁の条項で取り込む

規約(2026-05-13 更新)には、名指しの国に加えて、米国または英国が包括的な制裁を課している国や地域を丸ごと取り込む条項が付きます。名前が挙がっていない国でも、制裁の状況によっては対象になりうる書き方です。

食い違いが起きたときに拘束力を持ち、かつ厳しい側は規約です。画面が開くことを根拠に、米国・カナダ・パナマの利用者を「使える」と読むことはできません。Docs のほうは、実際にインターフェースがどう振る舞うかの記述として並んでいると考えるのが妥当です。

なお日本は、規約の Restricted Territories にも Docs の 2 段階にも入っていません。日本からの利用については、次の章でまとめて扱います。

判定は接続元の所在地で行われ、ウォレットの選別は説明されていない

除外はインターフェースの層で適用され、判定に使われるのは接続してきた場所です。地域によって、画面が全く開かない場合と、画面は出るが操作できない場合があります。

アクセスの可否をウォレットアドレスで選別する仕組みは、公開資料のどこにも説明されていません。一方で規約は、本人もウォレットアドレスも制裁リストに載っていないことを利用者に表明させます。

もう 1 つ押さえておきたいのは、取引の実行経路そのものが運営の管理下にあることです。注文の付け合わせはオンチェーンではなく運営のシーケンサーで行われ、Endpoint コントラクトが注文・清算・出金・オラクル更新の入口として文書化されています。非カストディアルであることと、取引が誰の手も借りずに成立することは、Nado では別の話になります。

どの国でも登録を取っておらず、当局の措置も確認されていない

Nado は、いずれの法域でも金融サービスの免許や登録を保有していません。規約自身が、いかなる規制当局にも登録も免許もされていないと書いています。

免許の地図を広げていく中央集権型の取引所とは、構えが逆です。免許を取りに行く代わりに地域を除外することで、規制の影響が及ぶ範囲を絞っています。

運営者 Spira Arc Inc. に対する当局の措置は、どの国でも確認されていません。ただし公開運用が始まったのは 2026-01-30 で、観測できるのはおよそ 6 か月分です。長期にわたって無事故だった記録として読める材料ではありません。

規約の更新はアクセス開放の 8 日前、商品は免許なしで株式や為替へ広がっている

日付の並びには、意図が読み取れる部分があります。規約の最終更新は 2026-05-13 で、招待制を撤廃してアクセスを開放した 2026-05-21 の 8 日前です。法的な外枠を整えてから間口を広げた順序になっています。

商品のほうは、トークン化株式・為替・コモディティの無期限先物へ広がっています。これらは証券法やデリバティブ規制が厚くかかる領域ですが、対応する免許は取得されていません。株式を参照するデリバティブとトークン化株式の担保受け入れは、その中でも規制の影響を最も受けやすい部分にあたります。運営はこれについての法的な分析を公開していません。

争いになったときの経路も決まっています。紛争はパナマ市での個別の仲裁に一本化され、集団訴訟を放棄する条項が付きます。規制当局との対話や免許の申請は、いずれも開示されていません。

日本から Nado は使えるが、日本の投資家保護の枠組みは及ばない

ここからは日本に住む読者の側から見ていきます。使えるかどうか、法律に触れないか、そして登録が無いことで何が付いてこないかの順です。

日本は制限リストのどちらにも入っていない

規約の Restricted Territories にも、Docs の 2 段階(全面制限 / 閲覧のみ)にも、日本は入っていません。規約の全文検索では Japan が 1 件も出てきません。

実際の画面も確認しています。2026-07-29 に日本の IP から app.nado.xyz/perpetuals を開いたところ、板・オラクル価格・funding・注文パネル・Deposit と Withdraw が全て表示されました。地域制限の表示は出ていません。Nado 側で接続元の所在地を判定する仕組みも、制限を示す応答は返していません。

確認したのは画面の表示までです。ウォレットを接続して注文に署名するところまでは行っていません。米国とカナダに掛かる「閲覧のみ」の挙動が日本には無いと判断する根拠は、公開されている制限リストに日本が入っていないという事実の側にあります。検証に使ったのもデータセンターの IP で、家庭の回線とは扱いを分ける事業者もあります。強い材料ではありますが、一般の利用者の接続と同一ではありません。

取引する個人を罰する日本の法律は見当たらない

海外の未登録プラットフォームや DEX を居住者が使うこと自体を禁じる日本の法律は、見つかっていません。登録の義務も、その罰則も、名宛人は事業者の側です。

2020-05-01
暗号資産のデリバティブが金融商品取引法の対象に。個人向けの証拠金規制(実質 2 倍の上限)が置かれましたが、名宛人は登録を受けた業者です。
2024-11
金融庁が公表する無登録の海外業者リストへの直近の追加。載っているのは勧誘を行った中央集権型の取引所で、DEX も Nado 関連の名前もありません。
2025-12-10
金融審議会のワーキング・グループ報告。DEX には確立した規制手法が無いとして継続検討に置き、利用者には想定外の損失を被るおそれを周知すべきだと述べています。
2026-07-23
法律第 64 号の公布。無登録営業の罰則が資金決済法の 3 年以下から金融商品取引法の 10 年以下へ引き上げられ、証券取引等監視委員会の犯則調査や裁判所の緊急差止めの対象にもなりました。施行日は公布から 1 年以内の政令指定です。

金融庁が無登録業者に対して取ってきた手段も、警告・公表・アプリストアへの削除要請と、いずれも事業者に向いたものです。利用者に向けられているのは、上の年表にある注意喚起までです。

これから効いてくる例外が 1 つあります。新しいインサイダー取引規制は、取引の場を問わず適用する方向で設計され、DEX や個人間の取引も明示的に含みます。国内の登録業者が扱う銘柄について未公表の重要事実を知りながら Nado で取引すれば、Nado が日本の登録の外にあっても規制に掛かりうる、という組み立てです。罰則は 5 年以下の懲役または 500 万円以下の罰金で、併科もあります。この規定も法律第 64 号にあり、施行日は政令待ちです。2026-07-29 の時点で政令は確認されていないので、いつ始まるかを断定することはできません。

以上は、公開されている資料が何を書いていて何を書いていないかの整理であって、助言ではありません。事業として取引しているかどうかなど、個々の事情で結論が変わりうる部分は残ります。

登録が無いぶん、国内の保護も税制の優遇も付いてこない

金融庁の暗号資産交換業者の登録簿(2026-06-30 現在)に、Nado も Spira Arc も載っていません。規約の側も、いかなる規制当局にも登録も免許もされていないと自ら書いています。ここから 4 つの帰結が出てきます。

1 つ目はレバレッジです。個人向け 2 倍の上限は登録業者を名宛人にする規制なので、Nado には掛かりません。2026-07-29 に日本から見えた画面は、公式 docs が記す最大 20 倍ではなく 50 倍を提示していました。商品の章で触れたとおり、この食い違いは決着していません。違法かどうかの話ではなく、国内の投資家保護として置かれた上限が働かないという状態です。

2 つ目は税です。

Nado での損益は、雑所得の総合課税に残ります。2026-03-31 に成立した申告分離課税およそ 20.315% は、登録を受けた業者への譲渡であることを条件にしているためです。

条件は 2 つあって、両方を同時に満たす必要があります。登録を受けた暗号資産取引業者への譲渡であることと、対象の銘柄が登録簿に載っていることです。Nado は登録業者ではないので、1 つ目の条件で外れます。総合課税の税率は所得に応じて上がり、住民税を含めると最大でおよそ 55% に達します。同じ改正では、総合課税に残る暗号資産から特別控除も 5 年超保有の 2 分の 1 課税も外れ、他の総合課税所得との損益通算もできなくなりました。分離課税の適用開始日は、金融商品取引法改正の施行日を起点にする建て付けのため、2026-07-29 時点ではまだ確定していません。

3 つ目は書類です。KYC を行わない取引所は、日本向けの取引報告書を出しません。規約も、税の判断・申告・納付は利用者の責任だと明記しています。取引履歴の再構成から申告まで、全て自分で負うことになります。

4 つ目は紛争です。規約に日本法人も日本の窓口も無く、争いはパナマ市の仲裁に行きます。国内の裁判所や金融 ADR に持ち込む前提が、そもそも用意されていません。

登録が無いこと自体は、海外の DEX ではありふれた状態です。日本の読者にとって効いてくるのは、そこから出てくるこの 4 つの違いのほうです。

Nado には公開された監査報告が無く、権限は署名者非公開のマルチシグに集まる

最後に、この DEX を選ぶことで固有に負うものを並べます。無期限先物という商品そのもののリスクではなく、Nado を選んだ場合にだけ付いてくる部分です。

監査報告は公開されておらず、ソースも一部しか出ていない

外部の目がどこまで入っているのかを、4 つの角度から見ます。

監査報告
公開されていません。docs の索引(llms.txt)全体、Contracts ページ、公開されている nado-contracts リポジトリ、監査会社名での検索まで当たったうえでの不在です。
ソースの公開
8 つのリポジトリが公開されていますが、注文を突き合わせるオフチェーンのシーケンサーは含まれません。ライセンス表記も nado-bincode の MIT 以外に無く、再利用してよいのかどうかが読み取れません。
bug bounty
HackenProof に 2 本あることが、公式サイトのリンクから確認できます。対象範囲と報奨の条件までは追えていません。存在は確認、条件は未確認という状態です。
インシデント記録
公式ステータスページの記録では、監視が始まった 2025-11 以降ゼロ件です。運営自身が運用するページの自己申告で、公開運用が始まった 2026-01-30 から数えれば実績はおよそ 6 か月分にとどまります。

第三者のまとめには「監査済み」と書くものがありますが、報告書そのものには辿り着けません。根拠として扱えるものではないので、この記事では不在の側に数えています。4 つを並べると、結局のところ外部の目がどこにも入っていない、という 1 つの論点に収まります。

コントラクトの全権限は、署名者が公開されていないマルチシグにある

コントラクトの管理は ContractOwner という仕組みに集約され、その全権限はこれを保有するマルチシグにあります。署名者も、閾値も、アドレスも公開されていません。誰が全権を握っているのかを、利用者の側から検証する手段がありません。

管理操作やアップグレードに時間差を置く仕組み(timelock)も文書化されていません。アップグレードの範囲や方式についての記述もありません。当初の Deployer である外部所有アカウントは、日常的な商品の追加や設定の変更に限った権限を持ち続けています。

運用面では、板を回しているのが運営のシーケンサーであることが効いてきます。Endpoint コントラクトが注文・清算・出金・オラクル更新の入口になっているため、運営側が止まれば取引も止まります。定例のメンテナンス枠は毎週月曜と木曜の 22:30 UTC に置かれ、最大で 10 分ほどアプリの機能が落ちうると告知されています。docs は、この間も資産はチェーン上に残ると書いています。

清算はチャートの価格ではなくオラクル価格で起き、そのオラクルの記述が食い違っている

無期限先物を触るなら、まずここを読んでおいてください。

チャートの価格では清算されない清算の判定に使われるのはオラクル価格で、アプリのチャートが映しているのは Nado の約定価格です。チャートの上では清算価格に届いていないように見えても、建玉が清算されることがあります。

清算の対象になるのは、維持証拠金の健全度が 0 を割ったときです。処理は注文の取消、資産の清算、負債の清算という順で進み、途中で健全度が戻れば止まります。清算は permissionless で、誰でも清算人として取引を出せます。割引価格での買い取りや上乗せ価格での肩代わりが清算人の利益になり、清算人にはさらに 1 USDT0 が支払われます。

その清算を起こすオラクルについて、運営自身の文書が食い違っています。Oracles のページは Stork(暗号資産)・Pyth(実物資産)・RedStone(為替)を挙げ、FAQ のページは Chaos Labs を清算の価格源として挙げています。Funding Rates のページが Stork を裏付けているので FAQ の記述が古い可能性は高いものの、一次情報で決着はしていません。どちらが正しいかを断定せず、食い違いが残っていること自体をここに書いておきます。清算を起こす価格の出どころは、損失に直結する情報だからです。

清算で処理しきれない損失に備える保険基金は 1,240,035 USDT0 で、建玉 6,659 万ドルのおよそ 1.9% にあたります。どう積み増され、どの条件で取り崩されるのか、その先に自動デレバレッジ(ADL)があるのかは文書化されていません。

残高も損益も USDT0 建てで、足りなければ自動で借り入れが立つ

残高も、損益も、手数料も、全て USDT0 で計算されます。単一の発行体に集中したエクスポージャーを抱える設計で、この発行体は EU の認可を受けていません。ステーブルコインの規制上の評価について、運営は何も公開していません。

決済の仕組みにも押さえるべき点があります。無期限先物の損益決済で USDT0 が足りないとき、プロトコルが利用者に代わって借り入れ、一時的にマイナスの残高が立ちます。借入である以上、money market の金利が付きます。

担保は複数の種類を受け入れますが、それぞれ掛け目が違います。1:1 で評価されるのは USDT0 だけで、値動きのある資産を担保に置けば、その分だけ割り引かれた評価額しか使えません。相場が動いた局面では、担保の評価と建玉の評価が同時に動くことになります。

◆ ◇ ◆

紹介コードが効くのは最初のウォレット接続の一度だけ

紹介コード 5cnqg8y は、2026-08-10 に chainhelm 編集チームが新規ウォレットで接続し、適用されるところまで確認しています。

入力できるのは口座を作るときの 1 回だけで、後から同じウォレットに紐づけ直すことはできません。適用したいのであれば、Nado で使ったことのないウォレットを用意して、紹介リンクから接続することになります。

2026-05-21 に始まったシーズン 2 でアクセスが開放され、招待制は終わりました。登録にコードは要りません。だから、ここで本当に決めているのは、コードを使うかどうかではなく、Nado で取引するかどうかのほうです。相手はパナマ法のもとで Spira Arc Inc. が運営し、Ink 上で動く非カストディアルの無期限先物 DEX で、公開された監査は無く、トークンが存在しないままポイント制度が走っています。判断の材料は、ここまでに並べたとおりです。